見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

PJハーヴェィ「レット・イングランド・シェィク」

歌がうまいというのは私にはよくわからないのだが、
今回のアルバムを聴いて
ボーカリストとしてのこの人はやはり好きだなと思った。

初期のエキセントリックに激しくシャウトする曲は全くない。
かといって、あまりに内省的な曲が並ぶ前作「ホワイト・チョーク」よりは外に向かった印象。

イングランドをアルバムのテーマとして歴史的、社会的状況、個人的思いを歌う曲が並ぶが、
なぜこのような歌になったのかは情報がないのでなんとも言えない。
日本盤ライナーノーツには岡村詩野が、色々書いているが、
その動機についての突っ込んだ記述(コメント)はない。
どうでもいいような情報しか書いていないライナーよりは良心的だが。

何度も聴いてよさがわかるような味わい深い曲ばかりだ。
歌詞カードを見ながら聴くとイングランドのモノクロの映像が浮かぶようだ。
佳作(できのいいアルバムという意味で)といっていいと思う。

3曲目の「ザ・グロリアス・ランド」
11曲目の「リトン・オン・ザ・フォーヘッド」がよかった。
しかし、日本版のジャケ写がアマゾンにないとは!
こんなにいいアルバムなのに……

Let England Shake

Let England Shake