スピード、グルー&シンキ「イヴ前夜」
恥ずかしながら、ジュリアン・コープの「ジャッブロック・サンプラー」を読み、
彼がこのバンドを絶賛していたことで、初めて聴いた。
JAPROCKSAMPLER ジャップ・ロック・サンプラー -戦後、日本人がどのようにして独自の音楽を模索してきたか-
- 作者: ジュリアン・コープ,奥田祐士
- 出版社/メーカー: 白夜書房
- 発売日: 2008/07/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「ジャップロック・サンプラー」のランキングでは、
1位 フラワー・トラベリング・バンド「SATORI」
3位 裸のラリーズ「HEAVIER THAN A DEATH IN THE FAMILY」
4位 ファー・イースト・ファミリー・バンド「多次元宇宙への旅」
5位 J・A・シーザー「国境巡礼歌」
となっている。非常に癖のあるセレクトだ。
スピード・グルー&シンキには、正直、フラワー・トラベリン・バンドほどの新奇なものはない。
聴かせるのはスリーピースのブルーズ・ロックといっていいのだろう。
なかなか重いビートを聴かせるバンドだ。
電車の中で初めて聴いたときはあまりピンと来なかったのだが、
家で聴くと、リフ主体の叙情性を排除したサウンドが聴いていてなかなか気持ちいい。
またラストの曲のアコースティック・ギターバックでの歌がいい。
これはドラムでボーカルを担当していたジョーイ・スミスの弾き語りなのだろうか?
もしそうならこの人はすごくいい感性を持っていると思えた。
ただ、当時のエフェクターの種類が少ないためか、ギターのサウンドが単調なことは否めない感じだ。
聴いて損することはないが、30年の時を超える強烈なものは感じられなかった。
このジャケットのセンスは面白いと思った。
メンバーの説明については省く。
「ジャップロック・サンプラー」の巻末対談で、近田春夫はギタリストのシンキとは当時からの友達と言ってました。
→その後、歌詞が気になったので、読んでみたらすごくよかった。
「ジャッブロック・サンプラー」に書いてはあったが、ここまでドラッグのことをあからさまに歌っていたのに驚いた。
日本語だったら発売されていないだろう。
ただ、この詩にはひとつの“世界”を感じた。
ジュリアン・コープが評価したのはこのあたりもあってなのかもしれない。
ジョーイ・スミスという人は才能あると思う。
- アーティスト: スピード・グルー&シンキ
- 出版社/メーカー: ストレンジデイズ
- 発売日: 2009/09/19
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↓その後、セカンド・アルバム「スピード、グルー&シンキ」を聴いた感想。
http://d.hatena.ne.jp/allenda48/20111125/1322233633