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一柳慧「一柳慧作曲 オペラ横尾忠則を歌う」

一柳慧作曲オペラ横尾忠則を歌う

一柳慧作曲オペラ横尾忠則を歌う

日本のロック史を独自の視点で俯瞰した「ジャップロック・サンプラー」で知り、興味を持ったので図書館で借りて聞いた。一柳慧オノ・ヨーコの元夫でもある現代作曲家。
私はリアルタイムでの認識は全くないが、現代音楽、そしてアートの世界でも気鋭の作曲家として注目されていたそうだ。
「ジャップロック・サンプラー」にはそのあたりのことが書いてある(ただし、事実誤認多し)

LPは2枚組だったそうだが、
こちらはカラーCD4枚セットがLPサイズのボックスに収納された豪華な装丁だ。
ボックスを開くと
天井桟敷のポスター画像などをびっしりと印刷した内装。こだわりの感じられる作りになっている。
9800円。

ちょっととらえどころのない珍妙なアルバムだ。
さまざまな音源のコラージュ的なアルバムで面白いといえば面白いが、聞き込むような曲はほとんどない。

その中で聴きものといえるのが、内田裕也とザ・フラワーズの曲。LPでは片面すべてと片面半分にあたるボリューム。
ボーカルなしのインスト曲だ。
サイケデリック・ロック・バンドとしての実力を知らしめる内容”と解説にあるが、ダウナー系の独特のモワーンとしたサウンドを当時内田裕也が志向していたというのが意外だった。少し聴き込んでみたい。

高倉健横尾忠則のことを歌った「高倉健横尾忠則を歌う」が今となっては何故、高倉健がという感じだ。
当時は横尾のイラストに登場したりしていたが、
高倉健自身はこういったムーブメントに対してどう思っていたのだろうか。

若い世代の人はなんで高倉健がこんなアルバムに参加して歌っているのか理由が分からないのではないだろうか。

実は私もわからないのだ。
'70年代に横尾の本はよく読んでいたのだがもう忘れてしまったので。なんか書いていたような気もしたが……
自分が高校時代、横尾のカラーイラスト図版を透明の下敷きに入れていたことを思い出した。
我ながら変なことをしていたものだ。