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FOSSA MAGNA 「Declaration of the Independence of the imagination and the Rights of Man to His Own Madness I」

クラムボンのミト(ベース)と伊藤大助(ドラム)、それに斉藤哲也(ピアノ、ほかのキーボード)のトリオによるアルバム。
ミトの“想像力の独立と自己の狂気に対する人権宣言”シリーズの第1弾として発表されたものだ。

このシリーズは2、3弾を先に聴いてから、このアルバムを聴いたので、発表順としては逆で聴いてしまった。

しかも、第2弾のdot i/Oなどについては、今だにどういういきさつでカンのイルミン・シュミットを共同プロデューサーに迎えてフランスで録音したのかも知らない状況である。

とはいえ、3作でのシリーズというところから、ほかの2作を聴いて、ネットで少し文字情報も読んだので、このアルバムは割りとアグレッシブなバンド・サウンドではないかと思ってはいた。
アルバムのライナーに諸事情が書いてあり、今回はそれなりに制作のいきさつがわかった。

ものすごく楽しく聴けた。
このシリーズ3作の中でもっとも楽に聞けたアルバムだ。
聴いた感想は、一言で言えばピアノ・トリオによるジャズだった。
どちらかといえばアメリカでなくソフト・マシーンに代表されるブリティッシュ・ジャズ・ロック的なものを感じた。
ソフト・マシーンは時期によってスタイルはさまざまなので異論ある人もいるかもしれないが……。

斉藤哲也という人についてはまったく知らなかったのだが、非常に達者な奏者だと思った。
ウィキペディアなどをみるとキャリアも豊富なようだ。
undercurrentというユニットで作品を発表などと書いてあったが、
これはそのまんまビル・エバンスジム・ホールのあの名作のタイトルからとっているのだろうか。
ビル・エヴァンスが好きなのだろうか。

ただ、ちょっと達者すぎて、まとまっちゃっている気も個人的にはした。
ピアノ・トリオのセッションとなるとどうしても音世界の構築はピアノにゆだねられると思うが、
ここでのこの人のピアノは非常に聞いていて安心できる演奏(危ういところがあまりない)だというのが大きいのかもしれない。
ただ、否定的な意味ではない。
ラモーンズのノリ〜”うんぬんを読んだからそう思っただけで、とても気持ちのいい音を出していると思います。

また思うことあれば追加、修正していきたい。

Declaration of the Independence of the imagination and the Rights of Man to His Own Madness I

Declaration of the Independence of the imagination and the Rights of Man to His Own Madness I