見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

羽住英一郎監督、瑛太主演の映画「ワイルド7」

漫画は遠い昔に読んでいたのだが、なぜ今さら「ワイルド7」かと思いつつ見た。
ところが、意外に面白かった。
ともかく銃を撃ちまくるバイク・アクションとして。

ガン・アクションについては、私には語るほどの知識はないが、
走るバイクをかっこよく撮るということについては、個人的には今までに見た日本映画でも見せどころのある出来なのではないか。と思った。
これはなんといっても撮影技術の進歩によるものだろう。

どこまでがリアルな撮影でどこからが映像処理によるものなのか見ていて分からなかった。
瑛太深田恭子を後ろに乗せて公道をノーヘルで車の間を縫って走り、交差点も車の間を走り抜けていくシーンなどは邦画では今までに見たことのないような映像だ。
そして海沿いの高速道路をバイクが走る映像。
“決め”の映像なのだが、こんなに走るバイクをかっこよく撮影した映画は邦画では初めてだったような気がする。
エンドロール、高速を疾走するバイクを横から手持ちのカメラで撮ったようにぶれさせて映し出す映像も臨場感があってよかった。

ストーリー的には特に語るべきものとして作られた作品でもないと思うので、突っ込みを入れるのも野暮だろう。

バイク映画だと、近年だと海外では「トルク」のような無茶なのもあるが、
こちらは、バイクのスピード自体はそれほどではないが、非常に楽しめる作品だった。

たまたま時間が空いて映画でも見ようかと思ったときに見るには大いにオススメです。
もしかすると女性向きのアクション映画かもしれない。

シネフィルの評価は低いが、“海猿”シリーズなど興行収入では成功を収めている映像派の羽住英一郎監督を、私は“日本のマイケル・ベイ”と位置づけたいです。