見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

週刊文春1222

P20◆CATCH UP コストカッター カルロス・ゴーンのヘアカット研究
→増毛疑惑を時系列を追った写真で検証。疑惑が確信に至り、記事を「長く続いた“再建途上”から一転、攻めに転じた氏の頑張りに注目が集まる。」で締めている。

徹底取材 2011年の勝ち負け
P37◆キムタク南極大陸vsシンゴこち亀SMAP泣きっツラ」
→ドラマ「南極大陸」と映画「こち亀」の不入りについて好き勝手なことを書いているだけの記事。特に読むべきことも書かれていない。切り口も凡庸。「南極大陸」はTBS製作のドラマの悪いパターンにはまって期待はずれの結果というのは事実。
ただ「こち亀」の香取慎吾については、ドラマも失敗していたのに、この仕事を請けたのは負け戦にあえて飛び込んだくらいの気概を私は感じる。

「男には、負けるとわかっていても、戦わなければならない時がある」(byキャプテンハーロック銀河鉄道666」)

そのくらいの男気を感じますね。
次の主演映画は“ポチたま”のまさお君を映画化した「LOVE まさお君が行く!」!
彼はどこに向かっているのだろう……
「LOVE まさお君が行く!」の監督は「NANA」「ランウェイ☆ビート」の大谷健太郎

P39◆スザンヌvsほしのあき「玉の輿婚のイヤ〜な感じ」
→文章に悪意を感じるイヤ〜な感じの記事。ほしのについては露骨な悪意を感じる記述。またスザンヌについては斉藤の前妻がつつましい生活をしていると書き、後味悪く記事を締めている。

P41◆堺正章vs加藤茶「年の差婚ハッピーなのは?
加藤茶は45歳差婚。不倒記録と思っていたら、鈴木清順は48歳差婚だった!

P42◆DeNA中畑vs日ハム栗山「明るければいいのか」
→中畑の監督就任にはナベツネの意向があったのではという推測が。昨年、参院選出馬をナベツネが促したが落選。「選挙で悪いことをした」と陰で渡辺氏が裏で動いたとも言われてます、とベテラン記者のコメントが。本当かね?
中畑の息子が都内でホルモン屋を経営していることをこの記事で知った。

P43◆宮崎あおいvs沢尻エリカ「離婚ネタの賞味期限」
→宮崎の夫の高岡が再び名前を変えてツイッターでつぶやき始めたとのこと。このことから離婚がいよいよ動き始めたと推測する記事。
また沢尻の離婚については高城の哲学を紹介して離婚が進まないとの推測。
「彼の“ギャンブル哲学”には『負けないためには、勝つまでやめないこと』というのがある。まさにそのままで『エリカが真実をすべて公にして、謝罪をするまでは離婚には応じない』と頑なです」(テレビ局関係者)。
でも、それをやったら潰れてしまうこともあると思うのだが。

P45◆玉置浩二vsショーケン「見苦しい再婚大ハシャギ」
→7月に北海道・旭川の披露宴をリポートしていたが、久々に文春に玉置の記事。
夫婦仲はいいようで、仕事の現場でもいつも“ノリ”こと青田典子と玉置、そしてティーカッププードルのチェリーが一緒だという。テレビ出演のときには青田もスタジオ観覧席にいるので画面に映りこむこともしばしば。
しかも楽屋での打ち合わせでは玉置の片膝にノリが乗っていて、もうひとつのひざにチェリーが乗っていることもあり、相手のスタッフが困惑することもあるとのコメントも。

P48◆アトピー治したければフライパンを使うな
→タイトルを見ると何だろうと思うが、要はステロイドの弊害のことと、油をとらないようにするのがいい(=フライパンを使うな)という記事。奥野修司・署名記事。

P50◆映画 松竹映画軒並み大コケ“弁護士社長”に不満噴出
→迫水社長の祖父は松竹の蒲田撮影所所長、そして松竹社長として有名な城戸四郎。記事は、監督第一主義を城戸が掲げて松竹の黄金時代を作ったのでそれを見習えばと簡単に締めている。だが、現在はむしろ監督よりはプロデューサー主義の時代だと思う。東宝はプロデューサー主義で現在は大きな成功を収めている。

P51◆芸能 三浦友和久々の主演に家族が“思わぬ”サポート
→好意的な記事。

P54◆今週のBEST10 コンビニの和のスイーツ(ローソン)
1位 スプーンで食べる生どら焼き(ローソン)
2位 和クレープ 抹茶クリーム&おもち(ローソン)
3位 クリーム大福 宇治抹茶使用(セブンイレブン)
4位 レンジで温め みたらし団子(セブンイレブン)
5位 クリーム白玉ぜんざい(セブンイレブン)
※5位まではローソンとセブンイレブンだけだ。それだけ力を2社は入れているということなのだろうか。

P60◆本音を申せば 小林信彦 歳末の寂しい映画界→「ぴあ」休刊で映画館探しに難儀していると書いている。このあたりはさすがに世代の差を感じる。スマートフォン、もしくはパソコンを使えば簡単にわかるのに。特に難しいことではないと思う。田原総一郎は違和感なく使いこなしているようなので、2学年上の小林でもその機があればできると思う。娘さんにでも教えてもらうといいのでは。
ほかには今年の映画興行の不入り、3D映画のこと、脚本家・笠原和彦との思い出について書いている。

P69◆近田春夫の考えるヒット 
倖田來未「Love Me Back」
ASIAN KUNG-FU GENERATION「マーチングバンド」
以上、2曲について。
特に興味深いコメントはないが、しいてあげれば以下の部分か。“ポップス”とカギくくりにしているのがポイント。
「(Jポップでは)始まりはクールでもサビでやたら熱く盛り上がってしまうケースも多い。なんでそれが困るかというとそういう展開はハッキリいって“ポップス”としては古臭いからである。〜世界の潮流を見渡せばそのくらいのことわからないはずがない。バンドにしろ作曲家にしろ気付いていないとしたらハッキリいってバカだ」

P71◆そのノブは心の扉 劇団ひとり 壁に上る
秋葉原にあるフリークライミング施設での体験記。ネタのためなのかはわからないが、毎回色々と試みていることに感心する。先週は釣りだったし。劇団ひとりの連載の号ごとのネタを次から列挙していくことにする。何か見えてくるかもしれない。

P106◆新 家の履歴書 諸星和巳
→元光GENJI。1970年生まれなので41歳。語っているネタはかなり面白い。
理由はわからないが両親、兄弟とは別れて暮らしていたそうだ。静岡のみかん畑に囲まれたボロボロの古い家で祖父母といっしょに暮らしていたという。そこで親戚か知り合いかよくわからない人も一緒に暮らしていた。夜は雑魚寝で寝て、食事時には囲炉裏端に釜で炊いたご飯やひじきの煮つけなどが並び、それを“ビュッフェ形式”で食べていたという。風呂は五右衛門風呂。小学校へも歩いて50分くらいかかったという。
中学校で学校に行かなくなり、テレビで見た竹の子族を見ようと仲間と上京。そして代々木公園そばの歩道橋の下に“基地”を使って野宿していたという。野宿生活を続けているとき、原宿駅ティッシュを貰おうとうろうろしていたらジャニー喜多川に声を掛けられた。やがて野宿生活を続けていると仲間もいつのまにか消え、お金もなくなった。そこで貰った名刺を見て電話をかけ原宿にあったジャニーズ事務所の合宿所で暮らすことになったという。そのとき12歳。そのまま居座って、その後ローラースケートに熱中。そして16歳の時、光GENJIでデビュー。
その後、原宿合宿所がファンが殺到した事件から閉鎖となり、東山紀之と同じ合宿所に入るが、しばらくして一人暮らしを始める。親しかったタモリの家のそばのマンションだったという。諸星はタモリの家でよくご馳走になっていたとのこと。部屋にはミラーボール、「ザ・ベストテン」で使われていたミラーのドア、床の間にハーレーが置いてあった。そのころはモテまくりで工藤静香中森明菜など噂になったアイドルは数知れずだったそうだ。
その後、青山のマンションに引っ越す。その後光GENJIは解散、諸星は日本とニューヨークを行き来する生活を送るように。今でもミュージカルのオーディションなどは受けているという。諸星の英語力がどの程度かは不明。なんでニューヨークなのかも不明。
面白かったが、このネタはバラエティ番組とかですでに話しているのかもしれない。

P119◆テレビ健康診断 亀和田武 妖怪人間ベム
→非常に高く評価している。たとえには小松左京萩尾望都ポーの一族」、レイ・ブラッドベリ「霧笛」、映画「ブレードランナー」を挙げる。
山口富士夫らがいた“伝説のバンド”村八分の「どうしようかな」を少女に歌わせたラストシーンのある回もあったそうだ。

P120◆Cinema Chart 「Cut」
→主演の西島秀俊のインタビューが1208号に掲載されていた怪作「Cut」を取り上げている。
この映画、イラン人で現在ニューユークで活動するアミール・ナデリ監督が日本人キャスト、日本ロケで撮影したもの。共同脚本に青山真治が参加。
西島扮する青年が兄の借金1254万円を返済するために「殴られ屋」をしながら名画の自主上映会を続けていくという話。またその青年は過剰な映画愛を抱く男で、彼は殴られるたびに愛する映画のワンシーンを思い浮かべ、殴られるごとにその映画のカットが映画に挿入されるという構成だそうだ。黒澤明小津安二郎溝口健二の墓参りのシーンもあるという。
筋と設定だけ聞くとトンでもない映画のようだが、見た人間によると作り自体はきちんとしていると言っていた。
以下、評者のコメント。☆は5点満点
品田雄吉「反体制派作家の熱い思いが全編を駆け抜ける。西島が大熱演。映画への愛と殴られることは監督の今の心境の吐露なのか」☆3つ
中野翠「多くの人にはすすめにくいが、映画マニアの一心不乱がどんどん濃縮されていくところ美醜ないまぜの迫力。西島、怪演」☆3つ
斉藤綾子「物語には全く魅力を感じなかったが殴れ続ける男の痛む美しさに心が震えた。なぜ全裸にならなかったのか西島秀俊!」☆2つ。映画のスチール写真に裸になって埋もれるシーンがあるらしい。
おすぎ「殴られるという行為だけで一本の映画が出来た驚きと映画を作りたいという切なる想いに胸を打たれた。西島クンに☆1つ」☆5つ!
おすぎの☆5つがなかなか興味深い。

P123◆宮崎哲弥のDVD教養主義
→M・ナイト・シャマラン製作の「デビル」についてだが、ほかの映画もいくつか紹介している。
私が衝撃を受けたビル・パクストン主演・監督の「フレイルティー/妄想」を隠れた大傑作と評価しているのに共感。温厚な父親である中年男性が、突然、神の啓示を受け、息子2人と共に、勝手に“悪魔の化身”と断定した人間を次々に拉致し殺戮しまくる作品だ。この映画の恐ろしいところは狂信的な殺人者と思った父親が実は……ということだ。あの地味な俳優がみずからのアイデアを温めて監督した映画がなぜかこんな作品ということにもびっくりした。

フレイルティー 妄執 スペシャル・コメンタリー・エディション [DVD]

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P127◆今週の必読 評者・松田哲夫 渡辺一史「北の無人駅から」
→見出しは「地方が抱える苦悩の真実−深く胸をえぐる圧巻のノンフィクション」
大宅壮一ノンフィクション賞講談社ノンフィクション賞を「こんな夜更けにバナナかよ」でW受賞した渡辺一史によるもの。評者はこう締めている
「ナイーブなノンフィクションライターが、徒手空拳、二十年の歳月をかけて「北海道」に立ち向かった。蛮勇とでも言いたくなるチャレンジは、その対象にふさわしく、どでかい作品を生み出したのだ! これは本当に凄い本だ!」
792ページとのことだが、読みたくなってきた。
[rakuten:hmvjapan:11657819:detail]

北の無人駅から

北の無人駅から

P128◆今週の必読 江口研一・評 北沢夏音「Get back,SUB! あるリトル・マガジンの魂」
→神戸を拠点に'70年代に創られた「SUB」という雑誌の発行人の足跡を追った本。この雑誌のことは知らなかったが興味をもったので優先的に読んでみたい。

P131◆漫画の時間 いしかわじゅん・評 山上たつひこ原作・いがらしみきお漫画「羊の木」
→山上といがらしが組んだ漫画「羊の木」について。
いがらしみきおの漫画は最近はチェックしていなかったが、評者によると「いがらしの近年の充実ぶりは凄い」そうだ。「連載中の「I【アイ】」ではついに神を描こうとしている」とのこと。この2作品は、ある程度単行本の量がまとまったら読んでみることにする。

羊の木(1) (イブニングKC)

羊の木(1) (イブニングKC)

I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)

I【アイ】 第1集 (IKKI COMIX)

P132◆私の読書日記 立花隆西舘良子
→「表裏井上ひさし」の内容を知り、井上ひさしのかつての家庭でのDVを初めて知った。
著者は井上の元妻。離婚のときには明らかにされなかった事情が語られている。井上のDVについては大手出版社によって表沙汰にならないよう配慮されたとのことだ。立花は“人間の闇”というちょっと手垢にまみれた言葉で井上の内面を語っている。かつて初期の「青葉繁れる」「モッキンポット師の後始末」などを楽しく読み、暴力的なイメージなど全く著者について抱いていなかったのでちょっとショックだった。

表裏井上ひさし協奏曲

表裏井上ひさし協奏曲

エマニュエル・トッドほか「自由貿易という幻想」は「TPPについてなぜ反対すべきかを多くの論者がさまざまな論拠から明らかにした党派性のある入門書。非常に説得力がある」とのこと。立花は軽く内容に触れているが、この文章からすると、アメリカの“世界支配システムとしてのドル”とその凋落、延命策としてのTPPといった論点で書かれているらしいと推測できる。読む余裕があれば読みたい。
自由貿易という幻想 〔リストとケインズから「保護貿易」を再考する〕

自由貿易という幻想 〔リストとケインズから「保護貿易」を再考する〕

カール・シューノーヴァー「ヴィジュアル版 脳の歴史 脳はどのように視覚化されてきたか」
はタイトル通りの本のようだ。本屋でちょっと立ち読みをおすすめすると書いているので、そうすることにしたい。
ヴィジュアル版 脳の歴史---脳はどのように視覚化されてきたか

ヴィジュアル版 脳の歴史---脳はどのように視覚化されてきたか

P134◆この人のスケジュール帖 でんでん
→「冷たい熱帯魚」「ヒミズ」「CUT」に続き、さらにはイランの巨匠アッパス・キアロスタミの映画にも出演するとのことだ。

P136◆阿川佐和子のこのひとに会いたい 大楠道代
→大楠が出演した鈴木清順の“浪漫三部作”「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」「夢二」のニュープリント再公開に合わせてのインタビューなのだろうか。
原田芳雄も3作に主演、助演で出演しているので、大楠が原田のかつての思い出話を披露している。
原田は女優業を休んでいた大楠に、阪本順治監督から「愚か者 傷だらけの天使」出演のオファーがあって女優業に復帰したとき「役者というのは椅子取りゲームだ、一生懸命走っても椅子がない人だっているのに、ここに座ってくださいと用意してくれるなんて、道代ちゃん、きみは幸せものだよ」と言ってくれたそうだ。
なかなかよい対談だった。
原田と大楠は、原田の遺作となった阪本監督の「大鹿村騒動記」でも事情のある夫婦として共演している。
ツィゴイネルワイゼン [DVD]陽炎座 [DVD]夢二 [DVD]

大鹿村騒動記【DVD】

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P164◆姜尚中伊集院静」を読む!
→PR記事? ちょっと違和感あり。

◆訪問!あのメニューが生まれた店 明治21年解禁 ふぐ 山口・下関 春汎楼
→ふぐ料理を禁止したのは豊臣秀吉でふぐ料理解禁を命じたのは伊藤博文だそうだ。この店は詩下関条約の締結の場所にも選ばれたという。
http://www.shunpanro.com/

◆おいしい! 私の取り寄せ便 槙原敬之「豆乳クリームのあんみつ大福」銀座中条
18個入り3600円。
http://www.paqtomog.com/shop/default.aspx