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やなせたかし 「人生いつしかたそがれてわずかに残るうすあかり」

やなせ先生が創ったジャンル“たそがれ詩集”の一冊。
80代後半に書かれたもの。先生の描いた絵もついている。

老境にいたり、思うままに言葉をつづった内容。
ページ裏のカバーには

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ぶっきらぼうな
この詩集
ぶっきらぼうに
読めばいい

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との言葉。

まえがきはこんな言葉。
見開き2ページにでかでかと書かれている。

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難しい言葉が
わからない
ちいさな文字は
読みにくい
大きな活字は
美しい
眼鏡不要で
読みやすい
それぞれの詩に
絵を描いて
なんだかヘンな
この詩集

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絵がなかなか味があっていい。

駄洒落も込めながら、人生の悲哀をつづっている。

やなせ先生が昔から描いているキャラクター“ボオ氏”が登場する絵が多い。
(表紙に描かれている帽子を被った男性)

裏表紙のボウ氏、水面に映る姿をみると、やなせ先生が自身をキャラクター化した“やなせ兎”となっている。

あとがきにはこんな言葉。

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どうせもう人生のどんづまり
カーテンコールですからね
恥も外聞もありません
たそがれの詩集です

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