ザ・フレーミング・リップス『Dark Side of the Moon』
- アーティスト: Flaming Lips & Stardeath & White Dwarfs
- 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
- 発売日: 2010/05/10
- メディア: CD
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どのような意図、いきさつでこのアルバムを出したのかは知らない。
ロリンズ・バンドのヘンリー・ロリンズがゲスト参加。
アマゾンの商品説明によると、ピンク・フロイドはメンバーのフェイバリット・バンドの一つで、『Dark Side of the Moon』は大きな影響を受けたアルバムと書かれてある。
オリジナル・アルバムは長時間のスタジオワークで作られた滑らかなサウンドだが、こちらはラフなサウンドが新鮮だ。
十数回くらい続けて聴いた現時点での感想。
なかなかいい。
ピンク・フロイドのアルバムをバンド・サウンドとして比較的オーソドックスにカバーしているのだが、どのパートの演奏もピンク・フロイドぽくない。
特にギター。ピンク・フロイドの場合、どうしてもデビッド・ギルモアのギターの印象が強く、カバー曲を聴くと、オリジナルとのギターの違いに耳が行くのだが、このアルバムのギターはまったくデビッド・ギルモアを感じさせない音。
ベース、ドラムにしてもロジャー・ウォーターズ、ニック・メイスンぽいところがまったくない。
ピンク・フロイドの曲なのに、ピンク・フロイドをまったく感じさせないのがこのアルバムの面白みだと思った。
ただ、深く聴き込むという感じのアルバムではないと思う。
これを聴いて、やはりオリジナルは名盤だと再認識した。
ちなみに「タイム」で“Hanging on in quiet desperation is the English way ”というフレーズがあるのだが、
聴いていると“English way”という部分は、メンバーがアメリカ人のせいなのか、歌わずに沈黙している。
このジャケ写を見て、また“カツオ・ミーツ・ピンク・フロイド”を思い出してしまった。
演奏しながらビームを発するのと、聴いたものがプリズムを経たようにして発せられるのがアメリカと日本の違いなのだろうか。カツオは内なる音に耳をすませるが、アメリカ人の赤ちゃんは楽器を手に光を発するという感じですね。
外に向かうのと内に向かう違いに、意外に国民性が感じられたりする。