見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

文春0426

P26◆島田紳助独占告白90分−「なんや、コラ!」長髪にヒゲ、モコモコのフリース姿で現れた紳助は、逃亡の日々、吉本への思いから、芸能界復帰まで、8カ月ぶりに沈黙を破った。 8ページ一挙掲載!
→このインタビュー、アポを取って取材したものなのだろうか? 約束していながら、現れたときにインタビュアーに「なんや、コラ!」と怒声を挙げたとしたら、無茶苦茶な人間ということなる。ということは、話しかけて、急遽インタビューになったということなるのだが……。何か不自然だ。ただ、インタビューで話していることは理路整然としているし、記事自体も紳助を貶めようとする意思は感じられない。芸能界復帰はない、政治家にはならない、と現時点では語っている。

P34◆小泉進次郎が総理になる日−僕には、経験に対する飢えがある 最も近い記者に初めて明かした「決意」
小泉進次郎は、国会内でのぶら下がり取材や立ち話には応じても、メディアの個別インタビューは受けないそうだ。ということで、今回の記事は比較的懇意にしている田崎史郎という時事通信の記者の今までのコメントなどをまとめたもの。
進次郎は、非常に礼儀正しく謙虚であると先輩議員の評価は高いとのこと。東大卒もごろごろいる国会議員の中で、関東学院大学という知名度の低い、そして偏差値も高くない大学出身であることにも触れている。現衆議院議員では同大出身者は進次郎のみだという。兄、孝太郎ともに小学校から関東学院とのことだ。ちなみに孝太郎は日大に進んだ。小泉家と関東学院では何か関係があるのかもしれない。ただ進次郎には学校に関するコンプレックスはまったくないようだ。小学校から野球ばかりやっていたと語っている。大学院はアメリカの名門コロンビア大学の大学院に留学。そのときは必死で勉強したそうだ。また政治家同士の付き合いは悪いという声も多いらしい。派閥に属さず議員連盟にも参加していない。また「親戚」という言葉を使って一族のバックアップがあることも感じさせる発言もある。
進次郎はまだ、前面に出て語ることが墓穴を掘ることになりかねないと考え、一歩引いたスタンスで謙虚、誠実に振舞っているのかなという思いを抱いた。そしてカンのよさからキレのいいコメントをして良い印象を植え付ける。そんな印象だ。メディアに単独で出ないことについては父と同様、飯島元秘書あたりブレーンの指示に基づいて動いているのだろうと思われる。説得力のある文章を書き、演説をし、人と議論することで秀でたものを見せるまでにはまだ至っていないので、そのあたりのお披露目は控えているというところだろうか。
しかし、文春は本当に進次郎好きだ。

P39◆18人死傷 「祇園暴走犯」お笑い芸人志望の過去
軽ワゴン車で群集に突っ込んで暴走、自身も電柱に激突、死亡した事件で運転していた30歳男性についての記事。男性は中学から立命館で大学に進んだが、大学時代に原付で事故を起こし、てんかんの後遺症が残るようになったという。大学時代には姉とお笑い芸人を目指して吉本の芸人養成所「NSC」にも所属していたそうだ。

P42◆東京電力天下り全リスト」公開−料金値上げなど言語道断! 
猪瀬直樹の署名原稿。東電の子会社、関連会社などの社長・役員のリスト付。「この馴れ合いの天下りの世界、競争がないからだ。原発事故もすべてこうした殿様商売から来る緩みに起因するのだ」と文を締めている。

P48◆年金「大誤報」にダマされるな−週刊現代週刊文春!?
朝日新聞記者の書いた記事。NHK、日経新聞、週刊誌の年金記事の間違いを正したもの。文春もその対象として取り上げているのだから意外に懐の広いところを見せた。記事については特に興味深いものはない。

P54◆池上彰のそこからですか!? マイナンバーとはどんな番号?
→IDで国民を一元管理する「個人識別番号法案」について。池上先生は「国民総背番号制」などとして否定的見解を示すことはまったくない。かつての反対勢力としては収入が筒抜けになることを嫌う中小企業のオーナーがいると語っている。

P56◆芸能 「笑っていいとも!」名物企画変更の陰に矢田亜希子の“放言”
→テレフォンショッキングで当日のゲストが生電話で友達を紹介するやりとりが廃止になり、司会のタモリが直接、明日のゲストに電話するようになった。その理由が矢田亜希子にあるのでは、という記事。翌日のゲスト・大竹しのぶを紹介する際に「友達ではないのですが、私の大好きな大竹しのぶさん」「初めまして、矢田と申します」「いつかご縁がありましたら、よろしくお願いします」と身もふたもない放言で会場もタモリもドン引きにさせたとのこと。

P66◆本音を申せば 小林信彦 映画「ドライヴ」とミッキー・カーチス自伝
品田雄吉に映画「ドライヴ」を勧められて見たとのこと。B級映画の快作との評価。筆者がほめていたので私も見ました。私の印象は快作というより怪作でした。悪い意味ではありません。後はミッキー・カーチスの自伝「おれと戦争と音楽と」についての文章。

P74◆近田春夫の考えるヒット
Distance/MAN WITH A MISSION
→クリップを見てみたが特に思うものはない。“なぜ彼らはこの格好(オオカミの被り物をしている)でこういう曲をやるのか”と書いているがその通りの内容だ。余談として覆面バンドのシルバースターズを近田先生は挙げていたが、あまりに昔のことなのでその存在を忘れていた。VOW WOW? ネットで検索してみたら近年活動をしていたらしい。
GO FOR IT,BATY-キオクの山脈/B'z
→“稲葉の歌のなかには宇宙が感じられまたそこには暮らす人々がいる”とのお言葉。
はみだしでは鳩山元首相のイラン訪問に関してのコメント。私は、対米屈従の野田政権への“順法闘争的嫌がらせ”と思っていたのだが。


P75◆そのノブは心の扉 劇団ひとり 新しいiPadの問題点
→“新しいiPad”購入に関する小話。新しいiPadは見た目に違いがないので、劇団ひとりが楽しみにしている“自慢機能”がないと落胆。

P104◆新家の履歴書 原田眞人
→監督作「わが母の記」公開に合わせての登場と思われる。静岡の旅館の息子とのこと。大学受験に失敗、東京写真専門学校などを経て渡英。その後アメリカ・ロサンゼルスに。雑誌「ポパイ」の連載で生活が潤ったという。帰国してから原田芳雄らとの交流なども。その後はいきなり「クライマーズ・ハイ」に話が飛ぶ。アイドル映画や出世作となった「KAMIKAZE TAXI」、外国人キャストで海外撮影の「栄光と狂気」など監督作のことには触れていない。そのあたり触れてほしかったので、インタビュアーに不満あり。ちなみに今回は原田邸の見取り図でなく井上靖邸の見取り図となっている。

P118◆Cinema Chart
裏切りのサーカス
→25点満点で19点。おすぎが5点満点。ともかく展開が複雑なようだ。「ぼくのエリ 200歳の少女」のトーマス・アルフレッドソン監督。

「捜査官X」
→25点満点で17点。おすぎが5点満点。ドニー・イェン金城武共演の捜査アクション。

P120◆ヨコモレ☆通信 辛酸なめ子 「HARAJUKU DISCO」
ラフォーレで服を買ったら招待券をもらったので行ったとのこと。ラフォーレで服を買っているということにちょっと驚いた。

P127◆漫画の時間 いしかわじゅん 生命とはなんだったのか
石黒正数「外天楼」について。

続きは後日。
↓以下、追記分。


P131◆宮崎哲弥の時々砲弾 社会の木鐸の音質part2
→人から指摘され、最近テレビ出演を外されているらしいとの疑惑を抱いたとのこと。野田政権、財務省だかの圧力でテレビでの発言が妨げられているらしいのだと書いている。このことを枕に大手新聞での増税を促す記事が不自然に散在することを指摘している。特にはなはだしいのが朝日だそうだ。消費税増税の効果に疑問を呈する記事が載ったと思ったら、後日の社説では増税を急げの記事。記事と社説のあまりの違い、ダッチロールぶりに「これは漫才なのか? それとももっと悪しき『何か』の兆候なのか」と書いている。


P138◆モバゲー、グリーの「落とし穴」あなたの子供は大丈夫か どんどん課金、数十万の高額請求も
→椎名玲という人の署名原稿。携帯を使って知らない間に子どもがゲームで多額のお金を使うことについての記事。文春は昨年の夏からメモをつけているが、このことを指摘したまとまった記事は久しぶり。

P◆財務省は巨悪か? 江田憲司みんなの党幹事長〉vs峰崎直樹〈元財務副大臣
→「野田首相財務省にマインドコントロールされている」と主張する江田憲司と「私は民主党一の増税論者です」という峰崎直樹の討論を収録。なかなか興味深い言葉があった。江田の最後の言葉「官僚は理屈の動物では。なかなか頭もいいし、政治家を騙すノウハウも満載しています。政治家から理不尽なことを言われても、面従腹背で従わない。政治家が『やる』と決意し、その上で官僚が何か言ってきたら、ちゃんと議論した上で論破しなければならない。そして財務省でなく、官邸がカネと人事を握ることで、初めて『真の政治主導』の体制が整うのです」はまっとうな言葉だとは思う。

P151◆橋下徹を「反原発」に転向させた男
→無署名原稿。来るべき総選挙に向けて「反原発」を争点にすることを打ち出し始めた橋下についての事情、おもわくなどを探った記事。橋下の反原発表明を後押しした人物として孫正義の名前をあげている。また、「再稼動に関する八条件」を作った中心人物である環境エネルギー政策研究所の飯田哲也、元経済産業省の古賀茂明についての記述も。
大阪市政担当記者の「原発再稼動反対も天下獲りの道具に過ぎないのでしょうか」という言葉をラストにもってきて、「エネルギー問題は、資源のない日本にとって、国の存亡を左右しかねない重要課題である。橋下氏の“反射神経”の先に待ち受けるのは、どんな日本だろうか」で記事を締めている。おちゃらけて橋下を貶める調子は全くない。

P170◆政経塾一期生が語る「理想と現実」
松下幸之助が「無税国家」実現を目指して作ったという「松下政経塾」。その第一期生が首相となり増税にまい進する中、かつての同期生が増税野田首相について語っているグラビア記事。それぞれ違う道に進んでいる同期生の言葉はなかなか興味深い。早稲田の客員教授の岡田邦彦という人は、当時自分の発表が幸之助にほめられたと語り、そのころの野田首相については「その時の野田君の発表? 覚えてません。彼は……あまりパッとしなかったです」と失礼な発言。ほかの同期生から比べると印象に残った。この人は政治家を目指さずに塾に職員として残った人みたいですね。