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ベンジャミン・フルフォード「図解 闇の支配者 頂上決戦」

図解「闇の支配者」頂上決戦

図解「闇の支配者」頂上決戦

以前読んだ「図解 闇の支配者」の続編。


「図解 闇の支配者」を読んだ感想メモ

陰謀論の人気作家のベンジャミン・フルフォードを読むのは久しぶり。
ただ、もう何冊か読んだのでさすがに“荒唐無稽なお話”を読む面白さは感じなくなった。
荒唐無稽でいながら、大手マスコミでは示されることのない情報、別の視点を示してくれるのがこのたぐいの本の魅力だと思うのだが、もはやこの本には私にはそういった点で興味深いものはなかった。

予想通りの陰謀論の展開で「またか」という感じだ。
内容は「図解 闇の支配者」で書かれていることほぼ同じだ。
ただ、陰謀論はさらにエスカレートしている。

そして、東日本大地震原発事故を闇の支配者によるものとして論説を展開。
さらには、レディ・ガガイルミナティの思想の宣伝人形と指摘している。

このあたりが好事家には読みどころなのかもしれない。

以下、目次。
彼の著作を数冊読んだひとなら、目次を読むだけで内容は察しがつくと思う。

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はじめに
序章
今、明かされる「闇の支配者」新事実
地震兵器

3.11。あの震災の背後に存在した闇の支配者の謀略を許さない!
原発利権
エコ・環境をお題目に原子力利権の支配を進めてきた闇の支配者の一族
ビルダーバーグ2011
闇の支配者たちの年間計画会議で話し合われた議題とは!!
レディ・ガガ
奇抜な格好でイルミナティの思想を宣伝する操り人形
ウィリアム王子結婚
結婚式で浮き彫りになった闇の支配者の仲間割れ
イエズス会
武装集団、イエズス会を筆頭とするバチカン内部の“悪”が活発化!
世界怪現象
世界各地で目撃される奇怪な現象。その鍵は「ヨハネの黙示録」だ!
イルミナティカード
9.11や3.11を予言するカードが存在していた。

第1章
事件・事故の裏で蠢く「闇の支配者」
阪神・淡路大震災

阪神・淡路大震災は、闇の支配者の「人口地震」実験に使われた!
メキシコ湾原油流出事故
最悪の環境破壊事故の背後に、闇の支配者の内部状態が見える!
口蹄疫事件
宮埼の口蹄疫は、「王族の起源の地」を標的にした悪意ある実験だった。
ドルの暴落
失墜する基軸通貨、米ドルと新通貨を巡る熾烈な争いの時代
ユーロ危機
金融資本家と米ドル覇権派に翻弄され食いものにされる豚(PIGS)
哨戒艦爆沈・延坪島砲撃事件
「東アジアの火薬庫」北朝鮮を暴発させ中国を攻撃する意図
尖閣諸島漁船衝突事件
日中対立を煽って、漁夫の利を得る「闇の支配者」に踊らされるな!
小沢一郎強制起訴
小沢一郎の首に鈴を付けたのは日本に救うCIAの手先たちだ
メキシコ麻薬戦争
政府軍を圧倒するほどの麻薬組織。ドラッグで世界を統べる闇の支配者
ウィキリークス事件
真の目的はロスチャイルドのライバル金融機関を潰すこと
ニュージーランド地震
地震兵器を意のままに操り、恫喝を繰り返す闇の支配者たち
ジャスミン革命
中東を混乱に陥れるために仕組まれた「市民革命」
カダフィ政権崩壊
NATOは単なる資源泥棒! 石油とカネを奪取するための攻撃
東日本大地震
震災は人口地震によるものであり、日本への卑劣な攻撃である
福島第一原発事故
大震災とセットで仕組まれた予定調和の大事故!!
ビンラディン射殺事件
ドル石油体制維持と戦争継続のための見え透いた茶番劇
ストロカーン逮捕
何がなんでもドルを維持しようとする努力が仕掛けたトラップ

第2章
世界を操る闇の「組織・企業・団体」の正体
エネルギー利権

時には潰し合い、時には共闘する、エネルギー利権を巡る闇の抗争
フリーエネルギー
エネルギーという牢獄の鍵は何度も汚い手で握りつぶされてきた
原発カルテル
建てては儲け、事故処理でも儲け。原発利権集団のえげつない商法
IAEA
疑惑と癒着がどす黒く渦巻く、原子力利権を統括する原発マフィア
IMF
国際高利貸し機関を舞台にした「新基軸通貨」をめぐる抗争劇
GE
原爆製造に参加していたGEが作った原発で日本が再び汚された
エクセロン
米原発最大手のエネルギー企業は、オバマをカネで懐柔した!
ウォルマート
貧乏人の血を吸い上げる奴隷商売。名ばかりのエコを掲げる富豪一族
ニューズ・コーポレーション
スピンドクターにして闇の支配者。プロパガンダ担当も、現在抗争中!
ベクテル
闇の支配者の動いた後で、血肉を啜る貪欲なハイエナ企業
フェイスブック
「SNSによる民衆の革命」を操っていた闇の支配者たちの真意
グーグル
諜報機関御用達IT企業。かつてのナチを思い出される「監視者」
ノーベル平和賞
闇の支配者の胸先三寸で、相応しくない人物が平和を騙る
第3章
「闇の支配者」最新注目人物総覧
バラク・オバマ

世界政府樹立のために誕生させられた操り人形
J・D・ロックフェラー4世
この男が次期世界皇帝。しかし前途は多難である
ベアトリクス王女
ビルダーバーグ創設者の娘。世界に冠たる悪の魔女
ピーター・コルベンバック
悪魔教の親玉であり、人類大戦争を目論む
ジュリアン・アサンジ
ロスチャイルドに雇われた金融システム破壊工作員
アドルフォ・ニコラス
バチカンの最高権力者。法王を従える「黒の法王」
ウラジミール・プーチン
反・闇の権力者の旗印。ロシア復権に向けて邁進する
ドミトリー・メドベージェフ
プーチン長期政権を維持する有能な“中継ぎ役”
ニコラ・サルコジ
ロックフェラーに選ばれた親米ユダヤ系大統領
レオン・パネッタ
財政難に陥るアメリカ国防費節約担当
シルビオベルルスコーニ
イタリアマフィアの頭領。秘密結社を裏切り失脚間近
アンヌ・ローベルジョン
世界に原発を売りまくったロスチャイルドの女刺客
ホスニー・ムバラク
30年に及ぶ新米傀儡政権を維持した雇われ独裁者
ムアマル・カダフィ
「砂漠の狂犬」と呼ばれた過激な反欧米主義者
ドミニク・ストロスカーン
ドル崩壊後の新秩序を唱え、反対勢力の逆鱗に触れた
金正恩
欧米支配層に選ばれた北朝鮮の若き後継者
モーリス・ストロング
環境利権を貪る元人口削減論の提唱者
ジョゼフ・アッカーマン
ナチス協力者の系譜を持った、ドイツ最大の銀行を統べる
キース・アレクサンダー
ペンタゴン・サイバー軍の好戦的な初代司令官
デビッド・ペトレイアス
CIAの新たなボスはイラク戦争の“英雄”
ジョージ・ソロス
世界金融市場を長年操作してきた金融詐欺師の代表的存在
参考文献

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参考文献は前回の「図解 闇の支配者」と同様、すべてベンジャミン・フルフォード著作となっている。

しかし、大胆な内容だ。
あの地震原発事故が人為的なものであると主張するということは、いずれ陰謀論の作家が書きたてるとは思っていた。
ただ、この本が出たのは2011年10月。
現在(2012年6月)より、日本中が地震原発事故の生々しい記憶を抱いて、その後の展開に漠然とした不安を抱いていた時期になる。

さすがに著者も本気でこんな陰謀論を盲信しているわけでもないだろうから、深刻な状況で馬鹿げた論説を展開することはさすがに不謹慎であり、ないだろうと思っていた。

私は甘かった。
あの時期なのに、いつものごとくなんのためらいもなく大胆な陰謀論をずばりと書いている。
地震を起こし、原発事故を起こしたのは「闇の支配者」であると。

となると、著者は以下のどれかに該当するのだろうか。
陰謀論を本気で信じている
・とりあえず日本がどんな状況であろうと本が売れればいいという金儲け主義
・何者かの指示により陰謀論を仕事として流布している
・ある種の使命感に基づいて、陰謀論を通して何かメッセージを発信しようとしている

私はもうベンジャミンさんの本は当分いいかなという感じだ。