見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

文春0607

P26◆沢尻エリカの「大麻」「不倫」「離婚」初めて語られる全真相−もう面倒見切れません! 独走スクープ第2弾 夫・高城剛氏を直撃!
→約3年前に所属事務所の弁護士が書いた、大麻陽性反応が記されているという“通知書”を基にした沢尻エリカ大麻中毒疑惑の記事の第2弾。今回は夫・高城剛のコメントを交えての記事。周囲の人間の欲望・思惑で翻弄されている世渡り下手な沢尻の姿が浮かび上がる内容となっている。言動に色々と問題はあるのだろうが、読んでいて“哀れ”に思えてきてしまった。
たかの友梨の言葉「誤解されやすいけど心の優しい子だと信じたかった。だけどキレイな子だから、やっぱり周りがね……」というコメントが印象深かった。まあ、芸能界ならではの人という感じだ。演技における集中力はこの人は若手ではすごいと私も思います。

P36◆寝坊・ゴルフ・女 小泉純一郎元総理は人生を楽しむ天才だ
政治記者のこんなコメントがあった。「小泉氏には人生訓があって『誰の批判も、悪口も公には言わない』ことを貫いていた。『抵抗勢力』とは言っても、個人の糾弾はしなかった。悪口を言わず、言動に明るさ、潔さがあるのが人気の源泉でした。潔く引退したのもその一つ。織田信長が好きで、本能寺の変で倒れた信長のように表舞台からパッと消え去ることで歴史に名を残せると考えていたようです」。まあ、そういう感じなのでしょう。自分のスタイルを貫いて幕引きをしたという点では、運もよかったのかもしれないが、ちょっといない政治家だと思う。

P46◆銀行との賢いつきあい方教えます−円安・インフレ・金利上昇に備える 大金持ちに学ぶ究極の「資産防衛術」〈第4回〉
→「出版大崩壊」「資産フライト」のライター、山田順の連載記事。すっかりどこにでもいるようなファイナンシャル〜もどきの記事を書いている。読んでいる人間の心をザワザワさせるような、もっと面白いものを私は彼に期待してます。ウィキペディアで山田順を見たら「資産フライト」のことが書いていなかった。著者はウィキペディアを更新したほうがいいと思います。ちなみにウィキペディアに“近年は、日本の教育政策に関しても活発な発言を行っている。”と記述あり。私はこのライターには“金持ちに学ぶ貯蓄術”などでなく、そっちを書いてほしいですね。良くも悪くも刺激的なものを書いてくれそう。

P66◆本音を申せば 小林信彦 「HOME 愛しの座敷わらし」をめぐって
→筆者はここ数年は日本の女優を見るために映画館にいくそうだ。「HOME 愛しの座敷わらし」は橋本愛を目当てに見に行ったとのこと。私はまったく興味がなかったので知らなかったが、監督は「相棒」で復権した和泉聖治(東映テレビ朝日)だったのですね。

P75◆近田春夫の考えるヒット ドリカムの恐ろしいまでの完成度!でもスリルはあまり感じないなあ
MY TIME TO SHINE/DREAMS COME TRUE

楽曲の実質的な所有者は誰なのだろうという考察から始めている。バンドの場合はわりとはっきりしているが、歌謡曲などでは実は作詞者に力があるのではないかと、河内康範VS森進一、AKBのことなどを例に語っている。ちらっと語っているAKBの存在に関する作詞家のポジションについての考察には興味深い指摘あり。近田氏の書いたもう少し突っ込んだものを読んでみたい。話を変えてTVCMでは音楽家は工程的には下流にいるとの指摘あり。以降、お題のドリカムについて。「吉田美和は口である」という説を展開。
マミレル/木村カエラ
→新しい意気込みが感じられたとのことで比較的評価している。アメリカは今でも新しいことをやろうする競争は半端ではないと語り、それと比較して、Jポップでも(ですら?)新しさは重要なのであると締めている。
はみだしは脱法ハーブについて。かつて“順法闘争”に語っていただけあり、“脱法”という言葉に絡めて、著者の独自の論を展開している。制度・法を逆手にとるという発想は近田氏の永遠のテーマなのかもしれない。

P76◆そのノブは心の扉 劇団ひとり スカイツリー
東京スカイツリー体験記。景色に興味がないと語っているだけあり、文章も今回はいつもに比べ精彩に欠ける感あり。

P92◆この人のスケジュール表 巨匠の代表作が集結
→脚本家の高山由紀子の父である画家・高山辰雄の特別展を紹介。

P104◆新家の履歴書 堤幸彦(映画監督・演出家)
→父はゼネコンの社員で現場監督業だったそうだ。中学で管理教育からドロップアウト、法政大学で学生運動にのめりこみ、その後中退。東放学園を出てテレビ制作会社に入社。秋元康と組んでニューヨークに渡り、エンタテイメント事業の成功を志すが1年で撤退。テレビ「金田一少年の事件簿」で食っていくための映像演出家としての作劇法を確立したと語っている。現在公開中の「MY HOUSE」は真のデビュー作とのこと。この作品、ホームレスの0円生活をドキュメンタリータッチで淡々と描いた作品とのことだ。

P116◆テレビ健康診断 亀和田武 「家族の歌」
視聴率? そんなもの気にするなんてロックじゃないぜ!
→記録的な低視聴率で打ち切りとなったフジ系のドラマについて。褒めてるんだかけなしているんだかよくわからない記事。私はあまりに気恥ずかしい内容なので一度も見ていないが、考えてみたらこの主人公、小路幸也の小説「東京バンドワゴン」に出てくる堀田我南人という登場人物にキャラがかぶるような気がするのだが。ただ、テレビは見ていないので推測でしかない。

P118◆Cinema Chart
ファウスト

→鬼才アレクサンドル・ソクーロフゲーテの「ファウスト」を映画化! 立花隆はこの作品から非常に刺激を受けたと書いていた。見たいと思っているのだが未見。25点満点で13点という低得点。全員2点か3点。ソクーロフは見るものを選ぶ映画ということを再認識。私は非常にそそられるものがあるのだが……
ジェーン・エア
→おすぎは今回の両作品に“古色然”という言葉を使っていたが、こちらはドラマツルギーがあるせいか、「ファウスト」よりは評価が高く。17点。あえて見たいとは思わないが、見たら内容に引き込まれそう。

P120◆ヨコモレ通信 辛酸なめ子 「スーパー戦隊ヒーロー展」
日本橋三越で開催。’75年の「秘密戦隊ゴレンジャー」から現在放送中の「特命戦隊ゴーバスターズ」まで36シリーズの写真や立像を展示したとのこと。見出しに“ヒーローたちの発想力豊かな設定に感心”とあるが、ここで説明されている各シリーズでの設定を読み納得。確かに“ネタ切れになりそうでならない発想力”に感心した。

P120◆CD温故知新
My Bloody Valentine 「ep’s1988-1991」
The Cure「 Kiss Me,Kiss Me,Kiss Me」
→文春読者とほとんどリンクしないCD紹介を続けているこのコーナー。今回はマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのep集が発売されたことを受け、シューゲイザーから遡ってキュアーの代表作を紹介するという暴挙。ほとんど編集部の特定の人間の趣味のコーナーですね。ただ、マイブラについて、“バンドの歴史がジャンルの歴史と重なる幸福な例”というのはその通りだと思います。

P128◆私の読書日記 立花隆 連合赤軍、清武の乱、天孫降臨
見出しにあるように3つのお題で選んだ本を紹介。
連合赤軍
連合赤軍事件40年を記念して開かれた会の全発言記録「証言連合赤軍−9−四十周年 殉難者追悼の会」を紹介。殺した側、殺された側、逃げた者、対立グループなどからの自由な発言を収録。“右翼の鈴木邦夫”、漫画家の山本直樹の発言もあり。
ということで、山本直樹連合赤軍を描いている漫画「RED 1969−1972」を紹介。そしてそれを受けて朝山実「アフター・ザ・レッド 連合赤軍 兵士達の40年」解説。

証言 連合赤軍〈9〉四十周年殉難者追悼の会

証言 連合赤軍〈9〉四十周年殉難者追悼の会

レッド(1) (KCデラックス イブニング)

レッド(1) (KCデラックス イブニング)

アフター・ザ・レッド  連合赤軍 兵士たちの40年

アフター・ザ・レッド 連合赤軍 兵士たちの40年

・清武の乱
読売新聞社会部清武班「会長はなぜ自殺したか 金融腐食=呪縛の検証」を読み感服したとのこと。小説、テレビ、映画にもなった「金融腐食列島」の基となった事件を追ったドキュメンタリーだ。ただ、この本は当時かなり話題になり新潮文庫でも出ていたので、わざわざここで取り上げるのもちょっと変な気がする。なんらかの事情があるのだろうか。あと、立花はここでは具体的な企業名、人物名を書いていない。

会長はなぜ自殺したか―金融腐敗=呪縛の検証 (新潮文庫)

会長はなぜ自殺したか―金融腐敗=呪縛の検証 (新潮文庫)

天孫降臨
高天原から降臨した天孫の末裔である神武天皇(イワレヒコ)とは別の天孫降臨ニギハヤヒについての考察が書かれている戸矢学「ニギハヤヒ」を紹介。これも面白そうだ。

二ギハヤヒ---『先代旧事本紀』から探る物部氏の祖神

二ギハヤヒ---『先代旧事本紀』から探る物部氏の祖神

P130◆文庫本を狙え! 評・坪内祐三 藤島泰輔「孤獨の人」
→メリー喜田川の夫でもあった故藤島泰輔は「不思議の国ニッポン」の著者ポール・ボネだったそうだ。私は特に興味がなかったので知らなかったが、ウィキペディアにもそのことは書いてあった。ヤン・デンマン藤島説というのもあったと評者は書いているが、ヤン・デンマンは新潮社の斎藤十一ということで現在は認識されているようだ。藤島は初頭科から学習院今上天皇「ご学友」の一人だったとのこと。当時のことを書いたものらしい。機会があれば読んでみたい。

孤獨の人 (岩波現代文庫)

孤獨の人 (岩波現代文庫)

P132◆阿川佐和子のこの人に会いたい 塚原光男(ロンドン五輪日本選手団総監督)
→ちょっと興味深いキャラクターだ。オリンピックの際は言動に注目してみよう。

P137◆宮崎哲哉の時々砲弾 社会の木鐸の音質part4
→新聞紙面から新聞の実状を読み解く“社会の木鐸の音質”も4回目。連載13回にしてこの回数だから、筆者は新聞に対して良くも悪くも“思い”が強いのだろう。前回は、消費税増税において新聞社が紙面で新聞についても軽減税率の適用を! と主張していたことを揶揄していたが、今回はその続き的な内容。読売新聞の5/19朝刊でまたもこの趣旨の記事があったことを書いている。
ただ、その後は新聞揶揄ネタからは離れる。消費税増税における軽減税率適用があった場合、軽減税率適用を求めて各業界の猛烈な“陳情”が始まると書いている。
確かにそれは予想ができそうだ。新たな官僚・企業の利権構造が生まれそう。ほかにも消費税税収の全税収における比率を挙げ、現状の日本の消費税がすでに、消費税率が高いといわれる欧州各国の税収とほぼ肩をならべていることを指摘。“消費税については本当にデタラメが横行している”と書いている。

P151◆コンプガチャ取材を自粛するテレビ局の「罪」−ソーシャルゲーム追及キャンペーン〈3〉
→今回はテレビにおけるグリー、ディー・エヌ・エーのCM放送の多さを取り上げ、大口スポンサーとなっていることから取材自粛をしていることを推測している。特にグリーは宣伝に力を入れており、2009年度、2010年度はCM放送回数トップ。2011年は公共広告が1位で2位と実質連続トップとなっている。

P154◆野田首相がついに「小沢斬り」を決断した!−インサイドレポート
日本新党時代からを踏まえ、野田首相の“反小沢”についての記事。

P157◆橋下徹大阪市長メーリングリストから消えた大物の「名前」
竹中平蔵総務大臣にCCで送られていたが、リストから消えたことについて。小泉政権時代に“日本をアメリカに売った”と陰謀論の人たちの間では評判の悪い竹中氏は、現在パソナグループの会長となっている。

P159◆黒木メイサ大河ドラマ決定の陰で赤西仁はロスで「ヒモ生活」
→この2人に関する前回の記事では、黒木が損をした“でき婚”と書いていたが、この記事では逆転。関係者によると「(赤西は)ジャニーズからは“飼い殺し”状態です。ただ、天敵の文春がそう書くと、ジャニーズは仕事入れますからね(苦笑)」とのこと。

P161◆フジTV社長レースは「踊る大捜査線」vs.「101回目のプロポーズ」
亀山千広大多亮の2人が次期社長なのではとの記事。

P162◆東原亜希 恐怖の“デスブログ”で東京スカイツリーが危ない?
→東原のブログに名前が書かれると、不幸なことが起きるといわれていることに関しての記事。元々競馬番組の予想がことごとく外れたことから始まっているようだ。スカイツリーは無事でした。

P167◆三浦しをんの快進撃  すべては町田から始まった!
→「まほろ駅前多田便利軒」の続編「まほろ駅前番外地」がテレ東深夜で「モテキ」の制作陣で連ドラとなることを受けてのグラビアページ。