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見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

吉田秋生「海街diary」1〜4巻

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃海街diary(うみまちダイアリー)2 真昼の月(フラワーコミックス)海街diary 3 陽のあたる坂道 (フラワーコミックス)海街diary 4 帰れない ふたり(flowers コミックス)

以前、3巻まで読んでいた。4巻まで出ていたのは知っていた。
また読みたくなったので、まとめて再び4巻まで読んだ。

大まかなストーリーしか覚えていなかったので、初めて読んだ気分だった。

久々に読んで、漫画を読むことの喜びを満喫した。
この作品はストーリーを追うことよりも、じっくりと味わいながら読む漫画だと思う。
絵が魅力的なのはいうまでもないが、コマのつなぎ、表情、セリフ、
読んでいてハッとするシーン、心を打つシーンが多くある。

以下、漫然と思った感想メモ。

◆不定期連載されているのに関わらず、登場人物の顔が変わらず、キャラクターにブレがないのに驚く。
そして主人公(?)である末娘のすずの顔は少しずつ大人っぽく変化してきている。
ほぼ同時期に読んだ、「宇宙兄弟」の登場人物の顔が不自然に変わりまくる(顕著だったのがロシア編のオリガ)ので、吉田秋生の絵のうまさに感心した。

◆この人の漫画、ページごとの情報量が多いので読むのに時間がかかる。
セリフが無茶苦茶多いわけではないが、コマとコマのつながりで生じる意味、そこを踏まえた表情の微妙な変化など、読み飛ばすことのできない情報が多い。
そしてそれをじっくり眺めるのがこの作者の漫画を読む楽しみでもあるのだ。
宇宙兄弟」の倍の時間を掛けて読んだ。

◆各章でストーリーが進むごとに新たな人物が登場、そこで新たな人間関係が判明、さらに新たな人間関係が生まれるという“話が進むごとに世界が大きくなっていく”という構成になっている。
交響曲というより、物語の糸が紡いでいくタピストリー。人物が動いてストーリーが紡がれると、世界がさらに広がっていくという感じだ。
看護士のアライさんはいつ登場するのだろう。

◆今回初めて読んだ4巻で一番印象深かったのが「ヒマラヤの鶴」の章。「キリマンジェロの雪」のようなこのタイトル、ツルのヒマラヤ越えという実際にあることをモチーフに、それを物語に非常にうまく着地させていた。おそらく作者は“ツルのヒマラヤ越え”を知ったときに何かがひらめき、この物語になったのではないか、などと勝手に想像している。

◆この漫画、横顔が多いことに気付いた。しかも巻が進むごとに印象的なシーンで横顔が増えてきているような気がする。ただ、きちんと確認していないので気のせいかもしれない。

やっぱ、漫画を読むのは楽しい。
この作品を読んでつくづく思った。