見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

文春0719

P26◆小沢新党の「化けの皮」−選挙違反、元暴走族、秋篠宮家批判…
→見出しを見てから読むと、驚くほどのスキャンダルはない。

P30◆お粗末「維新八策」でバレた橋下徹の“賞味期限”
→この記事にあるように“もとを正せば、維新の会は「大阪都構想」を実現するための「時限政党」の位置づけ”だった。それが早くも東京都以外の特別区を認める新法案が今国会で成立する見通しとなった。
このこと自体は橋下市長の中央政府への“アピールの成功”を証明していると私には思える。
ただ、国政参加については、大阪都の成功を経てという当初の目論見が、大震災、政局の混迷などで、維新への期待が予想以上に早い時期に高まったところで、逆に難しい局面になった、と私は理解しているが。

P30◆「嫌いな女優1位」沢尻エリカが金髪に大変身の深いワケ
→髪の脱色や染色処理で毛髪中の薬物濃度が低くなるとのこと。でもそれで金髪にしたとは到底思えない。

P32◆蒼井優新恋人・鈴木浩介は元カレ大森南朋へのあてつけ
→以前の文春0329の記事では、大森が蒼井に“捨てられた”とあったが、今回は逆。大森が蒼井を振って、蒼井似の小野ゆり子と結婚したと書いてある。芸能ゴシップらしい適当さ。

P12・35◆日経新聞喜多恒雄社長と美人デスクのただならぬ関係−スクープ撮!
→日経社長のこの写真、疲れた初老の男という感じでビル・マーレイに似てます。

P38◆“小林幸子バッシング”ハシャぎすぎだよ和田アキ子
→小林の前事務所社長の解任騒動について、バラエティ番組で和田が執拗に非難しているとのこと。

P40◆浜崎あゆみがCD売るために利用する!?元カレの「名前」
→8月に発売される2枚組ベスト盤がDISC-NとDISC-Aとされていることから、N=長瀬智也、A=あゆの復縁、アルバム発売とともに結婚発表があるのではと、ファンのあいだで囁かれているのです(芸能記者)という記事。でも最後は「あれこれ想像させておいて、実は『夏』のNでしたというオチなのではないか、というのがもっぱらの業界のヨミです」(同前)と締める、ほんとにどうでもいいような記事。

P54◆池上彰のそこからですか!? 僅差で「合憲」オバマケア
オバマ政権が成立させた医療保険制度改革(オバマケア)について。アメリカには日本のような公的医療制度はない。日本人のように皆が保険証を持っている状況にはない。ただ、このオバマケアで国民皆保険とまではいかないが、無保険者は大幅に減るとのこと。だが、オバマケアは「政府による個人の自由を侵害する憲法違反」として26州の知事らが連邦政府を提訴した。そのことについての記事。提訴したのは当然、共和党の知事である。このオバマケア、とてもいい改革のように思えるのだが、「ワシントンポスト」、ABCテレビ世論調査によると医療保険改革を支持するのが36%で、反対は52%。いろいろな事情があると思われます。

P59◆気象 日本は大雨なのに韓国では干ばつの理由
→韓国では100年ぶりの干ばつだという。

P66◆本音を申せば 小林信彦 訃報と娯楽映画
→訃報はザ・ピーナッツの姉の方の伊藤エミの死去について。
映画は三池崇史監督の「愛と誠」について。非常に面白かったが、一般ピープルにすすめる気はないとのこと。ドラマから歌に入る“瞬間”がうまくいっているので楽しく見れ、不良のダンスもおかしかったと語る。「ミュージカルがどうの、などというわずに、楽しく観ればよいので、歌入り反時代的ロマンスとしてぼくは満足した」そうだ。

P74◆近田春夫の考えるヒット マジで超傑作!! 少女時代の新曲はタフなビートで日本がかっこいい!!
PAPARAZZI/少女時代

→ここまでの絶賛は久しぶり。私もユーチューブで見てみたが、確かにこれは映像、音楽ともにJ-POPと称される音楽と違うレベルに達しているように思える。ここで筆者が強調しているのが、日本語で歌いながらこのBPM(Beats Per Minute)でタフなビートを作り出しているということ。筆者には世界的な「時代特有のテンポ」があると感じられるそうだが、日本で好まれる楽曲のBPMはほかの地域と比べると速いと思えるそうだ。だが、今回の少女時代の楽曲はそういう点で画期的と評価している。「日本語を基調とするポップス(というジャンル)でも世界的な『同時代性』は競えるのだということがあらためて確認されたからである」とまで語る。筆者もまだ自分のなかで明確になっていないとしているが、ここで書かれていることはなかなか興味深い内容だ。ポピュラーミュージックにおけるBPMについては筆者は以前からさまざまなことを語っていたと記憶する。なんといってもこの人、昔はBPMレーベルを主催するPresident BPMでしたからね。

0 GAME/SPYAIR
少女時代からするとせわしなく、小粒感がただよってしまうとのこと。私は「アメイジングスパイダーマン」を見たときにエンドロールで聞く羽目になったが、確かに少女所時代と好対照のせせこましさではある。特に印象は悪くはないけど、わざわざ聴こうという気にはなれない音楽。

P76◆そのノブは心の扉 劇団ひとり 携帯ウォシュレット
→筆者は中学校のときからウォシュレットを使い、「今となってはウォシュレット無しには拭くこともままならない。どこまで拭いて、いつまで拭いていいのか、その見切りがつけられなくなってしまった」そうである。ウォシュレットのないトイレでは、できるだけ用は足さないようにしているとのこと。結構、珍しいタイプだと思うのだが、さらにこの人、今では携帯用ウォシュレットを常にもっているそうだ。話のネタでないとすれば、やはりこの人、かなり変わっている。前号によると、独り言が「あ〜セックスをしたい」で、今回の原稿によると携帯ウォシュレットを常に持っている。変な人である。

P101◆さすらいの女王 中村うさぎ 正しい母親とは?
→前号に続き、斉藤環の「毒親」理論の批判。よっぽど受け入れ難いのだろう。でも斉藤環中村うさぎじゃ世界観が違いすぎて論争しても意味はないように思える。

P102◆新家の履歴書 奥泉光
芥川賞選考委員になったことでのインタビューなのだろうか。私はこの人の小説を読んだことはない。川越高校からICUに進んだそうだ。そこでマックス・ウェーバーについて学ぶうちにユダヤの社会経済史に興味を持ち、研究にのめり込んだとのこと。どこに引かれてのめり込んだのか知りたかったが、このインタビューには書かれていなかった。マックス・ウェーバーの比較宗教社会学からユダヤの社会経済史に興味を持った作家か。この人に少し興味を持った。

続きは後日更新。


P116◆Cinema Chart
苦役列車
説明省略。25点万点で16点。
ローマ法王の休日
ナンニ・モレッティの脚本・監督・出演作。重圧に負けて失踪するローマ法王ミシェル・ピコリ。現在86歳。この年で主演というのはなかなかすごいのでは。

P119◆春日太一の木曜邦画劇場 「吸血鬼ゴケミドロ
→筆者はかつて大井町にあった大井武蔵野館に非常に思い入れがあるらしい。ルサンチマンとでもいうのだろうか、そういう感情にとらわれていた筆者はうらぶれた場末館でかかるマイナー、カルト映画に浸りながら育ったのだという。私は映画好きではないので、そのあたりの心情吐露にはあまり共感はしないが、この映画は何回か見ました。

P119◆レンタル・ランキング
→ツタヤの60歳代に絞ったレンタルランキングを男女別で紹介。これが驚くべきものだった。男性は「ドラゴン・タトゥーの女」「ミッション:インポッシブル〜」「J・エドガー」と洋画ヒット作が並ぶが、女性ランキングは1位から4位までを「トンイ」が独占。5位は「美男〈イケメン〉ラーメン店」。すべて韓流である。

P121◆ヨコモレ☆通信 辛酸なめ子 「東京スカイツリー展望台『展望デッキ』」
→筆者は「2回目の挑戦でやっと当選した、東京スカイツリー展望台『展望デッキ』の入場枠」と書いている。これは本当なのだろうか。何冊も著作を出している筆者なのだから、そして週刊文春の連載コラムということなら、マスコミ・プレス用入場枠は入手できると思うのだが。もし自力で2回挑戦してやっと当選したのが本当なら、辛酸なめ子という人はすごい人だと思う。

P125◆今週の必読 評者・辻野晃一郎 ケン・シーガル「Think Simple アップルを生み出す熱狂的哲学」
→アップルやスティーブ・ジョブズと長年仕事をした外部のクリエイティブ・ディレクターがジョブズのスタイルを10のキーワードでまとめたものだそうだ。「あくまでもシンプルさを追求することに一切妥協しなかった、というジョブズのスタイルをさまざまな具体事例を盛り込んで説明している」とのこと。

Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学

Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学

P126◆今週の必読 評者・大和田俊之 樋口毅宏「二十五の瞳」
→この作家の小説は読もうと思っているのだがいまだに読んでいない。この作品もなかなか妙な内容のようだ。この評ではいまひとつ作品のイメージがつかめないが。

二十五の瞳

二十五の瞳

P127◆新刊推薦文 中村文則「迷宮」
→この作家は初期のものは何冊か読んだ。久しぶりに読んでみようかと少し思う。

迷宮

迷宮

鈴木宗男「政治の修羅場」
→文春新書から出たので、宣伝を兼ねてインタビュー記事とか週刊文春に載りそうだ。

政治の修羅場 (文春新書)

政治の修羅場 (文春新書)

P128◆著者は語る あさのあつこ「花宴」
→見出しは“悲劇に彩られた女性剣士の矜持と夫婦の悲哀”

花宴

花宴

P129◆漫画の時間 いしかわじゅん 自分のいるべき場所
イラストやアニメの仕事を長年やっていたのに50代過ぎてから最近急に漫画を描き始めた友人がいるとして木原庸佐と青木俊直を紹介している。そして青木の新刊「くるみのき!」の第2巻を解説。作風の若さ瑞々しさを指摘し、「漫画から離れていた時期が長かったので漫画家年齢がまだ若いのだ。ボクサーは年齢よりも実働年齢が能力に関係するという話もある。青木も50代ではあっても漫画家年齢はまだ新人なのだ」と語っている。なかなか興味深い見解である。

くるみのき! 2 (BUNCH COMICS)

くるみのき! 2 (BUNCH COMICS)

P130◆私の読書日記 池澤夏樹 ヤンキー、うまい短編、気持のよい詩
池澤夏樹斉藤環の「世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析」の読書感想を書いている。あまり接点があるように思えなかったが、やはりすれ違いで終わっていた印象。

P134◆阿川佐和子のこの人に会いたい 蜷川実花
週刊文春の執拗な“沢尻麻薬疑惑報道”がある中でなぜかインタビューが。写真がいつもとちがって妙にハイコントラスト。いつもは写真クレジットはないので写カメ撮影と思われるが、今回はクレジットあり。多分、蜷川の指定なのだろう。

P140◆雲の写真展を開催 柳田邦男
→ノンフィクション作家の柳田邦男が30年間撮り貯めていた写真を個展で発表。ちょっと興味を持ったが、長野なのでいけそうにない。


P141◆宮崎哲哉の時々砲弾 夜明け前の糞バエの匂い
→消費税増税法案が衆議院本会議を通過した翌朝の各新聞を見て筆者は激怒したそうだ。昨日までは「決める政治」などという空疎な標語を振り回し、増税を決めろと煽りに煽っておきながら、翌朝は「家計に重い負担」とは一体何なんだ! ということのようだ。しんぶん赤旗の調査によると5/28から6/28のあいだに、全国紙に掲載された消費税増税を後押しした社説の数は読売16本、朝日14本、毎日7本、日経7本とのこと。しかもそのうちの7本は通常の社説の2本分のスペースを使う大型社説だったそうだ。ちなみに世論調査を見ると朝日新聞が6/4、5に実施したものでは消費税増税法案を今国会で成立させるべきだという人の割合は全体の17%。それが6/8〜10に読売新聞が行った世論調査では同様の意見の比率が69%になっていたそうだ。この調査結果にも「国民を愚弄するのもいい加減にしろ」と激怒。どうしてこんな違いが出るのか不思議だが、筆者はここではそのことは説明していない。そして糞バエの次の目標は軽減税率だ。新聞について消費税を負けるべきだと紙面を使って訴えていると語っている。ちなみに糞バエとは元共同通信の記者である作家・辺見庸が新聞記者を例えた言葉だそうです。

P160◆「小沢支持」「飯田哲也に急接近」ロンブー淳政界入りの野望
→この人政治好きとのことだが、政策とか経済のこととか勉強しているのだろうか?

P161◆今日の横浜は明日の大阪 ゴミ改革失敗でネズミ大量発生!
→この中田という人間はどうもよくわからない。うさんくさい感じもする。

P162◆国際的ハッカー集団アノニマスの「無言集団清掃」に密着
→変なことをする人たちだと興味深く思ったが、記事はなんということのないもの。

P165◆素晴らしき特撮の世界
→「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアでみる昭和平成の技」を紹介。