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見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

「特別展 元素のふしぎ」国立科学博物館

展覧会

小学校4年生の娘が見に行くのを楽しみにしていた展覧会。

↓公式サイト
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2012/genso/

平日の午前10時前に行ったのでゆっくり見ることができた。
ただ、やはり難しかったようだ。
「(元素の)数が多くてわけがわからなくなった」、とぼやいていた。
それは恥ずかしながら文系の私も同様だった。

むしろ地球館での常設展や「探検広場」の方が面白かったようだ。
幼稚園のときに1度行ったのだが、ほとんど覚えていなかったようですごく楽しかったと言っていた。
これが無料なのだからありがたい。(特別展を見た場合。常設展のみは大人600円)
詳細は↓。
http://www.kahaku.go.jp/

私自身は現在の国立科学博物館に来たのは3回目だと思う。
今回見て、印象深かったのが3Fの「大地を駈ける生命」の剥製群。
200頭以上の哺乳類の剥製が説明札もなしにガラスで囲まれた空間にびっしり詰め込まれている。
正直、異様な迫力と不気味さである。
パンダ、ライオン、トラ、ゴリラ、巨大なバイソンから小動物まで、それぞれがポーズをとって雑然と置かれてある。
しかも内側奥にある剥製はガラスの壁で隔てられているので、近づくことができず、細かい部分まで見ることができない。

私は剥製を見ながら、ここに展示されているものは、上野動物園などの施設で死んだ動物を剥製にしたものかと思っていた。

娘が、どうしてこんなに集まっているのか係員の人に聞いてくれというので、分かりきったことをと思いながら尋ねてみると意外な返答だった。

ここに展示されている剥製のほとんどが、日系2世の男性が所有していたものだったそうだ。
ハンティングの獲物を剥製化したものなのだそうだ。
その男性が90歳ぐらいになり、自分が死んだ後膨大な剥製をどうしようかということで何百点にもなるという剥製を博物館に譲ったとのことだ。ここに展示しきれない剥製は倉庫に保管されてあるという。

さすがにパンダは違うと思うが、あの巨大な動物のほとんどが個人のハンティングによる獲物だったのだ。ゴリラやトラも狩ったのだろうか?
そのヨシモト氏が狩ったものが何なのか係員の人に聞こうと思ったのだが、幼稚園くらいの男児が「これ落し物です〜」と係員に話しかけて来て会話は中断、結局それ以上聞くことはできなかった。

初め会場で剥製を見た娘が「生きてるみたいなのに動かないから怖いよ」と言うので、私は「ここにいる動物は時間を止められたんだ。好きでこういうポーズをとってるんじゃないんだ」と偉そうに何気に答えていた。
だが、実際にここにいる剥製のほとんどは、本当に人間の手で時間を止められた動物たちだったのだ。

係員から話を聞いた娘は「かわいそうだよ、ひどいよ」と言っていたが、正直私もその気持ちはわからないでもない。

常設展示のタイトルは「大地を駈ける生命」。
私からすると「時間を止められた生命たち」という感じだった。
ただ、無造作に置かれた膨大な量の剥製のかもし出す異様な雰囲気には圧倒された。

前回見たときはあまりそういう印象を抱かなかったが、今回そう思ったのは高木仁三郎の「いま自然をどうみるか」を読んでいたときだったからかもしれない。
この本では“人間が征服し支配する自然”と“人間が共生する自然”という2つの自然観を基に科学史、環境問題などを論じている。
剥製群はまさに“人間が征服し支配する自然”を象徴する展示だった。

あとで国立科学博物館のサイトを見たら、それなりに整理されて展示されているということは一応わかったが、見たときにはさっぱりわからなかった。

剥製を寄付した日系2世の男性はハワイのW・T・ヨシモト氏という人だった。
剥製コレクターとして有名な人らしい。
2009年にここで生誕100年ということで特別展覧会が開かれたようだ。
http://www.asahi.com/mammal/topics/TKY201002250320.html
ヨシモト氏がどのような意図、心情でこれだけの剥製を作って所有していのか、その理由がちょっと知りたいので調べてみることにする。

後にヨシモト氏所蔵の展覧会のガイド本を入手した。
↓感想メモ
http://d.hatena.ne.jp/allenda48/20120918/1347987034