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クレシッダ・コーウェルの児童文学「ヒックとドラゴン8 樹海の決戦」

ヒックとドラゴン〈8〉樹海の決戦 (How to Train Your Dragon (Japanese))

ヒックとドラゴン〈8〉樹海の決戦 (How to Train Your Dragon (Japanese))

今回はシリーズにおける大きな物語の展開があった巻だった。
正直、第6巻「迷宮の図書館」、第7巻「復讐の航海」は、「あれ、もっと面白かったんだけど」という感想だったのだが、今回は読み応えがあった。

表紙裏に印刷されたストーリーはこんな感じ。
“ヒックの親友、フィッシュが恋をした。バイキングの恋は命がけ。失敗すれば命はない。親友を助けようとするヒック。だが、ふたりともジャングルの怪物のいけにえにされることに……。そんななか、ヒックは、あの宿敵と再会する。ヒックはこの絶対絶命のピンチを切り抜けることができるのか……。”

このところ続いていたお気楽な感じのストーリーかと思っていたら、今回は、宿敵アルビン、そしてヒックの剣の師匠でもあるヒーローの中のヒーロー、ホットショットも登場。

さらには“魔女”も登場。
樹海の中の暗黒の牢獄、魔女はある物語をヒックに語る。

その物語が、むちゃくちゃ面白い。
ヒックの祖先でもある残虐にして世界を制覇、栄華を極めた“西の荒野の王”ゴーストリー、そして息子であるヒック・ホレンダス・ハドック二世の話である。そして2人をめぐる家族の愛と裏切り、ヒック二世の弟である巨大なドラゴン、フュリオスの話。
まるで神話のような読んでいてドキドキする物語だ。

ヒックと出会ったフュリオスは1年後の“再会”を約束して去っていく。

その1年後を描いた第9巻はすでに娘が持っているので読むのが楽しみだ。