見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

文春1018

P22▼日中“戦争”世界はどっちの味方か?−緊急大特集
→今回は“国際世論を味方につけよう”特集。コメントもさまざまな人から取っており前号の感情的な内容からすると今回は読みどころがあった。
P22◆アメリカ 世界最強「第七艦隊」は尖閣を守るか?
→磐石の日米関係に水を差すような流れが米国内で広がっているとのこと。米国メディアへの中国の浸透工作、資本参加、コネクション作りなど。21世紀中に中国系の大統領が生まれる予想する人もいるようだ。

P24◆中国反日デモに韓国では「俺たちより野蛮だ」
→中国・韓国でも領土問題はあり、北朝鮮にも強い中国アレルギーがあるとのこと。この記事では驚くような提案を紹介している。「日本は北朝鮮をカードに使って韓国、中国をけん制し、国益をまもればいいんです。日朝関係の正常化は韓中にとって脅威です」(「コリア・レポート」編集長辺真一氏)。そんな馬鹿な……

P25◆EU 古城、ワイナリー買い叩き「中国は火事場泥棒」
→これってふた昔前の日本がやっていたことのような……。かつての日本の位置を中国が占めているということがわかる記事。欧州における日本の存在感はどんどん軽くなっているようだ。 
P26◆ロシア プーチンは超合理主義「日本は最大のお得意様」
→7月にメドベージェフ首相が国後島に来たことを、プーチン大統領は「よけいなことをするな」と注意したそうです。本当かね。

P27◆ベトナム親日、マレーシアは親中 ASEANは真っ二つ
ベトナムインドネシア、フィリピンは親日、華僑の力が強いマレーシア、シンガポール、タイは親中国とのこと。

P28◆インド 核ミサイルは中国全土を射程に入れた!
→中国・インドの関係は元々良好ではないが、インドにとって中国は最大の貿易相手国でもあるとのこと。

P29◆祝ノーベル賞受賞!山中伸弥教授「大発見の思考法」
→すでに文春新書「『大発見』の思考法」を出していたので、そのあたりのソースを使って山中教授の略歴、人となりを紹介。

「大発見」の思考法 (文春新書)

「大発見」の思考法 (文春新書)

P32◆号泣インタビュー「芸能界“茨の仕打ち”」−ドンからの「追放指令」 事務所女社長の告発、レコード会社は契約解除、マスコミは猛バッシング…
→ビジネス業務をスタッフにおまかせにしていた世間知らずの歌手が、有頂天になっていつのまにかスタッフからの信頼を失い、陰でうまい汁を吸われるはめに。そのことを高圧的に叱ったところ、スタッフから逆ギレされ、悪者に仕立て上げられた、というところなのだろうか。でも結局いきつくところがカネというのが浮世の常ですね。でも、それをストレートに言うとまたバッシングに遭うというなかなか大変な目に遭っている。“芸能界の孤児となった小林の窮状を救ったのは、彼女が「兄貴」と慕うさだまさしだった”といくだりが意外だった。さだが作詞・作曲を引き受けてくれたことで、新曲発表の流れが生まれたのだという。

P37◆飯島勲の激辛インテリジェンス 維新・みんなの急な復縁 その理由は参議院にあり
→煎じ詰めて言えば、議員数が少なくなると色々と都合の悪いことがあるのでみんなの党と維新は合併するとの見解を披露。あと、筆者は竹中平蔵氏のことが嫌いなようだ。小泉政権時、どのような経緯でそう思うようになったのだろう。

P42◆『相棒』を10倍楽しむ完全ガイド−マーケティングなし、タブーなしが生んだ大ヒット スペシャル鼎談 水谷豊、輿水泰弘〈脚本家〉、松本基弘〈ゼネラルプロデューサー〉
→なぜか6ページを使っての特集。この特集に「私の『相棒』ベスト1」という記事があり、工藤官九郎が「Wの悲喜劇」(シーズン5♯13)というエピソードを紹介している。女が便器にはまって餓死する事件が発生。実はそれは意図的なもので、太りすぎた妻を疎ましく思った夫が、便座に亀裂を入れて、それに妻をはまらせて餓死させたということらしい。どういう演出で、この荒唐無稽な設定を見る者に納得させているのか、ちょっと作品を見てみたくなった。

P48◆池上彰のそこからですか!? 「戦勝国」とはどこか? 
→知らなかったことをまた池上先生に教えていただいた。国際連合は元々、枢軸国側と戦った連合国の枠組みを維持しながら国際連合を発足させたとのこと。そのため、国連憲章のなかにはその痕跡として「旧敵国条項」なるものが残っているそうだ。国連憲章によると地域紛争については、安全保障理事会の許可がなくては武力制裁に踏み切ることはできない。だが、第2次世界大戦時に「連合国の敵国」だった国が「侵略政策」を再現するようなことがあれば、関係国は安全保障理事会の許可がなくても軍事制裁ができるのだという。日本は「旧敵国」にあたるので、尖閣諸島をめぐり軍事衝突した際、中国は安全保障理事会の許可なしで、日本を攻撃してもいい、ということになるらしい。現実的ではないとはいえ、今だにそんな条項が残っているということに驚いた。あと、今回の文章のトーン、いつもは感情的な文章を書かない池上先生ですら、この問題については若干のヒートアップが感じられる。どうも、世の中の趨勢は徐々に変わっていきそうな雰囲気である。

続きは後日。

P60◆本音を申せば 小林信彦 「桐島」と「台風クラブ
→筆者がすでに紹介、高く評価した「桐島、部活やめるってよ」。内容について気になることがあるそうで、再度見ることにしたそうだ。そして、まだ気になることがあるのでもう一回見たいと書いている。吉田大八監督をかなり評価しているようだ。

P69◆近田春夫の考えるヒット 日本人には真似できない!? 少女時代の魅力的な耳心地!
Oh!/少女時代

→少女時代の曲と現在のJポップとの水準の比較。ただ、カップリング曲は急にダサくなり、Kポップの向き不向きが明確に感じられたとのこと。
WARRIORS/氷室京介
→声の物凄さをあらためて実感とのこと。
はみだしは、掛川の山奥でイベントをするとの遅まきながらの告知。

P76◆そのノブは心の扉 劇団ひとり 
→ゴルフのこと。

P86◆風まかせ赤マント 椎名誠 店じまいの準備
→私からすると鉄人のように思えた筆者だが、最近、身体の衰えを感じているらしい。ちょっと寂しい話である。

P116◆新・家の履歴書 原哲夫
→なぜか漫画家の原哲夫氏が登場。昔見た写真と違い短髪の“オヤジ”という風貌になっていた。父は東京銀行の車両部勤務で、草加の松原団地で育ち、後に越谷の戸建に引っ越したそうだ。現在は吉祥寺のマンション住まい。円錐角膜症という病が悪化して目のピントが合わなくなってしまい「蒼天の拳」は一応のピリオドを打ったとのこと。最近は仏画や仏像も創作しているそうだ。

P128◆Cinema Chart
高地戦

朝鮮戦争を描いた骨太のドラマのようだ。25点満点で19点。おすぎのみ5点。
エクスペンダブルズ
→往年のアクションスターが大挙して出演。25点満点で14点。おすぎの4点が最高点。(内容的には)わけがわからないが、ヤケッパチの老人パワーがたまらなくいい!! そうだ。

P125◆春日太一の木曜邦画劇場 「スケバン刑事」 難攻不落の要塞に挑むスケバン刑事 少女を見守る蟹江敬三に《男惚れ》!
→前号の「幕末純情伝」に続き、今回は南野陽子の「スケバン刑事」である。前回のように南野陽子に対する思いを吐露すると思いきや、何と思いの対象は主人公サキのお目付け役の蟹江に! しかし、あの悪相の蟹江に男惚れか……。守備範囲の広い人だ。

スケバン刑事 [DVD]

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P127◆ヨコモレ☆通信 辛酸なめ子 「数学甲子園2012」数学に見せられたインテリ少年少女たちの戦い
→優勝したのは学費の高いことで有名で、今年初の卒業生から13人の東大合格者を出したことも話題になった愛知の海陽学園だった。

P129◆今週の必読 評者・千住博 安部龍太郎・著「等伯」 北斎ゴッホにも劣らぬ、あっぱれ「絵バカ」一代記
→画家・長谷川等伯を描いた小説。この本を読んで改めて感じたという評者・千住博氏の語る“歴史に燦然と輝く画家の共通項”が興味深かった。

等伯 〈上〉

等伯 〈上〉

等伯 〈下〉

等伯 〈下〉

P130◆今週の必読 評者・中原昌也 ウラジーミル・ソローキン著「青い脂」 怪物作家の奇想が炸裂する無二のSF巨編
→「とんでもない代物が翻訳されてしまった!」から始まる評者の文章は、相変わらずなんだかさっぱり要領を得ない代物なのだが、興味を引かれた。読んでみることにする。

青い脂

青い脂

続きは明日また更新。

P131◆ベストセラー解剖 「黒子のバスケ−Replace−」藤巻忠俊・平林佐和子
→漫画のノベライズ本がヒットしているそうだ。そしてヒットしている「ジャンプjブックス」の中でも人気があるのがこのシリーズらしい。これは中学生時代の黒子たちの秘蔵エピソードを小説で“解禁”したものとのこと。「黒子のバスケ」については脅迫事件など興味深いものもあるので、漫画を読んでみることにする。絵柄を見て思ったのだが、もしかすると「スラムダンク」を読んできた年長者の一部からすると、あの絵柄だしイラっとくる内容なのかもしれない。単なる想像だが。

黒子のバスケ Replace I (JUMP j BOOKS)

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P134◆私の読書日記 山崎努 血縁の情、落ちこぼれの魅力 
→ニック・フリン「路上の文豪、酔いどれジョナサンの『幻の傑作』」、戌井昭人「ひっ」を紹介。どちらも魅力的な小説に思える。戌井昭人については以前も「俳優・亀岡拓次」を紹介しており、最近のお気に入りの作家のようだ。筆者はこのコラムで自分の理想とする死に方の一つを語っている。

路上の文豪、酔いどれジョナサンの「幻の傑作」

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ひっ

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P137◆この人のスケジュール表 志茂田景樹・下田大気 次男が初の著書を上梓
→タクシー運転手をしている次男が書いた本「タクシーほど気楽な商売はない!」を出したとのこと。

タクシーほど気楽な商売はない!  あなたにも今すぐ始められる悠々自適の年収800万円ライフ!

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P138◆阿川佐和子のこの人に会いたい 南伸坊
→「本人伝説」プロモーション?

本人伝説

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P143◆宮崎哲弥の時々砲弾 わんわん尖閣事変
→この人のレトリックなのだろうか? 簡単に言えることをまわりくどく語る人だと今回改めて強く感じた。池上先生と本当に対照的だ。今回のテーマは有事(に結びつく可能背のある状況)における“外交”。キューバ危機を描いた映画「13デイズ」を紹介している。

13デイズ [DVD]

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P156◆青森首輪全裸怪死トラック運転手の“完全なる飼育”
→内縁関係にある女性を全裸首輪で拘束、死亡させた事件について。衰弱や目立った外傷はなかったそうだが腹部を殴られ臓器が損傷したためと思われると記事にはある。事情は記事では不明。

P162◆真紀子台風襲来!−早くも秘書官にダメ出し、アポぶっちぎり 文科省対策マニュアル独占入手
→かつて外務省で「真紀子台風」が猛威を振るったことから文科省は戦々恐々との記事。

今号はこれでおしまい!