吉野朔実「Period」
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吉野朔実の漫画は一時期熱心に読んでいた。
「少年は荒野をめざす」「ジュリエットの卵」「Eccentrics」「いたいけな瞳」などなど。
当時はまだ私も若かったので、美しい顔をした人たちが繰り広げる、浮世離れしたナイーブな世界にすっかりとはまっていた。
ただ、今となってはもうこれらの作品がどんな話だったのか、ほぼ全く覚えていない。
年を取るということはすごいものだ。
ただ、初期作より近年の作品のほうがとっつきやすくなっていることはわかる。
この作品は小学館の月刊漫画誌「IKKI」に不定期連載されているようだ。
ただ、最新刊の4巻が2010年に出てから止まっているので、連載も滞っていると思われる。
タイトルにPeriod=時代とあるように、主人公の兄弟が一定期間“ある家”で過ごした時代が1巻ごとにまとまった構成になっていた。
連載時に、作者は単行本化した際のことも想定して描いていたのかもしれない。
以前読んだ作品はもっと観念的、含みのある表現が多かったように思うが、この作品は、漫画の話法が以前から比べるとストレートになってきているように思える。
すでに初期作品の単行本が手元にないので、漠然と“思える”としか言えないのだが……
この作品は年代記的な読みやすい構成となっているので、エキセントリックなところもある初期作品についていけない青年誌の男性読者も物語として楽しめるだろう。
物語の冒頭は、ある人間の葬式場面から始まる。そこから過去に戻り、各時代での物語が展開する。
1巻は父親と過ごした【自宅】の時代
2巻は父と離れた田舎の【施設】での時代
3巻は叔父といとこが住む【アパート】での時代
4巻は養父母の【邸宅】での時代
となっている。
4巻が終わるところで、1巻の冒頭の葬式の場面に戻る構成となっている。
ちょうどスタートラインに戻ったところだ。
ここからの連載がどこまで進んでいるのか、私は知らない。
これで終わりってことはないですよね。
読んだ感想だが、やはり面白い。
独特の魅力のある作家だ。ただ、久しぶりに読んだので、その面白さを言葉にすることができないのが残念。
今まで漫然と読んできたので、吉野朔美の作品を分析した文章があれば読んでみたい。