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映像、書物、音楽などについての感想

別冊宝島1331・僕たちの好きな「ゲド戦記」

ゲド戦記 書籍

僕たちの好きなゲド戦記

僕たちの好きなゲド戦記

別冊宝島 “僕たちの好きな” シリーズから出た「ゲド戦記」もの。
いわゆる三大ファンタジーの「指輪物語」「ナルニア物語」もこのシリーズから出たようだ。

A4版、平綴じで127ページ。2006年8月に発行。
同年の夏に公開されたアニメ「ゲド戦記」に合わせて作られたと思われる。
アニメの内容についてはまだわかっていなかったようで、アレン王子が登場する第3巻「さいはての島へ」が原作となっているようだということしか書かれていない。
ジブリ制作ということで、それぞれの記事は内容に期待したいという言葉で締められている。

シリーズ全作の翻訳者・清水真砂子氏のインタビューが巻頭記事。
以下、ファンタジーの歴史におけるゲド戦記3部作の位置、アーシュラ・K・ル=グウィンの作品紹介、「ゲド戦記」における竜についての考察、中村うさぎの寄稿、ル=グウィンの両親及び彼女のバックグラウンドについての考察、宮崎駿へのル=グウィンの影響についての記述、「ゲド戦記」登場人物紹介、各巻のストーリーダイジェストなどからなっている。

定番のシリーズということもあり、手堅いつくりでわかりやすく気軽に読むことができた。
不満としてはアースシーの世界地図がなかったことくらいか。

ただタイトルについては大いに問題がある。
第4巻以降はフェミニズムに基づいた、新たなアースシーの世界を描いていた「ゲド戦記」に対して“僕たちの”はないでしょう。
これではル=グウィンの苦労が台無しだ。
シリーズ名ではあるので仕方ないのかもしれないが、ここばかりは“僕たちの(私たちの)”くらいにはしてほしかった。

このところ、よしながふみ三浦しをんル=グウィンと“フェミニズム”を感じさせる作品に妙に出会う。というか、今まで自分が、そのことに無自覚だったのかもしれない。彼女たちの作品で自身の見識の狭さに最近気付かされた。