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小玉ユキの漫画「月影ベイベ」1〜4巻

月影ベイベ 1 (フラワーコミックスアルファ)月影ベイベ 2 (フラワーコミックスアルファ)月影ベイベ 3 (フラワーコミックスアルファ)月影ベイベ 4 (フラワーコミックスアルファ)

舞台となるのはどこかの地方都市。
そこで何者でもない人たちが繰り広げるなんていうことのない青春や人間模様。

この話って身もふたもない言い方をすればこんな物語だと思う。
ただ、心惹かれるものがあり、心動かされるドラマがある。
ものすごくよかった。
続けて読みたいと思った。

考えてみれば「坂道のアポロン」も同じだった。
地方都市を舞台に何者でもない人たちの人間模様、成長を描いていた。

ある地方都市に伝わる"おわら"という踊りに熱中してる男子高校生がいる。
その町にやってきた女子高校生をめぐり、男子高校生のおじ、クラスメートなどの人間模様が“おわら”をモチーフにつづられていく。

私はおわらのことはまったく知らなかったが、調べてみると富山県富山市八尾地域に伝わる踊りを中心とした有名な伝統芸能のことだった。

“現代”を感じさせない世界、過去の世界との因縁、どこか不思議で懐かしいとレトロな雰囲気がとてもいい。
私はこの作者はほかの作品では「坂道のアポロン」しか読んでいないのだが、とても魅力のある世界、登場人物を描ける人だと思った。絵もとてもいい。
登場人物がほほを染めるところよくあるのだが、個人的にはそこががすごくいい。

この漫画家の作品は追っていきたいと思う。
とてもいい漫画家だと思う。