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見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

舞城王太郎の短編小説集「短篇五芒星」

  

短篇五芒星 (講談社文庫)

短篇五芒星 (講談社文庫)

 

いつもの舞城ワールドに若干食傷気味

舞城王太郎は「阿修羅ガール」(2003年)を読んで以来、一応定期的に追っている作家だ。

阿修羅ガール (新潮文庫)

阿修羅ガール (新潮文庫)

 

 

当初は、ものすごい才能!と思っていた。

だが、何作も読んでいくうちに熱も冷め、近年はフォローしてしなかった。

 

物語を書くことについて天性のものはあるが、むらっけが激しく、

ひとりよがりな作品に付き合うのに飽きた、という感じだろうか。

 

大長編「ディスコ探偵水曜日」を読んだ時は、なんだかわけのわからない勢いに圧倒されたが、

今となってはあの作品はどう評価されているのだろう。

 

ディスコ探偵水曜日〈上〉 (新潮文庫)

ディスコ探偵水曜日〈上〉 (新潮文庫)

 

 また、著者の意向が反映していると思われる近年の表紙カバーのセンスにもついていけないものがある。

ディスコ探偵水曜日〈中〉 (新潮文庫)

  

ディスコ探偵水曜日〈下〉 (新潮文庫)

 

面白がって読んでる分にはいいのだが、「いったいこの小説って何なの?」と思うと

さっぱりわからない。

 

でたらめで面白い作品を書く抜群の技術を持っているのは間違いない。

だが、その先には何もないのではないか?

なんだかそんな気がしている。

 

私の中では、似たテイストの“でたらめな”小説の日本での開祖というと筒井康隆がいる。

ただ、筒井の小説にはバックボーンが感じられるが、舞城の小説からはあまりそういうものは読み取れない(私には)。

 

それならそれでいいのだが、「何もない」にも成りきらず、なんか中途半端で読後感がよろしくない。

 

とはいえ、語り口の面白さ、でたらめなストーリー展開の魅了は間違いなくある。

あまり考えずに読んで楽しめばいいのかもしれない。

 

「イキルキス」以降の作品は読んでいなかったので、今回読んだのは数年ぶりだと思う。

 

アマゾンにある商品の説明はこんな感じ

内容紹介

「許せないんだよ」「りゅ、ふう、……っぐ、りゅう、流産が」。二十七歳の春、突然流産のことが気になりだした僕。理不尽な赤ちゃんの死が高頻度で起きることに怒り、妄執する男を描いた「美しい馬の地」。他「アユの嫁」「四点リレー怪談」「バーベル・ザ・バーバリアン」「あうだうだう」収録の奇跡の短篇集!

 

 内容紹介

「美しい馬の地」「アユの嫁」「四点リレー怪談」「バーベル・ザ・バーバリアン」「あうだうだう」。綺羅星の如く輝く、五つの物語。デビュー当時の“文圧”はそのままに、透明感を増す、舞城ワールドの新ステージ!

 

内容(「BOOK」データベースより)

史上初!五篇すべて芥川賞候補作!怒り、悲しみ、喜び、涙する。ここに舞城文学のすべてがある。

 

読んだ印象は、そこまでいうほどなのだろうか、という感じ。

 

「美しい馬の地」は、流産で失われてしまう“命”というものに過度に感情を動かされてしまう青年が、同窓会で流産経験のある同級生の女性に同情(絡んで)、同じ席にいた同級生の男性にボコボコにされるという話。これにカッパドキアという地名が「美しい馬の地」を意味していることを最後に強引に結びつけて物語を着地させている。

ここに“文学的味わい”があるのかは私にはよく分からなかった。

 

まあ、大体こんな話が5つ並んでいる。

でたらめな話の面白さでいうと「バーベル・ザ・バーバリアン」が一番面白く読めた。

 

紹介文には「舞城ワールドの新ステージ!」

とあるが、いつもどおりの舞城ワールドという読後感だった。

 

近年は、著者は舞城王太郎として、他の分野でも活動しており、小説も企画色の強いものを書いている印象がある。

もしかすると著者的には小説を書くということにある程度の見切りをつけているのかもしれない。

 

ただ、アマゾンのレビューを見ると絶賛だらけなので、もしかすると私の感性が合わなくなってきているのかもしれない。

 

個人的には今も期待している作家なので引き続き読んでいきたい。

ただ、「魔界探偵冥王星O デッドドールのダブルD」も「JORGE JOESTAR」も「深夜百太郎」もあんまり食指が動かない。

 

魔界探偵 冥王星O デッドドールのダブルD (講談社ノベルス)

魔界探偵 冥王星O デッドドールのダブルD (講談社ノベルス)

 

 

JORGE JOESTAR

JORGE JOESTAR

 

 

深夜百太郎 入口

深夜百太郎 入口

 

 

消去法的に「淵の王」ということになるのだが……

 

淵の王

淵の王