ほったゆみ(原作)、小畑健(漫画)による囲碁漫画「ヒカルの碁」全23巻
何か良い作品はないかと「漫画 名作」などというキーワードで検索して読む作品を物色することが時々ある。
この「ヒカルの碁」は検索上位のサイトで紹介されていることも多かったので読んでみることにした。
1999年から2003年まで少年ジャンプで連載されていた囲碁漫画だ。
話題になっていた作品だが、私はこの漫画は一度も読んだことがなく、アニメも見たこことがなかった。
ジャンプ・コミックスでは全23巻。
1巻~17巻が「佐為(さい)編」、
18巻が「番外編」、
19~23巻が「北斗杯編」、
23巻の巻末に「番外編」2話
という構成だった。
囲碁漫画ではあるが、囲碁の知識がほとんどない私でも何のストレスもなくすらすらと読み進めることができた。
過去の有名な作品であり、ストーリーについてはウィキペディアに詳細かつ上手に書かれたものがあったので内容については省く。
10巻くらいまでは格段に面白いと感じることもなかったが、次第に盛りあがり、集中して読むことができた。
主人公とそのライバルの塔矢アキラ以外の登場人物のキャラが立ってきて、青春群像劇としての面白みも出てきた。
いいところ、盛り上がりを見せるところもあった。
だが、最終的には中途半端なところで終わった感はある。
例えば近年の作品でも「三月のライオン」「ちはやふる」から比べると「ヒカルの碁」は、正直、人物造形、その葛藤、ドラマチックな盛り上がり、カタルシスで及ばないと思う。
悪くはないが、物足りなかった、“もっと欲しかった”、
というのが感想だった。
もっと“高いところ”まで到達している漫画は、長い漫画史のなかではほかにたくさんある。
私の読んだ感想では、名作、傑作ではない。
ただ、連載をリアルタイムで読んでいた人は違うのかもしれない。
漫画ってそういうものでもあるので。