読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

ロマン優光の書き下ろし新書版エッセイ「日本人の99.9%はバカ」

タイトルに比して意外なほど穏健で綻びのない文章

 

昨年の10月に橘玲という人の書いた「『読まなくてもいい本』の読書案内」を読んだ。

 書かれている内容より、作者に興味を抱いた。

ほかにどんな本を書いているのかとアマゾンで検索すると「バカが多いのには理由がある」「言ってはいけない 残酷すぎる真実」といった身も蓋もない、そして扇情的なタイトルの著作を出していることを知った。
そんな本を検索しているときに表示されたのがこの本。

私は著者のロマン優光という人のことはほとんど知らない。
ロマンポルシェの音楽を聴いたこともない(もしくは聴いたが、記憶にない)。

アマゾンにはこんな文言。

内容紹介
誰よりも正しいミュージシャンが、世論にNOをつきつける。
ありそうでなかった、日本をバカにする天才新書の誕生です。

この新書は、日本のありとあらゆるバカをバカにするという、大変わかりやすい内容になってます。
最近はネトウヨにはじまり、実に様々なバカが日常に潜んでいます。
バカしかいない現代社会をサバイブするには、バカについてもっと知るしかありません。
そんな意義のもと、ミュージシャン・ロマン優光が、鼻持ちならないバカを冷静に見つめてました
バカ以外にも、バカをバカたらしめんとする世の中の間違った常識にも、正しくもの申します。
他では絶対に読むことができない、バカだらけの世の中を生き抜く力がここに…あるかも!?


<目次>
第一章 政治、ネトウヨ界隈のバカ
第二章 間違いだらけの受験術
第三章 真実のニッポン戦後サブカル史
第四章 音楽とバカ
第五章 恐怖! 老いの罠!
第六章 バカとの付き合い方

 どんなものかと読んでみた。

読む前は、極端な"暴論"を吐いているものかと思っていたのだが、違った。
「もっと多様性を受け入れ、僕らバカはバカなりに楽しく生きていきましょう」
的なまっとうなことを延々と述べている本だった。

「コア新書」ということで誤字脱字もあるかと思っていたが、ざっと読んだ限りでは見つからなかった。
著者の校正がしっかりしていたのかもしれない。

上記の

冷静に見つめてました

は変な表現だとは思うが。

 

ただ、穏健な内容には少々拍子抜けだった。
基本的に常識の範囲内で書かれたものであり、そこから大きく逸脱するものではなかった。
ただ、これは私の基準なので、ほかの人は違う感想を抱くかもしれない。

また、読んでいて"奥行き"はほとんど感じられない本でもあった。
何も考えずに読めるし、著者のそれなりの誠意は感じるし、書いていることももっともだとは思う。
だが、心に引っ掛かるような感心することは書かれていない。

文章の射程距離は短く、読んでいて残るものはなかった。

著者は“サブカル”というものに思い入れがあるようだ。
私自身は著者より世代が上でもあり、"サブカル"というという言葉に対して思い入れはない。

この本で著者は"町山智浩から生まれ、町山の手で終わったたサブカル"と感慨深げに書くが、私にはさっぱりピンとこなかった。

そもそもここで著者が言っているサブカルの意味するところが私にはわからないのだ。
若干の世代の違いもあるが、著者と私では多分文化圏が違うのだろう。
私はアニメ好きではないので。

この本を読み、自分の知らないことで、興味深く思ったことは著者の語る受験のことくらいだった。

著者は四国にある進学校出身とのことだ。

ここで語られている地方の私立の進学校の体験談は、それなりに面白く読むことができた。

あとは「ビリギャル」のことだろうか。

私は「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」を読んでおらず、映画も見ていない。

 この本で初めてビリギャルの受験科目を知った。

慶応大学の何学部か私は知らないが(著者もここで説明していない)、
受験科目は英語と小論文だけだったのだ。

これってしっかりと時間をかけて取り組めば何とかなるものではないだろうか。

学校の勉強は適当に、
小論文の実力をつけるために本を読み、文章を書くことを義務付け、英語だけはきっちりと勉強させる。
すべての人がというわけにはいかないが、例えば中学からこれに取り組めば合格できる人は結構いるのではないだろうか。
上記の準備だけして、後は好きなことに力を入れて暮らしていればいいのだ。

そんなことを思ってしまった。

ただ、いくら私立文系とはいえ、有名大学で英語と小論文だけっていうのは如何なものかとも思うが。

この文章を書いた後、ウィキペディアで「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」のページを見た。

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話 - Wikipedia

ビリギャルの家族のことまで色々書いてある詳細な情報に驚いた。

合格した学部は総合政策学部というところだった。
政策を学ぶ学部であれば、世界史、もしくは日本史を受験科目に入れるべきと思うのだが……

 

話がそれたが、特に書き残すべきこともないので以上とする。