見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

2015-01-01から1年間の記事一覧

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督、マイケル・キートン主演の映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」

監督のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの作品は「21グラム」「バベル」は見ている。 正直いうとあまり好みの作風ではないという印象だった。 だが、人の勧めがあり、全編にアントニオ・サンチェスのドラム演奏が流れるということも聞き、どんなもの…

ほしのよりこの漫画「逢沢りく」

逢沢りく 上作者: ほしよりこ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/10/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (39件) を見る逢沢りく 下作者: ほしよりこ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/10/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (13件) を見…

アレクセイ・ゲルマン監督の映画「神々のたそがれ」

私は特に映画好きというわけではないので、この映画の存在は知らなかった。 同じ職場にいたシネフィルの男性2人から教えられて見ることにした。 「ニーチェの馬」と同じくらいの衝撃はありますと、そのうちの1人から言われたので。ニーチェの馬 [DVD]出版社/…

元SEALの狙撃手クリス・カイルの自叙伝「アメリカン・スナイパー」

アメリカン・スナイパー (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者: クリス・カイル,スコット・マキューエン,ジム・デフェリス,田口俊樹・他出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/02/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (16件) を見るクリント・イーストウ…

三浦しをんの小説「政と源」

政と源作者: 三浦しをん出版社/メーカー: 集英社発売日: 2013/08/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (27件) を見る久しぶりに読んだ三浦しをんの小説。 感想メモの日付を見ると、2013年の5月に感想メモを書いた「仏果を得ず」以来とな…

柳下穀一郎による2010年代公開の邦画評「皆殺し映画通信」

皆殺し映画通信作者: 柳下毅一郎出版社/メーカー: カンゼン発売日: 2014/03/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (12件) を見る2010年代に公開された日本映画で“ほころび”の目立つ映画76本を取り上げ、著者が突っ込みを展開した映画評論…

百田尚樹原作、山崎貴監督、岡田准一主演の映画「永遠の0」

永遠の0 DVD通常版出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント発売日: 2014/07/23メディア: DVDこの商品を含むブログ (22件) を見るあまり興味のある映画ではなかったのだが、たまたまDVDで見る機会があった。ことさら心を動かされたわけでもない…

伊坂幸太郎の小説「陽気なギャングの日常と襲撃」

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2009/08/30メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 23回この商品を含むブログ (117件) を見る伊坂幸太郎の「あるキング」を読んで、結局すっきりした読後感がなかったの…

伊坂幸太郎の小説「あるキング」、そこから連想した漫画「天然」、映画「ナチュラル」

あるキング (徳間文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2012/08/03メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (46件) を見る先日読んだ「夜の国のクーパー」の読後感が今ひとつすっきりしなかったので、ほかの伊坂作品も読むこと…

伊坂幸太郎の長編小説「夜の国のクーパー」

夜の国のクーパー (創元推理文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2015/03/19メディア: 文庫この商品を含むブログ (9件) を見る伊坂幸太郎の小説は読みやすく、読後感が悪くないので気晴らしに時々読んでいる。 今までに読んだのは以下…

クリント・イーストウッド監督の映画「アメリカン・スナイパー」

映画のお楽しみのため、先入観を持たないよう、まったく作品情報を持たない状態でこの映画を見た。クリス・カイルという実在したネイビー・シールズの狙撃手の自伝の映画化ということも後で知った。アメリカン・スナイパー (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)…

クレシッダ・コーウェルの児童文学「ヒックとドラゴン11 孤独な英雄」

孤独な英雄 (ヒックとドラゴン)作者: クレシッダコーウェル,Cressida Cowell,相良倫子,陶浪亜希出版社/メーカー: 小峰書店発売日: 2014/07/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る第9巻から始まった「ヒックとドラゴン」の最終章の3巻目。いよ…

恒川光太郎の小説「スタープレイヤー」

スタープレイヤー (単行本)作者: 恒川光太郎出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2014/08/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見る恒川光太郎は好きな小説家だ。 デビュー作の「夜市」を読み、その後、単行本の発表順に彼の小説を全て読…

皆川亮二の漫画「D-LIVE ドライブ」

「PEACE MAKER」を読んで気に入ったので、作者の皆川亮二の作品を都合がつくときに読んできた。今回は「ARMS」「ADAMAS」に続く4作目となる。主人公は17歳ながらすべての乗り物を完璧に乗りこなすことのできる天才ドライバー。 その主人公が国際的派遣業会社…

Daevid Allen has died, aged 77 デヴィッド・アレン死去

私の生涯において最も好きなアーティストのデヴィッド・アレンが亡くなりました。 2014年3月13日、故郷のオーストラリアにて。77歳。 theguardianの記事 ユミ・ハラさんのブログ planetgongのニュース

エド・キャットムル「ピクサー流 創造するちから 小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法」

ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法作者: エド・キャットムル著,エイミー・ワラス著,石原薫訳出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2014/10/03メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (10件) を見る書…

東村アキコの自伝エッセイ漫画「かくかくしかじか」第1〜4巻

数年前に、週刊文春でいしかわじゅんがこの作品を紹介しているのを読んで、興味を抱いていた。 やっと読むことができた。いしかわじゅんがどう評していたかはもう覚えていない。 この漫画家の作品を読むのは初めてだ。内容は、子供のころから漫画家志望だっ…

皆川亮二の漫画「ADAMAS」全11巻

(イブニングKC)" title="ADAMAS(11) (イブニングKC)" class="asin">皆川亮二の作品を読み始めて「PEACE MAKER」「ARMS」に続く3作目。 脚本として岡エリという女性がクレジットされている。 漫画家で原作も書いている人のようだ。 そういうこともあってか今…

ロレッタ・ナポリオーニ「イスラム国 テロリストが国家をつくる時」

イスラム国 テロリストが国家をつくる時作者: ロレッタナポリオーニ,Loretta Napoleoni,村井章子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/01/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (20件) を見る娘が読んでいたので借りて読んでみた。 著者略歴を見ると、…

本多猪四郎 「『ゴジラ』とわが映画人生」

本多猪四郎―「ゴジラ」とわが映画人生作者: 本多猪四郎出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 1994/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見るこの本を読もうと思ったのは、本多猪四郎の妻の回想録「ゴジラのトランク 夫・本多猪四郎の愛情、黒澤…

皆川亮二の漫画「ARMS」全22巻

ARMS 全22巻完結 (少年サンデーコミックススペシャル)作者: 皆川亮二出版社/メーカー: 小学館メディア: コミックこの商品を含むブログを見る昨年、皆川亮二による「PEACE MAKER」を読み、ほかの作品を読んでみようと思っていた。 ということで、代表作でもあ…

安藤昇のエッセイ「男の終い支度」

男の終い仕度作者: 安藤昇出版社/メーカー: 青志社発売日: 2012/08/21メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見る私の大好きな映画「男の顔は履歴書」で主演している安藤昇が、近年になり「家相」の本などを出していることをたまたま知った。…

1つで2つの趣向が楽しめるディズニーのCGアニメ映画「ベイマックス」

映画を見ていると、「これは傑作なのではないか、この後いったいどうなるんだ?」と"傑作の予感"でドキドキする作品が時々ある。 ただ、ほとんどの作品は見続けているとストーリーをけん引する謎が解け、物語が収束していくエンディングへの過程で、期待の大…

常見陽平「リクルートという幻想」

リクルートという幻想 (中公新書ラクレ)作者: 常見陽平出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/09/09メディア: 新書この商品を含むブログ (6件) を見るリクルートの新規事業などの社内コンペ制度に興味があり、リクルートの本を何冊か読もうと思った。 …

和久井健の漫画「Abaddon」1〜2巻

(1) (ヤンマガKCスペシャル)" title="Abaddon(1) (ヤンマガKCスペシャル)" class="asin">(2) (ヤンマガKCスペシャル)" title="Abaddon(2) (ヤンマガKCスペシャル)" class="asin">実在する格闘家・五味隆典を主人公とした漫画。中学生時代から始まり、高校で…

西荻弓絵脚本、堤幸彦ら監督のドラマ、映画「SPEC」

書き残しておかないと忘れてしまうので、感想を書くことにする。かつてドラマと劇場版の「ケイゾク」を見たときに、“「Xファイル」に「エヴァンゲリオン」的趣向と世界観を持ち込んだドラマ”と感じた。どのような点からそう思ったのかはもう覚えていない。 …

二ノ宮知子の漫画「のだめカンカービレ」全25巻

(KC KISS)" title="のだめカンタービレ(25) (KC KISS)" class="asin">音楽をネタにした漫画ということで以前から気になっていた。 冬休みの時間を使い、やっと読むことができた。作者の漫画は今までに読んだことはない。 ドラマはちゃんと見ていない。映画は…

和久井健の漫画「セキセイインコ」1〜3巻

たまたまツタヤで見かけ、絵にちょっと惹かれるものがあり、読んでみた。著者は「新宿スワン」を描いていた人だが、私はちゃんとこの漫画は読んだことがないので語ることはできない。 ただ、随分と描く世界が違うものだと思った。ストーリーの説明は省く。こ…

村上もとかの漫画「フイチン再見(サイチェン)!

村上もとかが「JIN-仁-」連載終了後、休養期間を経て連載を始めた作品。導入から本編に入るまでが妙な構成になっている。 まず登場するのが、昭和34年のボク(少年時代の村上もとか?)。 彼のお気に入りの漫画が「フイチンさん」だったことが語られる。 「フ…

新川直司の漫画「四月は君の嘘」1〜9巻

会社にいる若い社員から薦められて読んだ。 彼は特に目利きという感じではない。 2013年の講談社漫画賞少年部門を受賞した作品だった。以下、読んだ感想。こんな話である。高い音楽的才能を持ちながら心の傷からピアノ演奏者として致命的な欠点を持つことに…