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ピエール・バルー「ル・ポレン(花粉)」

ル・ポレン(花粉)(紙ジャケット仕様)
バルーが高橋幸宏加藤和彦、清水靖章、ムーンライダーズのメンバーら、当時の“いかにも”な日本人ミュージシャンと共作したアルバム。
西武流通グループ的カルチャーがマスコミでも喧伝されていた時代でもあり、その流れに乗って
当時の日本でもそれなりに話題になったと記憶している。'82年製作。

1曲目の「向こう岸」が素晴らしい。
ゆったりとした曲の流れとバルーのソフトな声がマッチしている。
深みがあって味わい深いが、どこか瑞々しいものが感じられる。
坂本龍一作曲と思っていたら、バルーの作曲だった。
原題は「L'Autre Rive」。
ちなみにバルーの曲のタイトルには“autre”という言葉が印象的に使われている感がある。
“ほか”という意味だが、自分と他者、男と女みたいなものは彼の歌のテーマの一つのような気がする。

このアルバムにも収録されている「Les Uns Et Les Aurtes」でもAurteを使っている。
この曲の“Les Uns Et Les Aurte”というフレーズは、
クロード・ルルーシュ監督の映画「愛と哀しみのボレロ」(原題も「Les Uns Et Les Aurtes」)で
劇中シーンに何度も挿入されていた。

ただ主題歌、挿入歌ではなかったような記憶がある。
確かめていないのではっきりとは言えない。
後で確認して更新したい。
覚えている人、確認したことがある人は教えてくれるとうれしいのですが。

ということでこのアルバムに収録されている曲「Les Uns Et Les Aurtes」は、
「愛と哀しみのボレロ」という邦題になっている。
今となっては、映画のことを知らない若い人は、「何でこのタイトル」と思うに違いない。

LPだとB面1曲目にあった「花粉」で、高橋幸宏とバルーがお互いに好きな人を言い合うというゲームをしている。
まだまだ国際化、文化交流の進んでいなかった当時を感じさせて感慨深い。
今ならもっと色々な人の名前を言えるはずだ。
何度もジャン・コクトーと言っているくらいだ。
高橋幸宏はしまいにはジューシー・フルーツ? といっている。
でもこの曲も瑞々しさを感じさせるいい曲だ。

クレジットを見るとムーンライダーズのメンバーがかなり関わっていたことがわかった。
当時は意識しなかったので意外。
ほか山木秀夫笹路正徳大村憲司といった一線のミュージシャンも参加していたんですね。
http://www.mryt.com/other/o_pierre1.html
を参考にさせてもらいました。立川直樹プロデュースか。忘れてた。