見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

週刊文春0915号

P33「島田紳助に利用された『間寛平』」
この見出しを読むと何事かと思うが、要は
間寛平まつり 2006」なる間寛平中心のお笑いイベントがあり、
そのチケットを暴力団幹部から頼まれた紳助が苦労して取った
ということである。
記事に「紳助が他の吉本芸人を巻き込んでまで、暴力団関係者のために尽力したのは、いかなる理由からか。〜紳助の犯した罪は重い」
とあるが、ネタが暴力団員から頼まれた「間寛平まつり」のチケットで、
それを「紳助の犯した罪は重い」として
島田紳助に利用された『間寛平』」とタイトルつけるのは如何なものでしょうか。
まあ笑えましたが。
ほかに「島田紳助事件の闇」として
暴力団に関係する芸能人、
演歌歌手やVシネマ俳優、そして中田カウスらの名前を挙げている。
哀川翔についてはわざわざ見出しを立てて「哀川翔はヤクザと付き合いなし」と書いている。

P46 清原和博ドタキャン連発! ついに“事務所追放”!
イベントや講演へのドタキャンが続き、事務所から独立になったとのこと。
パチンコ店のイベントで1回75万円程度とのこと。

P48 池上彰のそこからですか!?「FRBとはどんなもの」
FRB(連邦準備制度)の説明なのだが、とても気になったのが、FRBが企業であることに触れていないこと。
「日本の中央銀行日本銀行であるように、アメリカの中央銀行FRBです」と書いているのだがその後の説明でそのことに全く触れられていない。
ウィキペディアの最初の部分にも“アメリカ合衆国中央銀行制度を司る企業体”と書かれているのに。
最近読んでいる謀略本ではFRBが企業で米国内の銀行の出資でできていることが必ず書かれているのだが、企業であることを書いていないこの文章、どういうことなのだろうか。

まあ、ウィキにあるように“連邦準備銀行の株主の意思が連邦準備制度を動かしているという一部の説は誤りであり”というのが一般的な見解なのだと思うが。

P58 林真理子「夜ふけのなわとび」●ヤンキーの祭典
ヨサコイとヤンキーの親和性を指摘している。
すし屋や新幹線のグリーン車でたむろする「高級ヤンキー」を指摘し、非難しながらもとりあえず持ち上げ、
「そんなワケで私はヤンキーに何もイヤな感情を持っていないのであるが、ひとつだけ危惧していることがある。それは各地でヨサコイといわれるものがヤンキー文化と非常にうまく結びつき、ものすごい勢いではびこっていることである」
と語る。そしてその勢いはとりあえず認め、
「『ヨサコイは、昔からの祭りを駆逐し外来種のようにはびこっていく』と書いたことがことがある。が、これは仕方のないことかもしれない。地方のヤンキーたちは新しい楽しみを見つけた。もう元には戻れない」
と締めている。


P68 近田春夫の考えるヒット 音楽第一ではないAKBを居住まいただして聴いてみる!?
AKBについて以下のように語る近田春夫
「いまAKB48騒ぎを俯瞰すれば、“子供キャバクラの政所ごっこ”に日本国中いい大人までがうつつを抜かしている、みたいなものだろう」「それにしてもみんな政所が好きだ。〜なんにせよ秋元康はいまの時代に人を興奮させるということでは、音楽なんかより“争い”が数段上のレベルにあると気付いてしまったのだと思う」
さすがですね。

P130 新 家の履歴書 小谷実可子(元シンクロナイズドスイミング選手)
この人に特に興味があったわけではないが、インタビュー記事として非常に読ませるものだった。取材・構成に木村元彦のクレジット。

阿川佐和子のこの人に会いたい 関口宏
このインタビュー記事も読ませるものだった。

P136 ドナルド・キーン 日本永住「もうひとつの理由」を語る
“もうひとつの理由”は日本の医療に対する好感からとのこと。ちなみにこの人、太平洋戦争では語学将校として沖縄戦で立てこもっている人たちに呼びかけをしたこともあったそうだ。そのときの体験についても語っている。