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micromicrophone「Declaration of the Independence of the imagination and theRights of Man to His Own Madness III/想像力の独立と自己の狂気に対する人権宣言III」

クラムボンのミトが手掛けたソロ3部作プロジェクトの最終作、という感じでウェブなどでは書かれているアルバム。
基本、弾き語りの内容で、すべての楽器演奏はミトによるものらしい。
“想像力の独立と自己の狂気に対する人権宣言”と銘打たれたシリーズのようだが、
解説的な説明をまったく得ていないので、そのコンセプト、趣旨については音から得る印象しかない。

実はクラムボン、ミトについて私は知識はほとんどない。
ライブも見たことはない。
以前、「中学生日記」で宮沢賢治の「やまなし」をモチーフにした家族ドラマ(これだけ読むとどんなドラマだとか思うかもしれないが、なかなかいいドラマだった)を見たことがあり、
そこでクラムボンの曲がラストで使われているのを聴き、それ以降、アルバムを聴くようになったという程度である。
ただ、気に入ったので基本的に全てのレギュラーのアルバムは聴いていると思う。
そしてどうもリーダーのミトという人の音のセンスに引かれるものがあり、彼がプログレなどのマニアックな音楽ファンということを知り、このアルバムを聴いてみたのだ。

歌は英語だが、私にも聞き取れる英語なのでニュアンスは十分に伝わるものとなっている。

内容については、
何気ないギター(ピアノ)と歌からなる簡素な印象のアルバムなのだが、非常に気に入った。

この人は、ECMレーベルやプログレの王道から辺境に至るまでのさまざまなものを好んでいるようなので、私と音の好みが近いというのもあるのかもしれない。

それは別としてもこの簡素な歌とギターに色づけする音のセンスは、いやらしい言い方だが耳の肥えた人なら“わかる”ものだと思う。
アシッド・フォークという定義で語るボキャブラリーは私にはないので、そのあたりでの説明はできないが……
音の配置の微妙さがなんともいい。
素晴らしいアルバムではないだろうか。

ただ、正直、サラッと流して聴いただけでは、
ある種の音楽好きな人でなければ。「何てことない、ボソボソ歌う弾き語り」と思われてしまうかもしさ

でも、そういう音楽があってもいいと思う。

この“想像力の独立と自己の狂気に対する人権宣言”シリーズ3部作とされるものについては、
FOSSA MAGNA、dot i/o名義の2作があるが、
そちらについてもメモを残してみたい。

Declaration of the Independence of the imagination and theRights of Man to His Own Madness III/想像力の独立と自己の狂気に対する人権宣言III

Declaration of the Independence of the imagination and theRights of Man to His Own Madness III/想像力の独立と自己の狂気に対する人権宣言III