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都築響一「巡礼 珍日本超老伝」

日本各地にいるヘンテコな老人に取材して作った人物記録。

私自身は老人というもの自体に興味はない。

まえがきにあるように、著者にしても元々老人マニアというわけではなかったのだろうし、奇妙なものを探して全国を歩いているうちに老人の中に非常に奇妙な種類の人間がいるということに気付き、その記録としてこの本を出したのだろう。

興味深い人は多かったが、個人的には特にこれぞといった人はいなかったのでサラッと読んだ。
読んだ感想としては、
ここに登場する人たちは、人からどう思われようと関係ない。
俺は俺の道を往く
という点が共通しているようだ。

全体として、なんというか自分の欲望のおもむくままに生きている、
そしてそれが他人からの評価とか対価を目指したものでないところに心引かれるものがあった。

そして現時点で老人であるということは、ここに登場する人たちはそんな生き方を貫いてきたことになる。
だからここに登場する人たちにはある種のパワーとか魅力があるのかな、
などと思った。

単に老人ではないし、単に変な人ではない。
変なことをずーっと続けてきた人を紹介している本だと思う。
老人だから面白いというわけではないのだ。

巡礼―珍日本超老伝

巡礼―珍日本超老伝