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映像、書物、音楽などについての感想

週刊文春1110号

◆私のリビング 漫画家・柴門ふみ
吉祥寺に建てたという家の中で。これはかなりの豪邸のようだ。柴門は上京してから三鷹に住んでいたとのこと。

P22◆橋下徹 母の独白90分−「大阪都抗争!」殺るか、殺られるか 疑いを持たれる人と一緒になった私が悪い
→11/3号からの続き的記事。前号から比べると貶めようとする意図はあまり感じられない。
(後ろのページに文春新書から出た橋下徹堺屋太一「体制維新 大阪都」の広告があったので、このあたりの事情かも)

体制維新――大阪都 (文春新書)

体制維新――大阪都 (文春新書)

暴力団員で、息子(つまり橋下のいとこ)が殺人を犯した橋下の叔父と橋本は接触がないことを母が主張している。
橋下大阪府知事になってから府職員の自殺が増えたと指摘あり。これまで年に1、2人だったのが昨年には7人になったという。私は増えたことより、むしろ毎年1、2人いるということに驚いた。
興味深かったのが府政担当の社会部記者のコメント。
橋下知事は平均睡眠時間3時間。資料や関係資料を徹底的に読み込み、議論して負けることがない。そしてそこまで橋下を突き動かしているのは“権力に対するルサンチマン”ではないか、府庁舎のWTCへの移転に固執したのも利権を追い求めてではないと思います、というコメント。「要するに規制の枠組みを壊したい。そういう意味では純粋なのかもしれません」と語っている。
このあたり、小泉とは違うと思えるのだが……
この記事には文春お得意の橋本を小泉元総理に通じるものがあると読者に刷り込ませようとする意図が見えたのだが、
2世議員である小泉に、権力に対するルサンチマンなんてそんなにあったとは思えない。
結局小泉にあったのはスタイルだけだと思うのだが。

P25◆盟友 東国原前知事大いに吠える 独占「橋下さんの革命が日本を変える!」
→いつものように感情論、気合、雰囲気でしか物事を語ることしかできない人のコメントといった印象。東国原という人は、睡眠時間3時間で勉強をする人には私は思えない。もしちゃんと勉強してるのならすみません。

P26◆丸山参院議員側近も寝耳に水だった「殴り込み」
自民党内のそれぞれの思惑で混乱があったという記事。丸山の意図についての言及、丸山のコメントはなし。

P27◆逮捕歴もある「大阪維新の会」消せない過去
→いわゆる、ネガティブキャンペーン的記事。少年時代かつてそういうことがあった人が1名いたということだった。

P28◆「闇社会の守護神」「最後の大物仕手筋」と鍵をかけて密談
→これもネガティブキャンペーン的記事。具体的になんのことも書かれていない。「7年前に何があったのか。」で記事を締めている。

P29◆大阪地検前田元特捜検事が掴んだ維新の会「裏ガネ情報」
→でっちあげで逮捕された前田元検事をからめた憶測記事。「思わぬエース検事の失策で、命拾いした者がいるのか。」で締めている。

P30◆大王製紙「井川王国三代」の野望−100億円刑事告訴にもメゲない御曹司 本誌だから書ける ▼リヤカーで段ボール集めから広尾5億円豪邸を建てるまで▼軽井沢に大理石の迎賓館、ハワイにホテルとコンドミニアム
→面白いエピソードしては、小学校時代に東京の学習塾に飛行機で通っていたという話。四国から筑駒に入るのには、そのくらい勉強をしていたのかと妙に納得した。
井川意高元会長は妻と離婚後、父・高雄の意向で妻・子供と同じ屋根の下で暮らしていたとのこと。離婚しても一緒に暮らすというのはなかなか庶民的にはちょっと違和感がありますね。
弟さんは'90年代に人気を博したAV女性と長く付き合っているとのこと。誰だろう?

P37◆日本人の「資産フライト」恐るべき実態!−“虎の子資産”を海外に移せ
→見出しにある「驚くべき実態」というのは日本円の何百万もの現金を直接手持ちで香港まで持ち出して預金している人がいるということだった。
この記事を読んで「出版大崩壊」(文春新書)という本の著者・山田順が「資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)を書いていたことを知った。
同じ文春新書なので、新書の宣伝も兼ねての記事と思われる。

また、自分できっちり調べた上で、放言しているのだろか。
この人、立教の文学部卒業で特に経済関係の仕事をしていた人ではないようだ。“お金”には独特の執着のある人と思われる。そのうち読んでみたい。
ちなみに「出版大崩壊」を読んだメモは以下に↓。
“すごい”本です。
内容よりも“放言”が。
http://d.hatena.ne.jp/allenda48/20110819/1313722794
出版大崩壊 (文春新書)

出版大崩壊 (文春新書)

P40◆弘道会「風俗王」に喰われた愛知県警と大物芸能人−スクープ 汚れた警察を告発する 清原、山本譲二吉幾三
→名古屋あたりの暴力団関係の記事。名古屋の警察は暴力団と癒着が著しいと記事にある。その地区の顔役的な人についての記事で、見出しに登場する人たちに交流があったと書いている。ただ、基本憶測記事。

P44◆紳助「ナゾの土地取引」大銀行の“汚れ役”が徹底分析!
→紳助がミナミに所有するビルについて、こんな形で手に入れたのではとの推測記事。具体的なことは何も書かれていない。

P56◆斬り捨て御免!食味探検隊 街のとんかつ屋さん リニューアル後の調子は?
→四谷・しんみち通りの洋食店「エリーゼ」が「かつれつ 四谷たけだ」にリニューアルしたという記事。
揚げ物専門になったようだ。ハンバーグ、ビーフトマト、ビーフバター、オムレツがなくなった模様。カレーはあるようだ。

P62◆本音を申せば 小林信彦「無残な原っぱを行く」
北杜夫の訃報に関しての文章がある。'70年代の終わりから小林は北の家の近くに住んでいるそうだ。
ということは小田急の梅ケ丘か。
駅の近くには都立梅ケ丘病院があり、入り口前に北の父である歌人斎藤茂吉の石碑が建っている。実は都立梅ケ丘病院は茂吉が院長を勤めた青山脳病院に由来するのだ。北の家はこの病院から遠くない場所にあったはずだ。
いまサイトを見たら、都立梅ケ丘病院は2010年に閉院となったそうだ。北の死と考えあわせると感慨深いものがある。
最近、病院前を通っていない。茂吉の石碑はどうなるのだろうか。
北との交流を語る小林のコメントは非常に興味深かった。加賀まりこがなぜかここに登場する。

P70◆近田春夫の考えるヒット イントロ4分に総尺は8分強。これはガルネクの心意気だぁ!?
→「昔はなんだか訳のわからないレコードが結構あった。まぁ怪作(?)なのだろう、聴いていると笑えるというか、作り手の想いとは違う部分で受けてしまう。」から始まる今回の文章。Jポップ全盛の今日、そうした楽しめる曲がなくなったと近田は嘆いている。
そういえば、かつてのオールナイトニッポンの第2部でこんなトンデモレコードをよく近田は紹介していた。もう四半世紀以上昔のことだ。私は3時から放送されるこのラジオ番組をいつも楽しみにしていた。
で、今回はgirl next doorの「ROCK YOUR BODY」にそんな匂いを感じていると語っている。私はこの曲、まったく知らないし、多分聴くこともないと思うが、近田のここでの論の展開はファンとしては楽しんで読むことができた。
“作り手の意図とは違う部分で受けてしまう作品”に面白みを感じるようになったのは、近田のラジオの影響が多分にあると再認識。

P119◆宮崎哲弥のDVD教養主義 「X−MEN ファースト・ジェネレーション」
→宮崎はこのシリーズを単なるSFシリーズとしてでなく、マイノリティ問題をメタフォリカルに描いていると語っている。

P119◆この人のスケジュール表 脚本執筆に挑戦 水野美紀
脚本を執筆した舞台「ネガヒーロー」が1月に上演とのこと。文春はこの間、水野がテレビ出演NGリストに入っているという推測事を書いていたが、その傍らでこういうコラム記事で彼女に取材をしていた! ああいう記事を書かれると水野としては困るし文春に対して印象が悪くなると思うのだが……。いろいろ事情があるのだろうか。

P126◆私の読書日記 立花隆 地下都市の秘密、地球外生命体の追求
→ベルリン訪問の際に、大規模な核戦争退避壕に入った経験を語り、そこから「ベルリン 地下都市の歴史」を紹介する記事。ベルリンは元々ナチスがコンクリートでガチガチの防空壕のかたまりのような街にしたことがあるのだという。

ベルリン 地下都市の歴史

ベルリン 地下都市の歴史

地下三部作として、ニューヨーク編、フランス編も出ているそうだ。
ニューヨーク地下都市の歴史

ニューヨーク地下都市の歴史

パリ 地下都市の歴史

パリ 地下都市の歴史

「宇宙は“地球”であふれている」「アストロバイオロジー」「地球外生命を求めて」と地球外生命について書かれた本を紹介。面白そうだ。
宇宙は「地球」であふれている -見えてきた系外惑星の素顔- (知りたい!サイエンス)

宇宙は「地球」であふれている -見えてきた系外惑星の素顔- (知りたい!サイエンス)

アストロバイオロジー―宇宙が語る“生命の起源” (岩波科学ライブラリー)

アストロバイオロジー―宇宙が語る“生命の起源” (岩波科学ライブラリー)

地球外生命を求めて (Dis+Cover Science)

地球外生命を求めて (Dis+Cover Science)

P130◆阿川佐和子のこの人に会いたい 西川義文
住友銀行出身で三井住友銀行の頭取、日本郵政の社長を経験した西川義文との対談。
かんぽの宿オリックスへの売却問題、小泉政権の是非について臆せずに突っ込む阿川に感心した。住友銀行本社ビル内での取材だったとのこと。民主党政権に代わって日本郵政の社長を辞めた際のことについても、西川はそれなりに素直に話している印象。文春ではなく講談社からこんな本が出ましたね。

ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録

ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録

P149◆松雪泰子38歳 自宅隣に新豪邸建築中
→その隣に豪邸を新築しているのが勝俣州和とのこと。

P150◆石川遼 結婚までの「小さな恋のメロディ」伝説−5回告白して5回フラれた
→石川の中学時代のかわいい恋愛体験についての記事。現在つきあってるのは中学時代からの知り合いのAさん。石川はAさんと同じバレー部部員だったBさんと中学のとき付き合っていた。そして小学校が同じで中学が別のCさんに5回告白して5回フラれたとの記事。これで“伝説”になるのだから週刊誌の見出しはすごい。

◆おいしい!私の取り寄せ便 「尾崎幸隆の鉄火丼三浦理恵子
麻布十番にある高級和食店の鉄火丼。200gで5250円!
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