801「ライヴ+ボーナスCD」
ロキシー・ミュージックのフィル・マンザネラとブライアン・イーノを中心としたプロジェクト・バンド801の歴史的名盤にリハーサル音源のボーナスCDを加えた2枚組アルバム。
本編の演奏盤にも、ボーナストラックとして「ゴールデン・アワーズ」と「ザ・ファット・レディ・オブ・リンバーグ」が追加されている。
実は私が持っている初期に出たCDは追加曲が収録されていないバージョンだったので、それが目当てだった。
追加の2曲はイーノの「アナザー・グリーン・ワールド」と「テイキング・タイガー・マウンテン」からの曲。
これが予想どおりいい。
アナログ盤のころから聴いているアルバムなので曲順の流れは体に染み込んでいる。
なので、5曲目の「サンバー・レプテイル」から追加曲が挟みこまれたときの新鮮な感じ、楽曲の醸し出すなんとも不穏な空気にしびれた。この2曲が聴けただけで満足である。
リハーサル音源のCDについては、作り込まれた人工的な感触のライブ・アルバムとしてオリジナル盤の完成度がとてつもなく高いので、ラフな音のこちらはむしろ聴かなくてもよかった、という感じだった。夢から現実を見てしまうような。
リハーサル盤では1曲目の「ラグリマ」のオープニングが汽笛でなく、鐘の音というのが、あれっという感じだった。
やはり汽笛のほうがいいと思う。
このころのフィル・マンザネラは本当にセンスがいいと改めて思った。
個人的余談だが、
小山田いくという素朴な画風の漫画家が、'80年代前半に「すくらっぷ・ブック」という当時のニュー・ミュージック(簡単に言えば商業化したフォークのこと)をモチーフにしたちょっと読んでいるのが気恥ずかしくなるような作品を少年チャンピオンに連載していた。
この漫画でなぜかこのアルバムが紹介されていたことがあった。
登場人物が「ビル・マコーミックのベースの音が心臓の鼓動のように〜」などと、とうとうと語っているのだ。
「この漫画がなぜ801?」と非常に違和感を抱いた記憶がある。
確認していないので、もしかしたら勘違いかもしれないが、今だに謎である。
そんなにメジャーなアルバムではなかったので。
この漫画は復刊されているようだ。
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↓この画風で801は変だ。もしかしたら記憶違いなのかもしれない。
すくらっぷ・ブック (1) (fukkan.com―小山田いく選集)
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