シカゴ「シカゴV」
なぜか、シカゴのアルバムをファーストから発表順に聞き始めている。
このバンド、私の世代だとリアルタイムではラブ・バラードが得意のバンドくらいのイメージが強い。
なので、まともに聴いていなかった。
今年になって久々にファーストを聴いてブラスロックのバンドとして魅力を感じ聴くようになったのだ。
どこまで続くかわからないが、テリー・カスが死んで、トム・ダウドがプロデュースした「14」くらいまでは聴いてみようと思っている。
今回はライブを入れて通産5作目となる'72年制作のアルバムだ。
このバンド、ファーストから4作目までは全てLP2枚組、4作目のライブ・アルバムはなんとLP4枚組で発表している。
ファーストアルバムが'69年だから、わずか3年で5作品、LPに換算すると13枚分を発表してきたのだ。
しかもどのアルバムも内容は薄くない。
驚異的な意欲と創作力といっていいのではないだろうか。
今回が初めてLP1枚のアルバムとなった。
コンパクトになったシカゴという感じだ。
3作目までの溢れるような勢いは正直ここで変わってきた印象。
今まではストレートに政治的な歌詞も多かったが、そのあたりにも変化がうかがえる。
とはいえ、このバンドは劇的な変化というより、ゆるやかな変化だ。
歌詞については、諦観を感じさせながらも、理想を思い葛藤する部分が聴いていて当時の時代を思わせた。
この理想と現実が混じり合った世界。希望は未来に託すという内容。
ヒット曲の「サタデー・イン・ザ・パーク」など、歌詞を読みながら聴くとなかなか切ないものがある。
このアルバムでシカゴは初めてチャート1位を記録したそうだ。
ちなみに邦題はいままでは“僕ら”だったが、“俺達”に変わっていた。
どういうことなのだろう……
大人になったということか?
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