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シカゴ「ライヴ・イン・ジャパン」

'72年6月に、大阪フェスティバルホールで行った公演をライブ・アルバムにしたもの。
シカゴがLP4枚組のライブ盤「シカゴ・アット・カーネギー・ホール」を発表した後、「V」を発表する前に行った公演とのことだ。
LPとしては何枚組だったのだろうか、CDは2枚組の全21曲だ。
当初、日本のみで発売され、CD復刻盤も現在は廃盤となっている。
同じライブ盤だが「シカゴ・アット・カーネギー・ホール」と違い公式版としてカウントされてはいない。

とはいえ、両方を聞いた感想としては、
「シカゴ・アット・カーネギー・ホール」は気合は感じたが、音のニュアンスがいまひとつだったことと比べると、こちらの方がバンドの魅力、演奏の熱気、勢いがより伝わるものになっていると思う。

聴いていてかなり引き込まれた。管楽器とギター、オルガンが、前のめりのリズムに乗って盛り上がるアンサンブルが素晴らしい。
テリー・キャスのギターがバンド・サウンドをここまで引っ張っていたとは思わなかった。
これはイエスの「イエスソングス」におけるスティーブ・ハウ級の大活躍といっていいのではないか。

個人的には1枚目の「 ウエスト・ヴァージニアの幻想」〜「ぼくらの世界をバラ色に」〜「今こそ自由を」の流れが好きだ。
私にとって、シカゴというバンドの魅力が一番感じられるメドレーかもしれない。


私はアメリカン・ロックを聴く方ではなかったので知らなかったのだが、シカゴは非常に日本びいきだったようだ。
MCでは「アリガト」「オオキニ」を連発、
さらに「ロウダウン」「クエスチョンズ67/68」をピーター・セテラが日本語で歌っている。
日本人の恋人がいたらしい。
私自身は日本語で歌うことに対しての違和感は特になく、好感を持って聴くことができた。

観客との一体感もカーネギーホールよりも伝わる。

勢いのあるバンドの魅力が盤に刻まれているアルバムだ。
廃盤になっていることが非常に惜しい。
iTunesではダウンロードできます。

ライヴ・イン・ジャパン

ライヴ・イン・ジャパン

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2012年5月に限定版が発売されるようです。

ライヴ・イン・ジャパン(紙ジャケット仕様)

ライヴ・イン・ジャパン(紙ジャケット仕様)