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映像、書物、音楽などについての感想

フランシス・フォード・コッポラ監督「地獄の黙示録 3Disc コレクターズ・エディション (初回生産限定)」

ついに購入してまずはオリジナル劇場公開版を見た。
楽しみにしていた。
劇場で見て、ビデオで見て、完全版も劇場で見てDVDも買った。
「ハート・オブ・ダークネス」はレンタルでビデオで見た。

今回の3枚組は特典映像も豊富なので、価格的は張るが、それに見合ったものだと思う。


映像の美しさは驚異的だった。ここまでとは思っていなかった。
環境問題がまず問われる現在、こんな映像はもうリアルに撮影されることはないだろう。
撮影監督ビットリオ・ストラーロの映像を堪能した。

ただ、それよりも衝撃的なことがあった。
私が見たバージョンとエンディングが違うのだ。

私の最初に見た「地獄の黙示録」のエンディングはこうだった。

カーツを殺害したウィラードは、無線で爆撃を命じて船でカーツの“王国”を去り物語は終わる。
その後のエンドロールでは爆撃により燃えさえる王国とジャングルの映像に不気味な音楽が流れるという内容だった。


ところが、今回の劇場版を見るとカーツは「ホッ、ホラー」とつぶやくとそのまま去っていく。そしてエンドロールもなく映画は終わっていた。これじゃ特別完全版だ。

もしかして、爆破しなかった特別完全版を見ていたのではないかと思い、ラストシーンを再度見直したくらいだ。
だが、やはり爆破はなかった。「ホッ、ホラー」だ。


何故だ……
まだ特典映像は見ていない。
ウェブでそのことを検索してみると
このような解説があった。↓
http://d.hatena.ne.jp/LACROIX/20090227/p1

そうだったのか。ショックだ。

劇場公開版はビデオしか見なかった。DVDは完全版は持っていたが、コメント解説も見なかった。

知らなかった……

むしろ知らなければよかったという気さえする。
あのシーンがない「地獄の黙示録」なんて……
諸事情を鑑みて、コッポラは自制したのかもしれないが、あんまりだ。

私は映画として上記のコラムの筆者のように爆破はあるべきだったと思う。
特典映像に爆破シーンがあるかどうかはまだ確認していない。

美しい映像でのラスト・シーンが見たくてこのディスクを買ったのに、非常に残念だ。


コッポラ監督のコメント部分にこの映像があった。コッポラ自身は爆破シーンは本意ではなかったとここでは語っている。
ちなみにテレビ放送されたのは35ミリ版だったと思う。