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ゴドレイ&クレーム『フリーズ・フレーム』

フリーズ・フレーム+4(紙ジャケット仕様)

フリーズ・フレーム+4(紙ジャケット仕様)

'81年に発表された元10ccの2人組、ゴドレイ&クレームのサード・アルバム。

ゴドレイ&クレームのアルバムはすべては聴いていなかった。
このアルバムを聴いたのは多分初めて。
図書館の返却棚にあるのを見かけて借りたのだ。

ライナーを読むとフィル・マンザネラと共有するスタジオで録音されたそうだ。
マンザネラはゲストとして参加、ゴドレイ&クレームと共作の曲も1曲収録している。
逆に、ゴドレイ&クレームはマンザネラの代表作ともいえる『リッスン・ナウ』『K-スコープ』のレコーディングに参加していたとのこと。
リッスン・ナウ(紙ジャケット仕様)K-スコープ(紙ジャケット仕様)

『リッスン・ナウ』は私の愛聴盤だったのだが、この2人の参加についてはあまり意識しなかった。
『フリーズ・フレーム』を聴いて、2人の“感じ”がマンザネラのアルバムにかなり入りこんでいたことに気付いた。

で、このアルバムの感想。

エフェクトのかかった歌声がなんとも無機質でソウルレスなのだが、歌として充分に魅力的である。
妙な気持ちよさだ。
『ソー・ファー』のときのファウストのようなテイストの曲もある。
断片的でイマジネーションを喚起する歌詞。
LPジャケットのアートワークはヒプノシス
ちょっと気持ち悪いが、美しい。
まさにゴドレー&クレームの曲みたいである。

いやー、すごくいいアルバムだ。
このセンス、作りこみの完成度は30年後の現在、若い人が初めて聴いても、まだ通用するかもしれない。

ただ、問題は収録時間。
ボーナストラックがなければ、わずか39分。
ちょっと物足りない。




ほかのアルバムすべてを聴き直してみることとにする。