見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

週刊文春0315

P26◆オセロ中島奪回!父親vs女霊能者の全攻防−スクープ告発から8カ月 いかにして娘を取り戻したか ▼女の素性を調べ上げた父親の執念▼“協力者”母と叔母は自己破産▼SMAP中居、みのもんたも“標的”だった▼女霊能者が酔って「やりて〜、男なら誰でもいい」▼松嶋の危惧でTKO木本カンパを呼びかけ
→過去のことでもあり、あまり興味ある内容ではないのでさらっと読んだ。大見出しに“オセロ中島奪回!父親vs女霊能者の全攻防”と書かれているのだが、霊能力者とオセロの父親との攻防はほとんど書いていない。どういうことなのだろう。

P31◆東京に「戒厳令」発動 極秘作戦書を独占入手!−スクープ 民間事故調も知らない緊迫の瞬間 原発暴走 菅首相が承認した「東京全域からの避難作戦」。防衛省最高幹部が作成した計画は首都圏直下型地震で現実のものとなる
原発事故で最悪となった場合のシミュレーションについて防衛省が作成したという計画書を紹介した記事。

P37◆菅直人 危機管理センターに差し入れた「柿ピー」
→なぜか柿ピーを管首相が差し入れたということを枕に、管首相の当時の迷走ぶりを揶揄した記事。

P39◆「仙台にパンダを」抗議殺到でジャニーズ義援金50億円撤回
ジャニーズ事務所が震災後に設立した復興支援プロジェクト「Marching J」。ファンから集めた募金で仙台にパンダを呼ぶと発表したその後に関しての記事。パンダを5年間呼ぶために50億円使うという案に抗議が殺到、そしてその後の経過情報がないという。見出しには“撤回”とあるが、記事には撤回されたとは書かれていない。

P47◆ダルビッシュ「大リーグ日記」−チームメイト、番記者が明かした 「野球の言葉学」SP
→鷲田康の連載のスペシャル。現地で取材したようだ。公称身長196cm、そして体重も100km超までスケールアップということで今までの日本人選手とは違う体格から、ポテンシャルは高いと評価されているようだ。多くの日本人投手が陥った3年目の故障についても語られている。

P50◆「原発廃炉」40年後に待つ“地獄絵図”
東京新聞原発取材班による記事。
「レベル7 福島原発事故、隠された真実」出版に絡んでの情報提供記事と思われる。

レベル7 福島原発事故、隠された真実

レベル7 福島原発事故、隠された真実

廃炉の困難さ、汚染廃棄物の処理について書かれてある。
非常に興味深かったのは高濃度汚染の場所では“ロボットも死ぬ”ということ。「ロボットの頭脳であるCPUは、人間と同じくらいの放射線量にしか耐えられないといわれている」とあった。人間と同程度というのはあいまいだが、CPU、つまり高度な機能を持つ電子機器は高濃度の放射線量のある場所では機能しないということになる。4ページ記事だがほかにも興味深いことが書かれてあった。

P55◆宮崎哲弥の時事砲弾 勘定合わず、銭足らず
→消費税増税で巨額な借金がある財政再建ができるかについて。増税プラスGDP3%の名目成長と社会保障改革が必要との見解。

P56◆社会 出版市場を席巻 ライトノベルはどこへ行くのか
ライトノベル市場の拡大について。文庫全体の売上1300億円の20%('09年)を占め、'04年から13%も増加しているそうだ。ただ、新人作家が多く、編集者の意見が通りやすい分、編集者のマーケティング的判断から、ヒット作に似たものが次々と玉石混交で大量に並ぶ傾向になっているとの指摘。

P59◆ハーバードは17年前の半数 日本人の海外留学が減っている
→海外留学は5年で3割減とのこと。不況により親の長期的な収入の安定に不安があることと、秋入学によることで日本企業就職の問題があることが原因ではとの分析。

P66◆本音を申せば 小林信彦 淡島千景さんの思い出2
→全号の続き。“駅前”シリーズなど森繁久彌との共演が多かったとのこと。
ほかアカデミー賞授賞式の感想。クリストファー・プラマーがオスカー助演男優賞を受賞したことについて。遠い昔、ブロードウェーの舞台で彼の演技を見たことがあったそうだ。筆者は受賞作「人生はビギナーズ」は見たのだろうか? ちなみにプラマーは「ドラゴン・タトゥーの女」にも出てましたね。スピルバーグに賞がいかなかったことがありがたかったと書いている。前号でも彼について書いていたが、スピルバーグについては厳しいようだ。「戦火の馬」は見たのだろうか?

P75◆近田春夫の考えるヒット 長尺DVDにビックリのAKB48 でも音に新味はないんだなぁ……。
AKB48「GIVE ME FIVE!」
ドリーム モーニング娘「シャイニング バタフライ」

→AKBの曲の長いDVDを見た感想がほとんど。定時制高校に通うメンバーがバンドを結成、曲を披露するまでという話のようだ。スタッフは音についてはもうこんなものと割り切って作り、最終判断が作詞家にある点が彼女らの強みではとの感想。
ドリーム モーニング娘については、この黄昏かたを逆手にとれないものか、と意見している。

P98◆大々的な補聴器のPR記事
→好評につき第2弾! とのこと。老舗雑誌なのでやはり読者の年齢層が高いのだと実感。

P112◆新家の履歴書 小泉武夫 農学博士
→自分のことを「発酵仮面」「味覚人飛行物体」「ジュラルミン製胃袋」「食の殉教者」などと称する語り口に驚いた。自分を語りすぎという印象も抱いたが、まあ面白く読めた。福島の造り酒屋の息子だったとのこと。この人が入った東京農大には醸造学科というものがあり、当時は学生のほとんどが地方の有名な造り酒屋の息子だったそうだ。

P130◆この人のスケジュール表 
中江有里
 
→BSの番組「週刊ブックレビュー」が終了することについて。児玉清のことを語っている。
スティーブン・スピルバーグ
→「戦火の馬」について。戦争映画を撮ったつもりはないとのこと。15歳の娘にこの作品を映画してくれといわれたことも理由のひとつと語っている。

P131◆Cinema Chart
「世界最古の洞窟壁画3D 忘れられた夢の記憶」

ヴェルナー・ヘルツォークによる3Dドキュメンタリー。20点満点(品川雄吉未見)で13点。壁画の映像の臨場感には皆感心している。

アリラン
ユニークな作風から好事家の間で人気のある監督キム・ギドクによる怪作。25点満点で15点。

P136◆ヨコモレ☆通信 辛酸なめ子 「しながわ水族館のラブラブフェスティバル」
→バレンタインデー〜ホワイトデーの間に行われた企画とのこと。実際は家族連ればかりだったとのこと。とはいえ、これもしっかり記事に仕上げてます。この人のフィールドワークに対する行動力はもしかして素晴らしいのではと最近思っている。

P136◆CD温故知新
ニック・ドレイク『ピンク・ムーン』/パフューム・ジーニアス『プット・ユア・バック・イントゥ・イット』
ニック・ドレイクと比してパフューム・ジーニアスという人を取りあげている。私はこの人は知らないが、ニック・ドレイクと比較するほど持ち上げているのならちょっと聴いてみようと思う。

ピンク・ムーン

ピンク・ムーン

プット・ユア・バック・イントゥ・イット

プット・ユア・バック・イントゥ・イット

P140◆ミステリーレビュー 飴村行「粘膜戦士」
→気色の悪い小説を書く人のようだ。余裕があればこの人の著作を読んでみたい。

粘膜戦士 (角川ホラー文庫)

粘膜戦士 (角川ホラー文庫)

P141◆新刊推薦本 萩尾望都「マンガのあなた SFのわたし」
手塚治虫小松左京寺山修司石ノ森章太郎松本零士美内すずえ水野英子との過去の対談に、羽海野チカとの新規対談も掲載したもの。既読の対談もあると思われるが、この本は読んでみたい。

マンガのあなた SFのわたし 萩尾望都・対談集 1970年代編

マンガのあなた SFのわたし 萩尾望都・対談集 1970年代編

P142◆著者は語る 大谷能生植草甚一の勉強 1967-1979 全著作解題」
→私はこの人とか菊地成孔あたりの文章があまりピンとこない人なのだが(あまり読んでいないということもあるので、ちゃんと読んだら印象は変わるかもしれないが)、一応チェックするということでここに書き残す。

植草甚一の勉強

植草甚一の勉強

P143◆漫画の時間 いしかわじゅん わかりやすい吾妻ひでお
→吾妻ファンの山本直樹が選んだ「21世紀のための吾妻ひでお」を紹介。吾妻は現在は“不条理もの”で知られるが、今回はそれ以前のスタイルとして“古い漫画”からも作品を選び、不条理ものへと至る吾妻の足跡が見える作品集になっていると語っている。そのため不条理ものの代表作が落ちることになっているが、これが山本らしいとしている。

21世紀のための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection

21世紀のための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection

↑この表紙の人はコスプレイヤーの“うしじまいい肉”さんとのこと。

P144◆私の読書日記 立花隆 タックスヘイブン天皇
→ニコラス・シャクソン「タックスヘイブンの闇」が面白そうだ。

タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!

タックスヘイブンの闇 世界の富は盗まれている!

租税回避地”としてオフショアなどと呼ばれたタックスヘイブンだが現在は世界の貿易取引の半分以上がタックスヘイブン経由で、すべての銀行資産の半分以上、多国籍企業の海外直接投資の三分の一がオフショア経由だという。グローバル経済の中心に位置するようになってしまったタックスヘイブンがわからないと世界経済はまったくわからない時代になったとのことだ。租税回避のみでなく、巨大なマネーロンダリング装置となったタックスヘイブンの歴史がこの本で詳細に書かれてあるという。これは読んでみることにする。
天皇陵の謎」もなかなか面白そうだ。
天皇陵の謎 (文春新書)

天皇陵の謎 (文春新書)

読売新聞の古代史担当記者が書いたもの。天皇陵の謎を追うことで日本国家成立の謎、すなわち天皇制成立の謎を追ったもののようだ。

P148◆池上彰のそこからですか!? 「首都直下」はどこのこと?
→1月23日の読売新聞朝刊トップに掲載された「首都直下型地震が4年以内に70%」の記事が、いわゆる「飛ばし記事」だったということから始めて「首都直下」が実は関東南部を意味し、東京都、神奈川県、千葉県、茨城県を含む広い範囲であることを解説している。

P150◆阿川佐和子のこの人に会いたい 永世棋聖/日本将棋連盟会長
→コンピューター将棋ソフト“ボンクラーズ”と対局、負けたことについて語っている。最初に指した手は6二玉。その狙いなど。
↓この本の宣伝でもあったようですね。でも、ちょっと面白そうではある。

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る

われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る

P161◆民主政権崩壊」の次に何が起こるか−緊急座談会 フランス革命とブキミな類似
→ケッタイな座談会だ。鹿島茂×佐藤賢一×保坂正康の3人が、現在の政情をフランス革命時のフランスの状況と照らし合わせて語り合うという内容。フランスの歴史上の著名人を現在の政治家になぞらえるというトンデモないことをやっている。この対談では橋本大阪市長は、急進派で恐怖政治を招いたロベスピエールということに落ち着いた。そしてなぜか座談会ではそうとは語られていないが、小泉進次郎の写真にはナポレオンの肖像画が。文春側の希望?が感じられるものとなっている。

P165◆西城秀樹“112坪スタジオ付き豪邸”を売りに出した
川崎市に構えていた豪邸を売却、横浜市内に引越したとの記事。昨年12月に2度目の脳梗塞で倒れたこととは関係はなく、私立の学校に通う子どもの通学を考えての転居とのこと。森村でしたっけ。田園都市線の方が通いやすいですからね。リハビリは順調で、3月にはラジオにも出演、4月にはコンサートに出演予定とのこと。近所の評判はとてもよいようだ。

P169◆「ピーチ航空」初フライトてんやわんや搭乗記
全日空出資で関西空港を拠点にした日本初のローコストキャリア(LCC)のピーチ空港初フライトの搭乗記。

P174◆絢香水嶋ヒロ ものすごくうるさくて、ありえないほどウザい
→復帰した絢香の写真チェック、原稿チェックが厳しいことから始まって2人を揶揄した記事。チクチクと嫌味を書くありがちな内容。