見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

文春0614

P24◆菊地直子オウム真理教 逃走17年全真相−総力特集 本誌だけが知っている 麻生幾 作家 緊急寄稿 警視庁vs.走る爆弾娘「未発見VXガスを巡る攻防」 性欲の煩悩にまみれた「逃亡日記」公開 平田信 林泰男への恋心
高橋克也逮捕前時点の記事。麻生幾なる人の署名記事。作家と称しているのだが文章は拙い。スポーツ新聞によくあるたぐいの下手なあおりが満載で、読む気を失った。どんな人かウィキペディアを見たら元文春の記者。納得。

P38◆TPP潰しに暗躍 中国人スパイに籠絡された大物閣僚の名前
→中国大使館の一等書記官が身分を偽り外国人登録証を更新しており、警視庁から出頭要請を受けると成田空港から中国に帰国したという記事。これは今号の池上彰先生も連載記事で書いている。ただ、具体的な情報漏えいはなかった模様。

P40◆独走スクープ第3弾! 沢尻エリカ薬物問題でヘルタースケルター重大局面
→結局3年前の「通知書」をネタにしたが、あまり盛り上がりもなく、新たな情報も入手できなかったようだ。“沢尻麻薬疑惑”記事の第3弾は、恒例のワイド特集の一つに格下げ。この記事を見ると、今回、蜷川実花監督に直撃取材するためにトルコまで飛んだらしい。
“事実を確認すべく、小誌はトルコに飛び、蜷川監督を直撃した。それが冒頭のシーンである。だが、監督はこちらの取材意図を知るなり、記者に掌を向け、逃げるように搭乗ゲートに駆け込んでしまったのだ。十一時間後、帰国した蜷川監督を成田空港の税関前で再び直撃した”
たったこれだけのためにトルコまで行ってとんぼ返り! 私はこの記事でこの部分に一番驚いた。

P43◆沢尻エリカ 塩谷瞬 高岡蒼佑が「パッチギ!」だった頃 井筒和幸独占告白
→井筒監督の「パッチギ!」は沢尻、塩谷、高岡と、出演した人間がトラブルに巻き込まれる“呪われた映画”と話題になっているらしい。監督のインタビューを読んで、映画が呪われていたわけでないことがわかった。要は世の中にうまく馴染めない人間を抜擢して作った映画なのだ。そして、結果的に、彼らが後になってお騒がせタレントとして名を馳せることになったということなのだろう。監督によると、高岡は十代のときは東京・千葉のやさぐれた世界に揉まれていたようで“苦痛や不幸を背負い込んでる顔をしてたわ”。塩谷については、中学のときには両親は家におらず、施設に入ることもなく、近所のおばちゃんにご飯もらったりして1人で暮らしてきたとのこと。これを読む限りでは、塩谷という人は、ちょっとないような環境で育ってきたようだ。第2弾「パッチギ! LOVE&PEACE」の際には高岡と沢尻にオファーを出したが、事務所から断られたとのこと。

P54◆飯島勲の激辛インテリジェンス 野田首相よ、破れかぶれで解散に突き進め!
小泉首相の秘書官として名を馳せた飯島勲の連載第1回。放言ではあるが、それなりになるほどと思えることを語っている。

P54◆池上彰のそこからですか!? 中国はどのようにスパイするのか
→この前のページでも取り上げていた、在日中国大使館の一等書記官がスパイ活動をしていた疑いがあるというニュースを解説。ソ連→ロシア、中国のスパイ事情を語っている。

P60◆経済 証券界首位の野村が株主総会で絶体絶命の危機に
→野村ホールディングの株主総会の議案にとんでもなくくだらない議案があることを枕にしての記事。野村の経営状態の悪化、さらにインサイダー取引の摘発などについて書いている。昨年「来週、野村はつぶれます」と書いた陰謀論の人気作家・副島隆彦の指摘はデマとして一部で騒がれたが、会社の体力はかなり弱ってきているようすだ。

P61◆スポーツ 断髪式中に記者締め出しで魁皇“髪を盛った”疑惑
→薄い頭髪を指摘されていた魁皇が、断髪式中に記者締め出しという異例の行動を取った。記者を締め出した時に増毛をしたのではと疑惑が生まれたとのこと。

P70◆小林信彦 本音を申せば 「表参道が燃えた日」を考える
→3.10の東京大空襲と5月にあった空襲について。

P79◆近田春夫の考えるヒット 確信犯的にアナクロなNYCの新曲 ゆったりしたテンポが素晴らしい!!
ハイナ!/NYC
目をとじてギュッしよ/ABCHO

→特に興味深いコメントなし。はみだしでは東電の高津常務とKAT−TUNの中丸雄一が似ているとの指摘。

P81◆人生エロエロ みうらじゅん
→今回から連載開始。“みうらじゅんの人生エロエロ”ではなかった。文春の場合連載タイトルに“の”があるかないかで格の付け方が違うのだろうか? 小林信彦とか“の”がついていないことで、「なんであんな奴に“の”がついて、俺についてないんだ」とか内心ムッとしていそうな気もする。

P82◆そのノブは心の扉 劇団ひとり 活動量
→筆者は何年も自分の行動を記録しているという。そして、そういったたぐいの行為を総称して『ライフログ』と言う流れもあるようだと語る。ライフログをデータとして記録する機器も色々あるようで、筆者は最近NIKEの「FuelBand」なるものを入手したとのこと。カロリー消費量や歩数などを記録してくれるリストバンドとのこと。そして、1日の活動量を計測して、日常の行動をすべて数値化することができるそうだ。それについての小話。一応、オチもある。

P110◆新家の履歴書 夢枕獏
→現在61歳。インタビューを読むとものすごくのんきな人生という感じもするが、実際はそうでもないような気もする。

続きは追って更新する。

↓以下、続き

P124◆Cinema Chart
幸せへのキセキ

キャメロン・クロウ監督作のヒューマンドラマ。音楽はヨンシー。25点満点で18点。好感もてる作品とのコメント多し。
「一枚のめぐり逢い」
→「君に読む物語」のニコラス・パークスの小説を「シャイン」スコット・ヒックスが監督。15点。芝山幹郎は、知能指数が50ほど下がりそうな映画とのコメント。

P128◆春日太一の木曜邦画劇場 「血と砂」
→この人の連載タイトルに“の”が付いている! 知名度はこの人よりずっと高いと思われるみうらじゅんに“の”がないのに。文春の“の”の基準はどこにあるのだろう。

P130◆ヨコモレ☆通信 「東京みなと祭」
→晴海ふ頭で開催。「水の消防ページェント」が自賛気味のアナウンスとともに見所とのこと。

P134◆今週の必読 評者・大森望 トマス・ピンチョン「LAヴァイス」
→私は読んだことがないのでしらなかったが、難解といわれるピンチョンの著作だが、実は「V.」や「重力の虹」以外は読みやすい作品なのだそう。この作品は70年のカリフォルニアを舞台に展開する探偵もの。ロックや刑事ドラマ、怪獣映画などポップカルチャーがさかんに引き合いに出される小説とのこと。本屋でちょっと見てみることにする。

LAヴァイス (Thomas Pynchon Complete Collection)

LAヴァイス (Thomas Pynchon Complete Collection)


P135◆著者は語る 安田浩一「ネットと愛国 在特会の[闇]を追いかけて」
何がイマドキの若者を熱狂に駆り立てるのか
→“在日コリアンに対し、激烈な集団街宣を行なう、日本最大の「市民保守団体」在特会を、1年半にわたり徹底取材”とのこと。

ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて (g2book)

ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて (g2book)

P147◆宮崎哲弥の時々砲弾 悪魔を憐れむ歌
→5/26、27に放送された「NHKスペシャル/未解決事件file.02 オウム真理教」を紹介しつつ、オウムについての意見を語る。文章はいつもより歯切れが悪い気もする。

P165◆AKB総選挙特報〈2〉指原莉乃 大躍進を支えた大分市長の「応援演説」
→こういう記事を出して、翌週には刺すのだから文春も油断ならない。この市長も困惑したと思われる。「大使就任を発表する釘宮市長」のキャプションとともに掲載された市長の笑顔が今となっては感慨深い。

九州に帰ることになったが大使は辞任しないみたいですね。

P168◆歌舞伎デビュー 香川照之 美談のウラで父・猿之助へのむごい「仕打ち」
→見出しほど悪く書いている記事ではない。香川は息子に猿之助を継がせたいがために、そして息子を支えるために歌舞伎界に入ったのでしょうという関係者コメントあり。

P170◆本誌スクープ“裏口入学”を「記憶にない」松井大阪府知事の記憶力
→0524号での記事を文春記者がフォロー。

P174◆ムタク母が講演「地底人スピリチュアルセミナー」に潜入した!
→別に怪しい講演をしたわけではなく、たまたま変な後援会に出演する羽目になってしまったということ。