見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

週刊文春0712

P26◆総力特集12ページ 「自爆離党」全真相−カネ、リーダー、政策、展望すべてなしの「4無新党」!
◆小沢妻「離縁状」すべての疑問に答える−本誌だけが知っている ▼和子夫人が語った「私は元気。心配しなくていいから」▼「離縁状」で若手県議23人が真っ二つ▼この期に及んで手紙は「偽物」「陰謀」と叫ぶ腰巾着▼妻が激怒した京都通い▼愛人隠し子との二重生活▼昼飯抜き 大豪邸ひとりぼっち▼個人資産30億円で和子夫人への慰謝料

松田賢弥+本誌取材班の記事。見出しを見ればもう本文は読む必要はない内容。4無新党とは敵対意識丸出し。ただ、金については、小沢はタックスヘイブンに金を蓄えているのではないかと妄想めいた想像をしているのだが。かつて、野中広務は小沢が心臓病の手術で頻繁にイギリスに行っていたことについて実は心臓病なのでなく“悪い目的があって”イギリスに行っていたのだと語っていた。

P37◆原一億円事件恐喝暴力団員のシノギは「野球賭博」だった!−独走スクープ第3弾
→恐喝した男が野球賭博に関わっていたという記事。これも特に読み応えなし。

P◆飯島勲の激辛インテリジェンス 谷垣総裁よ、谷垣総裁よ、小泉なら小沢を利用して倒閣だ
→直ちに内閣不信任案を出すべきと強く主張。小泉元首相の“声”が聞こえてくると語る。

P49◆年収10億円!カルロス・ゴーンの野望−レバノン移民の子が「世界一」を掴む日
→日経出身のライター佐藤正明の署名記事。意図はよくわからないが、カルロス・ゴーンをベタ褒めしている。それに便乗(?)、自動車業界に顔の効くオレもちょっとすごいんだぜ的なことも語っている。

P57◆野球の言葉学 加藤良三日本野球機構コミッショナー
→気付かなかったが前週は連載を休んだそうだ。原辰徳問題について書いたが、彼と個人的な交流があることで休載にしたとのこと。どんなことを書いたのかは不明。で、この人の見解は、女性問題でゆすられて警察に届けず1億円払ったことは軽率。だが、この行為については監督は甘んじて批判を受け入れ、反省してファンに謝罪をした。そのことで社会的制裁は受けたと思うとのこと。まあ、私も同感です。

P58◆池上彰のそこからですか!? オスプレイは安全なのか?
オスプレイについて基本的なことがよくわかりました。

P60◆経済 夏のボーナスJALはANAの一・七倍という怪
→ずいぶんな急回復である。経営危機以前、企業努力がほとんどなく、実は努力すれば利益を上げることが比較的容易に達成できる環境にあったのではと思えてしまう。

P70◆本音を申せば 小林信彦 B級映画を観るまでの苦労
→まずは、消費税増税法案が衆院を通過したことを嘆く。本題はジョエル・シュマッカー監督の「ブレイク・アウト」について。ニコラス・ケイジニコール・キッドマン扮するセレブ夫婦が住む豪邸に覆面強盗が入って……という作品らしい。観なくてもB級とわかる映画と前置きしながら、妙に長く熱心に語っているのが印象的である。結局、評価は高くない。

P78◆近田春夫の考えるヒット マエアツCDから考える!! AKBにお宅が“萌え〜る”理由
君は僕だ/前田敦子
超HAPPY SONG/Berry工房×℃-ute

→“AKBの本質は「恋愛禁止」だ。”から始まる文。書いてあることの趣旨は特になんていうことはないが、筆者がAKB関連の音楽に興味を引かれていないということと、AKBというもののあり方、それが社会に受け入れられている状況については全く興味がなく、どちからといえばあまり好印象を抱いていないということは推測できます。ベリキューはアルバム収録曲を同時に流すと新たな楽曲になる構成とのこと。アイデアだけでなく曲としても聴き応えあったという評価。このアイデアコーネリアスも10年以上前にやってましたね。フレーミング・リップスにもあったような。

P80◆そのノブは心の扉 劇団ひとり 困った口癖
→筆者の口癖は「あー、セックスしたい」とのこと。変な人だな、劇団ひとり。それをネタに使っての小話など。

P104◆さすらいの女王 中村うさぎ 「教育=洗脳」か?
→なぜか斉藤環の講演を拝聴している中村うさぎ。彼女の斉藤の言葉に対する“もっともな”批判を読み、斉藤の論説が“一般的なものではない”ということを再認識した。

続きは後日更新。


P106◆新家の履歴書 三宅久之
→この3月に引退を表明。82歳。取材を受けるのもこれが最後です、と見出しにあり。国立高校出身ということを初めて知った。日立製作所に勤めていた父が戦後何かで儲けたようで、麻生元首相と隣組の渋谷神山町の家を買ったとのこと。内閣官房報償費(官房機密費)を受け取ったことについてはここでは語っていない。

P122◆Cinema Chart
ラム・ダイアリー

→ハンター・S・トンプソンの自伝小説の映画化。ジョニー・デップが製作・主演。仲が取りざたされたアンバー・ハードと共演。25点満点で13点。おすぎが1点以外全員3点。
クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち
→ドキュメンタリー映画の大家フレデリック・ワイズマン監督。パリの夜の観光スポットとして知られる「クレイジー・ホース」を追ったもの。25点満点で18点。

P123◆春日太一木曜洋画劇場 「座頭市御用旅」
→私は特に映画好きではないので、ここで紹介される作品は知らないものが多く、読んでいてなかなか興味深い。座頭市はほとんど見ていないので、今回紹介する作品も未見。“悪役が徹底して「悪く」描かれた時代劇”とのこと。その悪役を演じるのが三國連太郎、そしてその脇に石橋蓮司蟹江敬三。このトリオは確かに強力そうだ。

P126◆CLOSE UP プリンセス プリンセス 伝説のガールズ・バンドが震災復興のために蘇った
→解散から16年、2012年限りで復活したとのこと。現在は主婦3人、音楽学校の副校長1人、ミュージシャン1人。人生を感じさせますね。ドキュメンタリーでも作ってほしい。

P127◆ヨコモレ☆通信 辛酸なめ子 「ローズフェスティバル」
→千葉県八千代市の「京成バラ園」を訪問。よくこんなところまで行くものだと、またまたその行動力に感心。

P127◆CD温故知新
Alt-J「An Awesome Wave」
Radiohead「Kid A」

→このコーナーの担当者はロック好きな30代後半の男性と推測している。ほとんど意味不明の論旨でレディオヘッド礼賛。30代のロックを聴く人にはいまだ絶大な人気があるようだ。

P133◆ベストセラー解剖 「世界で一番美しい元素図鑑」重さ1.4kg、3990円の図鑑が異例のヒット
→2010年11月発行で15万部突破とのこと。

まだ、終わらない、続きは後日。


P136◆私の読書日記 木嶋佳苗、政治家のがんと回想、リーダーなき世界
→まずは女性裁判傍聴グループの霞っ子クラブ編・著による「木嶋佳苗劇場」を紹介。
下らないといえば下らないが、面白いといえば面白いといいつつ、高評価。ちょっと気になったのが筆者の言葉「ブスデブだけど特別の女性昨日の持主が男を狂わせることは現実世界にはよくある。私はその方面の取材もしてきた」て本当なのか?
文春0628ではインタビュー記事も載せていた与謝野馨(青木直美取材・攻勢)による「全身がん政治家」も紹介。この本が面白いのは取材構成の青木直美の丁寧な取材と、与謝野の医療に関わった医師らから具体的治療を語らせ医学的な解説をさせてるから、と自身がん患者としてがん取材をしてきた筆者がお墨付きを出している。
ほか村山元首相による「村山富市回顧録」、イアン・ブレマー「『Gゼロ』後の世界」、北野幸伯プーチン最後の聖戦」を紹介。北野幸伯はロシア外務省付属の「モスクワ関係大学」を日本人で初めて卒業した人とのこと。いろいろ出ているプーチン本の中でも独特で面白いと評価している。

P145◆宮崎哲哉の時々砲弾 為政者の瀬戸際
→筆者いわく、政治家というものは合理的な思考だけでは帰趨を予想できない場面に何度も遭遇するものであり、そのような“剣が峰”を生き残った政治家というものは、験を担いだり縁起を気にするようになるものだそうだ。そうでない政治家は実力がたりないか経験が足りないそうだ。これを枕に、森本敏防衛大臣について語っている。筆者はこの人を高くかっているようだ。ただ、この記事ではその根拠がきちんとは説明されていない。験のことなどより、そのことについてもっと書いてほしかった。

P162◆ワイド特集 小説より奇なり
→リード文がすごい“ミステリーはフィクションの賜物にあらず。事実がもたらすインパクトは、空想をしのぐ。生の人間活動は、ときにドストエフスキーより深遠でバルザックより面白く、村上春樹より奇想天外だ。本誌取材班が掘り起こした旬の人間ドキュメント全10本をご堪能あれ!”。このリードの存在理由はまったくないと思うのだが。しかし、これ書いた人ってどんな人なんだろう。

P162◆「脱原発のストレスで」大麻逮捕 山本太郎姉の怪しいヨガ教室
山本太郎の妻の父の言葉がすごい。「太郎は徐々に原発活動から身を引き、ほとぼりを冷まして役者に役者に復帰するつもりです。また政治家の年収は二千万くらいなので、政治家への転身も考えているようです。ただ、太郎の母親は太郎には政治家の資質や能力がないと反対している。実際に太郎は『比例代表』の意味すら知らなかったんです」。娘の夫に対して随分ひどいことを公言しているものだ。

P169◆「中野美奈子送別会」小倉智昭が「塚越アナ自殺」でフジ批判
→6月26日、社内のトイレでニッポン放送出身の塚越アナが自殺。あまり話題にならなかったが。

P180◆ある老報道写真家と戦後ニッポン 福島菊次郎が写真に込めた「遺言」
→長谷川三郎監督の「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」公開にあわせてのグラビア5ページ記事。訴える力のある写真が掲載されているが、’70年ごろまでの写真だけである。今の日本では見ることのない表情がある。

これでおしまい。