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マグマ『ブルージュ 1979』

ブルージュ1979

ブルージュ1979

マグマは社会人になってから聴き始めた。
高校のころ、廉価版で出たクリスチャン・ヴァンデの『トリスタンとイゾルデ』を聴いたがさっぱりわからず、それ以降聴くことがなかった。
トリスタンとイゾルデ?地球の終焉 (紙ジャケット仕様)

トリスタンとイゾルデ?地球の終焉 (紙ジャケット仕様)

Wurdah Itah

Wurdah Itah

↑後にこれで聴いた。


だが、社会人になり、Seventh Recordsから再発されたCD2枚組『LIVE』をたまたま聴き、そのクセのある音にはまった。

ライヴ (紙ジャケット仕様)

ライヴ (紙ジャケット仕様)

金銭的に余裕もできたので、Seventh Recordsのカタログだとマグマ、オファリング、クリスチャン・ヴァンデについては出ているものほとんどすべてを買っていたような気がする。
考えてみると社会人となって最も熱心に聴いたバンドのひとつかもしれない。

ここ数年ご無沙汰していたのだが、未聴だった『ブルージュ1979(Bourge 1979)』を聴き、久々に2週間ほどぶっ続けでマグマを聴いていた。やはり面白いバンドだ。

日本版ライナーによると、このアルバムはスタジオ盤『ウルゴンとゴルゴ〜アターク(Attahk)』('78年)の翌年、’79年4月にブルージュで行われたフェスティバルでのライブを収録したものとのこと。

ウルゴンとゴルゴ?アターク (紙ジャケット仕様)

ウルゴンとゴルゴ?アターク (紙ジャケット仕様)

↑ジャケットはH・R・ギーガー

マグマは、スタジオ盤よりライブ盤の方が多いという珍しいバンドだが、私がよく聴いたのは『レトロスペクティブⅠ&Ⅱ』『レトロスペクティブⅢ』『コンサート ボビノ1981』あたりだろうか。

レトロスペクティヴI&II

レトロスペクティヴI&II

レトロスペクティヴIII

レトロスペクティヴIII

ボビノ1981 [DVD]

ボビノ1981 [DVD]

マグマを'80年前後にリアル・タイムで聴いていたら、ポスト・パンク(オルタナティブ)の時代に、なんて時代感覚のずれた音楽を演っているのだろう、と思っていただろう。

だが、今は、クリスチャン・ヴァンデとマグマは時代を超える独自の音楽をずっと追及し続けてきたと評価されていいと思っている。

ブルージュ1979(Bourge 1979)』については、聴き始めた当初は音質に不満があったが、何度も聞いていたら、まあこんなものかという感じになった。AKTシリーズではもっとひどい音のもあるので。
演奏は『レトロスペクティブ』の演奏と比較すると、ラフでアグレッシブ。同じ曲でもそれぞれのライブで印象が大きく違うのがマグマらしい。

もはや、キング・クリムゾンの“秘蔵音源”を聴きたいとは思わないが、マグマならまだまだ過去の音源は聴いてみたいと思った。

『ライブ・イン・トーキョー』『 マグマ生誕30周年記念ライヴ トゥーザムターク全楽章』(キングから出た3枚組)も何度も聴いてしまった。

ライブ・イン・トーキョー

ライブ・イン・トーキョー

パリ・ライヴ!!マグマ生誕30周年記念ライヴ

パリ・ライヴ!!マグマ生誕30周年記念ライヴ

“スタイリッシュなかっこよさ”みたいなものからは無縁なバンドではある。
だが、非常に個性的で魅力のある音楽だ。
そして長いスパンで見ると、バンドとして成熟、より洗練されてきていることは明らかだ。
なかなかいないバンドだと思う。


しかし、市場に出回っているカタログが非常に錯綜しているので、もう少し整理してほしい。

かなり聴いているのだが、実はあまりバンドについての知識がない(コバイア星人がなんたらかんたらとか)。
聴いたときは社会人になっていたので、あまりミュージシャンに対して幻想を抱かなくなったからかもしれない。