見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

文春0920

P9◆前田敦子 国民的アイドル深夜の「お姫様抱っこ」−高級カラオケ店で合コン→泥酔・号泣→2人で自宅マンションへ AKB48卒業&恋愛解禁直後の仰天スクープ撮! 相手は映画『るろうに剣心』のあの人気俳優!
→カラー、モノクログラビアに記事と8ページの大特集。要は酒に酔えば乱れることもあるという誰にでもある話だと思う。ぐずった女を男が送ってやったという話なのでは。違法、公序良俗に反することをしたわけでもなし。佐藤健が埼玉の県立進学校出身ということを初めて知った。ネットで見ると越谷北高校のようだ。それなりの進学校だから、要領よく受験勉強すれば、明治・法政とかそこそこの私立くらいはいけそうだと思うのだが、大学に進学しなかったようだ。というか進学校に行っていたこともウリにしていなかった。そんなところに好感を持った。

P26◆東国原は知事時代県職員含む20人以上と肉体関係に!−橋下維新の目玉 衝撃の内部告発 白昼の知事室から喘ぎ声が…
→かなりの女好きであり、宮崎県知事時代には人気に乗って相当数の女性と関係を持っていたとの記事。私自身は、この人については勢い、精神論ばかり言うだけで、その言葉で感心したことは一度もない。政治家としての知的能力には疑問があると思う。ただ、50代半ばにもなり、これだけ知名度がありながら、現在も街中で平気でナンパをしているとのこと。その精力にはちょっと感心した。

P30◆「日本維新の会」5時間討論会は“AKBじゃんけん大会”以下
→AKBじゃんけん大会を引き合いに出してくるのも意味不明だが、盛り上がらなかったということのようだ。

P32◆本命 石破茂「銀座の女」と「資産2700億のタニマチ」 対抗 石原伸晃“推し”ナベツネは一面トップで大応援−自民党総裁選「次の総理」を身体検査
→石破、石原の「身体検査」。石破氏については銀座のクラブのホステスでひいきにしている女性がいるということと、スクウェアの創業者である投資家の宮本雅史氏がタニマチ的存在であると書いている。また石破夫人は慶応大学法学部の同級生で、大層美人だと評判らしい。「長老のペット」「平成の明智光秀」などと言われる石原氏は、ナベツネの押しで読売の記事は石原応援団のような紙面づくりになったこともあるとのこと。また、下に威張り、上にへつらうのが基本姿勢、と記者からの評判も悪いらしい。それはテレビを見ていても感じる。

P35◆飯島勲の激辛インテリジェンス 野田総理が決断すれば閉会中でも解散できる
→相変わらずの放談だが、森元首相への苦言と予言が面白い。この人によると引退宣言したことについては「そのうち周囲から『何とかもう一期』とか地ならしが始まり、本人が『熟慮の結果、やむなく引退撤回』というシナリオが透けて見えるぜ」と語る。これが当たったら本当にケッサクだ。石破氏については「変わり者だな」の一言。

P37◆与謝野馨「日本政治への遺言状」−失声で政界引退
→「全身がん政治家」を出した与謝野氏が政界引退を宣言。下喉頭がんの切除手術の影響で声が出なくなってしまったのだという。それをきっかけに引退を決めたとのこと。引退を決めた与謝野氏は政治家の最後の使命として、筆談を交えながら野田首相に提言を行ったそうだ。その抜粋の記事。与謝野氏によると10年以内が勝負で2020年にあらゆる問題が解決困難になるとして、その問題点を挙げている。しかしこの記事のタイトル「日本政治への遺言状」とはすごいタイトルだ。こんなタイトルを許すということはもう、与謝野氏自身は死を意識しているのかもしれない。

全身がん政治家

全身がん政治家

P52◆池上彰のそこからですか!? 米大統領選挙いよいよ本番
→共和党のミット・ロムニー大統領候補が副大統領としてホール・ライアンを選んだことから、トム・クランシーの“ジャック・ライアン”シリーズを連想してしまったという池上先生。小説ではCIAの分析官だったライアンは副大統領になるが、大統領が日本人の自爆テロで死亡、大統領となるのだ。今回、先生は共和党の党大会を取材したとのこと。党大会とは4年に1度の大統領選に向けて党の正副大統領候補を正式に指名する集会とのこと。取材した先生の感想は、皆の演説が見事で聞いていて楽しくエンターテインメントになっているのです。政治は楽しくなければ。この発想が日本は欠けてます。とのこと。まつりごとといいますからね。

P54◆国際 オバマ大統領に迫る共和党候補ロムニー氏の素顔
→ベテラン記者・古森義久の署名原稿。ロムニー氏の人となりの紹介。65歳で身長188センチ。モルモン教徒、ハーバード大学大学院出身、息子5人、孫は18人もいる。投資会社を設立して大成功、富豪となる。

P55◆スポーツ 混迷のWBC監督人事で山本浩二が急浮上の理由
→加藤コミッショナーの本命は原監督だったが、本人の固辞で、日本テレビが山本氏を強く推しているとの記事。

P55◆芸能 恒例年末ショーも開催なし!?中森明菜“引退危機”
→現在、体調不良を理由に無期限の活動休止とのこと。

P57◆教育 宇宙が始まってから今日までの全歴史書
→「137億年の物語」という本の紹介。すごい本である、みたいな内容なのだが、見ると小社刊の文字。若干、自画自賛の趣。写真のキャプションは「読み応えあり」。512ページ。3140円。

137億年の物語―宇宙が始まってから今日までの全歴史

137億年の物語―宇宙が始まってから今日までの全歴史

P64◆本音を申せば 小林信彦 綾瀬はるかの「平成無責任娘」ほか
→冒頭は工藤夕貴モントリオール世界映画祭で主演作の「カラカラ」が「カナダ映画に対する観客賞」を受賞したことについて。知りませんでした。その後は綾瀬はるかについて語っている。綾瀬のことを筆者は「フシギな人」と語っている。ほかにフシギな人としては植木等がいるそうだ。著書をあまり読んでいないので、フシギな人というニュアンスがわからなかった。最後に「梅ちゃん先生」の堀北真希と「つるかめ助参院」の仲里依紗について。“女優”が好きな人だと改めて思った。

P72◆近田春夫の考えるヒット 点描って、そっちなんだぁ! 吉井和哉の新曲の“しくみ”
点描のしくみ/吉井和哉

→曲についてというより、歌詞カードを見ての筆者の反応が興味深い。歌詞カードには点描ならぬ、“天描作家”大城清太のスピリチュアルな点描画、そして生命のつながりを説いた文章があったとのこと。筆者は、「“点”“ドット”というものにはつながりはない」ということから始めてこう語る。「むしろ人と人とは最終的には交わることなどありえない、宇宙レベルの絶対的孤独の中に生きてるんだ! みたいな方がお題目としては刺激的で面白かったのでは? ま、御時世ゆえロックを標榜する人たちも“連帯感”を通奏低音的に匂わせてないとまずいのかもしれないけど。一人くらい「けっ、何が絆だよ」とか歌う男がいてもいいのでは? とふと思ってしまった」。このくだりは近田先生らしいと感心した。先生が若ければ、きっとそういう歌を歌ってたはず。

夜の踊り子/サカナクション
変拍子かと思えば四つ打ちという、実験的作品だ、とのこと。サカナクションの登場回数は多いので、筆者の関心の高いバンドと思われる。
はみだしは、政治家が雑誌で常にクソミソに叩かれていることについて。むしろ政治家を徹底的に褒めまくるのはどうよ? と独自の褒め殺し?特集が受けるのではと提案している。

以降、後日更新。


P76◆そのノブは心の扉 劇団ひとり コースデビュー
→ゴルフネタの続き。「奇跡はあるのだ」から始まる文だが、このオチは如何なものかとは思う。筆者は父親と仲がいいようだ。

P86◆風まかせ赤マント 椎名誠 超絶の脱出記「我が足を信じて」
自費出版で出ているというヨーゼフ・マルティンバウアー著「我が足を信じて」を全編にわたり紹介。「第二次大戦のおりにソ連軍に捕まったドイツの戦争捕虜が極寒のラーゲリを脱出し、あらゆる困難、危機、絶望を乗り越えて故国ドイツに四年かかって歩いて帰った不屈の男の実話である」とのこと。ピーター・ウィアー監督で映画化された小説「脱出記」よりも面白いと筆者に勧めた人間は語っていたとのこと。

我が足を信じて 極寒のシベリアを脱出、故国に生還した男の物語

我が足を信じて 極寒のシベリアを脱出、故国に生還した男の物語

脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち

脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち

P116◆新・家の履歴書 今田洋輔
→すし店・銀座久兵衛二代目主人とのこと。私は美食家ではないのでさっぱりわからないが、先代は有名な魯山人がいきつけにしていたという名店とのこと。デパートでの「太巻き」販売が年商1億だそうだ。

P128◆Cinema Chart
夢売る二人

→「鍵泥棒〜」に続きまたも珍しく邦画。25点満点で18点。最高は芝山幹郎4点、最低はおすぎ2点。
ロック・オド・エイジス
→ミュージカルの映画化。25点満点で13点。おすぎが1点。ほかすべて3点。まだ見ていないのだが「80年代LA特有のダサさを極端に誇張している。笑うしかない。トム・クルーズはクレイジーな役になると、妙に張り切る」との芝山氏のコメントに妙に納得。でも、そうコメントしながら3点というのも興味深い。

P129◆春日太一の木曜邦画劇場 「狼と豚と人間」不器用で頑固だが、心優しい−我らが「健さん」若き日の苛立ち!
→またも私が知らない映画を紹介してくれている。「男の中の男」を演じ続けた高倉健が、若き日にどんな役を演じていたかをこの映画を通して紹介。ただ、フリの部分で紹介されている“朴訥として不器用。頑固一徹だが心優しい”とする高倉健の一般的イメージはあまりにステレオタイプ過ぎる感もある。「幸せの黄色いハンカチ」の主人公はかっとして人を殺してしまった男だ。これはこのステレオタイプからは逸脱する要素をもつキャラクターである。山田洋次もかつて高倉健のもつ“狂気”について語っていたような気がする。記憶がうろ覚えなので違ったらすみません。高倉健のフシギさについてはもう少し興味深い見解がほしかった。

狼と豚と人間 [DVD]

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P131◆ヨコモレ☆通信 辛酸なめ子 「大うんち展 in ズーラシア
→こんなものを見るためによく遠くまでいったものだとまたも感心した。どうも動物園側は力が入っているようで“「うんころ爺」という腸内細菌が妖怪化したようなゆるキャラを作ったり、イベント内容も「うんころ爺のうんコレクション」「うんちのうんちくパネル展」と駄洒落を織り交ぜたりしています”とのこと。テーブルクロスが茶色だったり、ウンチに照りを出すためにニスを塗ったりと、こだわり方が半端ない展覧会だそうだ。


P135◆今週の必読 評者・小俣一平 村山治「検察 破綻した捜査モデル」信用失墜はなぜ起きたか
→評者は元NHK司法キャップ。著者は朝日新聞記者の「検察取材の第一人者」。その著者が検察組織の構造から、記者クラブヤメ検のあり様まで数々の事例をあげながら、踏んで含めるように解説している本とのこと具体的にわすりやすような本のように思える。

検察―破綻した捜査モデル (新潮新書)

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P137◆ベストセラー解剖 V・E・フランクル「夜と霧 新版」名著が突然ランクインしたのは……
Eテレの「100分で名著」の影響でこの本や、ブッダの「真理のことば」、アラン「幸福論」なども人気となっているとのこと。番組テキストは17冊累計で100万部を突破したそうだ。でも、原典でなく番組テキストがというのが……。

夜と霧 新版

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P138◆著者は語る 有川浩空飛ぶ広報室」 取り扱い商品は「航空自衛隊」!
→デビュー作を書くときに自衛隊に取材したところすごく親切な対応から、彼らのあたたかさに触れ、その日常を描く小説を書いてみたいと思うようになったとのこと。航空自衛隊の広報室を舞台にした群像ストーリーだそう。取材・吉田大助。

空飛ぶ広報室

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P143◆宮崎哲弥の時事砲弾 ステーキ屋さんの「牛さん愛護運動」
今回は「政府の機関が自ら『人権重視』などをアピールしている行為は、ステーキ屋が『牛さん愛護運動実施中』というサインを店内で飾るのと同じだ」との言葉から始まっている。この一節はコリン・P・ジョーンズ「手ごわい頭脳」からとのこと。野田内閣が閣議決定しようとした人権救済機関設置法案への原理的批判はこの言葉でことたりるそうである。要は国家というものはそもそも民衆に対する抑圧機関であり、そういったことが認識されていない日本の状況について嘆いているということなのだろうか。
ここで語っている人権救済機関人権委員会」については、恥ずかしながら何も知らなかったのでなんともいえない。
人権を救済する機関が、刑務所、拘置所、入国管理局など人権を抑制する組織を抱える法務省の外局にあることが気に入らないということ? ただ、ちょっと違うようでもある。
↓こういうことなのだろうか。宮崎氏のこのコラム言葉足らずな気もする。池上先生のように余計なことは省いてわかりやすく書いてほしい。
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/column/fumon/CK2012092502000187.html

手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書)

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P144◆阿川佐和子のこの人に会いたい 李登輝 日本人にはいいところがたくさんあるんです。日本人は何一つ自信を失うことなんかない。
親日家で知られる台湾元総統・李登輝に会うために台湾を訪問して対談。文春としてはこの時期だけにぜひ「尖閣は日本の領土です」と彼に言わせたかったのだろう。確かにそのことを言ってくれている。ただ、日本統治下の台湾で生まれ、京都大学を卒業、22歳まで日本人だった李氏の言葉は小ずるいところがない。自分の立ち居地をきちんと示して謙虚でいながら明確に言葉を語る。読み応えはあった。李氏は戦前、台湾の民政長官として活躍した後藤新平を先生だと思っているとのこと。ただ、心臓病の治療の際、日本を訪れた際、当時の田中真紀子に今度はビザを出さないなど言われ正直、不快な思いをしたということは語っている。もしかすると日中国交正常化を進めた田中角栄とは色々あったのかもしれない。

P152◆徹底検証 サブカル男はなぜウツになるのか?−吉田豪みうらじゅん枡野浩一唐沢俊一
→「サブカル男はウツになる」なんてことは全く知らなかったが、どうやら吉田剛の「サブカル・スーパースター鬱伝」が出版されていることから浮かんだ企画のようだ。どうでもいい企画だが見出しにある「徹底検証」が笑わせる。誰もそんなことを徹底検証してほしいとは思っていない!

サブカル・スーパースター鬱伝

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P155◆GACKT「震災義援金」横領の重大疑惑−独占スクープ第2弾
→先週に続くGACKTの“疑惑”を追う第2弾。今回は集めた震災義援金の一部を着服したのではという疑惑がメイン。ただ、具体的ネタはなく“疑惑”どまりとなっている。書名原稿ではないため、“悪意”のある表現も目につく。「これだけケチで金儲けが好きなGACKT」「儲け話に首を突っ込んで逆に借金を抱え、愛人に子供が出来ると海外に放逐した」「ある種バカなんですよ。体にいいと思ったら何十年も続けるんだから」。記事としてはイマイチだった。

P158◆尖閣「地権者」栗原家の正体−血税20億円をせしめる 元妻・娘が覚悟の告発!
→何度も文春は栗原家について記事を作ってきたが、ここでほぼ内情はわかってきた感がある。かなり変わった家のようだ。ただ、この記事を読むと栗原家が尖閣諸島を購入したことについては「石油などの海底資源がある」との噂を聞いたことが理由であり、買う際には何の信念、信条もないということになってしまうが本当にそうなのだろうか? マスコミには三男しか出ない。当主である長男の意向が読めないため、そのあたりは今だによくわからない。

P162◆小雪第2子スピード妊娠で松ケンは徳用オムツ買い出し
→赤ちゃんを連れ、夫婦でドラッグストアで買いもの。ポイント券を2枚出して「1枚にまとめられますか」と松ケンは店にたのんだが、断られ、「多いほうにポイントをつけておきます」と言われていた(居合わせた客)とのこと。居合わせた客をどうやって文春は捕まえたのだろう?

P168◆野田電撃訪朝?料理人藤本が北に持参した「親書」の中身
→結局、藤本氏は2回目の訪問はできたのだろうか……


P176◆CATCH UP 前身はまさかのラブホ!? “ご遺体安置ホテル”ってなんでっか?
→大阪・中津のデザイナーズホテルの内装に手を入れて、遺体安置ホテルに。24時間31500円とのこと。