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三浦しをんの小説「ロマンス小説の七日間」

ウィキペディアによると、三浦しをんの5冊目になる小説単行本。
実は、1ヶ月以上前に読んでいた。
だが、時間と頭の余裕がなくメモを残すことができなかった。

内容については、もはや記憶も薄れ細かい記述はできない。

読んだ大まかな感想を残しておく。

どうも中途半端な仕上がりという印象だった。
翻訳業をしている主人公の女性の日常と彼女が翻訳している中世騎士もののロマンス小説の世界が交互に描かれるという構成。
ロマンス小説の世界は主人公の女性の意思により原文の内容から逸脱、オリジナルなものになっていくというのがミソ。その変化と彼女の日常を交差させながら“何か”を浮かび上がらせようという趣向だったように記憶している。


私は三浦しをんの作品を基本的に時系列で読んできたのだが、今回、初めて作家の迷い、混乱を感じた。
非常に楽に読める小説ではある。
そして、
“書ける”作家なので中世ロマンス小説の雛形をもってきて物語をつづることなどは彼女にとっては、正直比較的楽にできる作業のように思える。

でも、なんか物足りなかった。
実はそのことを書こうと思っていたのだが、メモをせずにいたのでそのことについてはもう忘れてしまった。

とりあえず、メモとして残しておく。

高校野球部という設定の男がこの小説にでてくるが、この後に読んだ中編「ペーパークラフト」(「きみはポラリス」に収録)にも、別人だが元高校球児という男が登場する。ちょっと興味深い。