和久井健の漫画「セキセイインコ」1〜3巻
たまたまツタヤで見かけ、絵にちょっと惹かれるものがあり、読んでみた。
著者は「新宿スワン」を描いていた人だが、私はちゃんとこの漫画は読んだことがないので語ることはできない。
ただ、随分と描く世界が違うものだと思った。
ストーリーの説明は省く。
この漫画、恐ろしいほど強引な展開で進む。
そして場面転換が非常に唐突だ。
ただ、意識の飛び方、別の時間軸に飛ぶ話法、そのつなげ方がいい。
シーンとシーンのつなぎにはちょっと魅力がある。
作者が勢いで好きなことを妄想のおもむくままに描き連ねているようにも思えてしまう。
場面転換がとりとめもなく夢のようで、さらに物語の展開も唐突で驚きがある。
なんで満州なんだという感じだ。
たまたま同時期に読んだ村上もとかの「フイチン再見!」でも満州が登場するのだが、時代考証、取材を入念に行ったと思われる「フイチン再見!」とこの作品の満州はまるで別世界だ。
担当編集もいるのだろうからそれなりに時代考証はしてるのだろうが、ここで展開するのはあくまでも妄想の中の“満州”。
著者の中で何かが“湧き上がっている”作品だ。
荒唐無稽な漫画の面白みがある。
個人的には好みの漫画だ。
作者の力量がわからないので、これをどこまで続けられるか、どのように展開していくのかが非常に興味深い。