見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

ポン・ジュノ監督、ソン・ガンホ主演の映画「グエムル-漢江の怪物-」

韓国映画はあまり見ていなかったので現在、まとめて見ようと思っているところだ。
個人的には「ポエトリー アグネスの詩」が一番見たいのだが、近くのツタヤには置いていないので、後回しとなりそうだ。

グエムル-漢江の怪物-」は2006年の作品。
そのうちに見ようと思っていたのだが、やっと初めて見た。

非常に評価の高い作品だったので、期待していた。
そのせいもあったのか、期待外れとまではいかないが、「こんなものか」という印象だった。

・怪獣もの
・家族(庶民)もの
・韓国に対して支配力を持つ米国へのあてこすり

おおざっぱに言えば、そんな要素を絡めた作品といったところだろうか。昨日見たのだが、もう記憶が薄れてきているので、ほかの要素もあったのかもしれないが、思い出せない。

もっと骨太の力強い映像演出、ドラマツルギーがあるかと思っていたので、意外に“軽い”といった印象だった。
個人的には韓国の「家族(庶民)もの」の要素に惹かれるものがあった。

そんなにピンと来るものがなかったので、このくらいにしておく。

ジェイソン・ライトマン監督、エレン・ペイジ主演の映画「JUNO/ジュノ」

この映画もそのうち見ようと思っていたのだが、結局見ていなかった映画。

見てよかった。
昨年見た同じライトマン監督の「ヤング≒アダルト」にも通じるところのある作品だった。
大人と子供の狭間の世界を描く的な内容において。脚本も同じディアブロ・コーディである。
ただ個人的には「ヤング≒アダルト」よりよかった。
↓「ヤング≒アダルト」の感想
http://d.hatena.ne.jp/allenda48/20120229/1330498940

同監督の「マイレージ、マイライフ」も見よう、と思った。

主演のエレン・ペイジがとてもいい。
映画を見始めたところは、大人と子供の狭間にいるバランスの悪い感じの何ということのない少女に思えたのだが、話が進むにつれ、とても魅力的に見えてきた。
私が物語に感情移入してきたからなのかもしれない。

ヤング≒アダルト」と同様、この作品も音楽へのこだわりが妙だ。
主人公のジュノはパンク・ロック好きなのだが、モット・ザ・フープルの「All the Young Dudes」(すべての若き野郎ども)がお気に入りの曲という設定。今どきデヴィッド・ボウイ作曲のこの曲がお気に入りというのもなんか妙である。

すべての若き野郎ども

すべての若き野郎ども

ジュノの家族がなかなかいい感じで、そのあたりにも惹かれた。
おやじさんも継母も庶民だが、とても魅力的だ。
同じ庶民でも、私は「グエムル-漢江の怪物」よりこっちの方がいいですね。

佳作としてとても、いい映画だと思った。