見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

狩撫麻礼・作/嶺岸信明・画「オールドボーイ ルーズ戦記」4〜8

中盤から物語を推進させるモチベーションが薄れてきた。
作者が意図したのかはわからないが、
劇中で語られる“不毛なゲーム”を読んでいる印象が強くなる。
帰りの電車ですべて読んだら、更新する。
読み終えて→うーん、腰砕けという感じだった。
考えてみたら狩撫麻礼原作漫画は
けっこう結末覚えていないものが多い。
今回の作品、初めのつかみはよかったのだが。
あと、絵を担当してる人は、表情の作り方がいまいち。
よく登場人物が困った顔をしているのだが、どう困っているのかが絵からわからない。
しかも登場人物が困った顔をするとき、顔から汗をかき過ぎだ。
原作を絵にするときの力不足感を正直感じてしまった。
映画になったことで作品は残っているが、狩撫麻礼原作の漫画としては
平均以下となるかもしれない。
原作者も書いていてあまりのらなかったのかも。

ただ、昨日書いたように、物語の見せ場、魅力の付け方は小池一夫流と改めて再認識した。
昔読んでいたときはまったく気付かなかった。
とはいえ、師匠のようなエログロはないが。

ストーリーとは関係ないが、
“少年時代の記憶をめぐる謎”ということから「20世紀少年」を思い出した。
ずいぶん違うトーンになるものだ。
浦沢直樹の少年時代はノスタルジックなもので
狩撫麻礼の過ごした少年時代はトラウマ
ということなのだろうか。
多数派と(自意識過剰の)少数派。
わかりやすすぎるが、意外に当たっているような気がする。