見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

石塚真一「岳」 1、2巻

私の場合、山の漫画で印象に残ったものというと
村上もとか「岳人(クライマー)列伝」、塀内夏子の「おれたちの頂」に始まる山岳漫画があるが、
これらの漫画にある、登場人物の極限状況での激しい感情のうねりと比べると
淡々と物語が進む内容である。
ただ、そのあたりが逆にいい感じである。

極限状況にありながら、淡々とかつ着実に行動する主人公の中にある力強い生への肯定感。
そして山への深い愛。
それがこの作品の魅力なのかもしれない。
山に素人の女性の存在を絡ませることで、それをうまくそれを演出している。

全体としての物語の展開がどうなるのかはまだ見えない。
もう少し読み進めてからまた感想を書くことにする。
でもエピソードごとに物語が完結して、全体のストーリーは進まないパターンにもなりそう。
小学館ビッグコミックス系統の良作という感じですね。