見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

週刊文春1229

P13◆北朝鮮最高指導者 金正日総書記死去 虚像と実像の69年
→様々な時代の写真にキャプションをつけた記事。日本で初めて金正日を撮ったと称するカメラマン“不肖・宮嶋”という人の好き勝手なコメント付。

P21◆イニエスタ選手おめでとう、そしてありがとう!
→サッカー・クラブワールドカップで来日したバルセロナイニエスタが、地下鉄銀座線に乗っている写真をツイッターでアップした。その際にイニエスタの頭上に文藝春秋の中刷り広告が写りこんでいた。そのことを祝しての記事。“祝「文藝春秋」世界デビュー”の小見出しも。でも世界的にはこの文字を読める人は多くないと思う。

P22◆東日本大震災「隠されたスキャンダル」全13本
P30◆妹を亡くした生島ヒロシ「ナマ放送だけが支えでした」

宮城県気仙沼出身の生島は震災で妹を亡くした。震災時にラジオ生放送していとことなどの逸話。

P32◆気仙沼ちゃん 常連客と元気に民宿再建!
→「欽ちゃんのドンとやってみよう!」(フジ系)で、気仙沼ちゃんとして人気のあった白幡美千子さん(57)を取材。気仙沼湾に浮かぶ東北最大の島、大島で民宿を営んでいるとのこと。震災時のコメントなどがあり。彼女の現在の写真もあり。

P34◆橋下徹大阪市長 小沢一郎をコキ下ろした!−虎の威を借る政治家だ! 新聞・TVが報じない政界再編の「暗闘
→今回は特に悪口はない。ただ読むべき記述もない。子供の悪口並の記事も多かったが、たまにはなるほどという記述も以前はあったのでもう少し突っ込んでほしい。
以前の記事で、橋本について“権力に対する強烈なルサンチマンがある人”とのコメントを読んだときにはなるほど思いました。以前も書いたが、それが小泉との大きな違いだ。

P38◆忘れられない「一発屋芸人」あの人はいま−2000人大アンケート&直撃インタビュー
→2000人なのでそれなりのデータである。しかし、この10年くらいで一発芸人の数が増えたような気がする。
1位 波田陽区
2位 ダンディ坂野
3位 ヒロシ
4位 レイザーラモンHG
5位 小島よしお
なぜか19位パイレーツ。23位には江頭2:50が。

P46◆池上彰のそこからですか!? 米軍、なぜオーストラリアに?
→近年、“中国が海洋大国として勢力範囲を拡大しようとする野心が露骨に見える”と語り、それを牽制、包囲しようとするアメリカの意図があるとしている。中国の弾道ミサイルの技術の向上で沖縄がもはやミサイルの射程距離にあることで、戦力を後方に配置したとの解説。

P48◆社会 東電料金滞納!?カルメン・マキ原発への思い
→別に不買運動ではないようだ。なぜ、わざわざ記事にしたのかちょっと?である。彼女の父はユダヤ系米国人で母が日本人とのこと。

P54◆今週のBEST10 おすすめの宅配ピザ
→ピッツァ サルヴァトーレが1、2位。

P58◆小林信彦 本音を申せば 〈復旧〉でなく〈復興〉を
→3.11語の政府の対応についての苦言。その後、関東大震災後の後藤新平の帝都復興計画について。

P67◆近田春夫の考えるヒット
ザ・ピロウズ「エネルギア」
flumpool「Present」

→特に興味深い記述はない。強いてあげれば“ところでオルタナってどんな音なのか実は私もよく分かっていない。ただはっきりしてるのは格好だ。オルタナと呼ばれるバンドで水っぽい衣装を好む人は多分一人もいないはずだ”。
水っぽい衣装のオルタナバンドがいたら面白いかもしれない。

P68◆そのノブは心の扉 劇団ひとり サンタクロースにお手紙を
→サンタクロースをお題にした小話。今回は何かに挑戦はしていない。

P94◆新 家の履歴書 高橋元太郎
→誰かと思ったら「水戸黄門」で31年間“うっかり八兵衛”を演じていた人だった。スリーファンキーズというアイドル・グループの一員だったとのこと。
水戸黄門”はキャスト変更が極秘で、次に誰がなるかはギリギリまで知らされなかったという。風車の弥七中谷一郎が死去した際も、マスコミにすっぱぬかれては困るとお見舞いにもいけなかったと語る。八兵衛を引退するときも最後の収録でスタッフ、キャストにあいさつすることもできなかったそうだ。

P106◆人生モグラたたき 池田暁子
→作者が神戸大学出身と初めて知った。ウィキを見たら、筑波の芸術のほうにいってセツ・モードセミナーを出ているんですね。やはり、それほど若くなかった。予想していたくらいの年齢だった。

P110◆Cinema Chart
サラの瞳、ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル
「ミッション〜」の評価が高い。各人5点満点で
品田雄吉4、中野翠3、芝山幹朗5点、斎藤綾子5点、おすぎ5点。
もしかしたら2011年の最高得点かも。

P112◆辛酸なめ子 ヨコモレ通信 ナゾラボin横浜港「真夜中の閃光」
芝居込みの設定で横浜港周辺を探索して謎を解くという趣向のゲームとのこと。朝10時から2時間かけて行ったという。辛酸なめ子が謎解きで横浜港周辺を走り回るという絵を想像したら、妙に愉快な気分になった。

P113◆宮崎哲弥 反原発映画の嚆矢 「原子力戦争 Lost Love」
田原総一郎の原作は評価しているが、内容が大きく違う映画についてはあまり評価していない。
あまりキレのいい映画ではなかったと私も思う。構成的にはグズグズだったような記憶。
岩波映画時代に社員として東京電力のPR映画をつくった黒木和雄が、その後、フリーとしてこの映画を監督したということに私は、黒木という人間の心意気を感じている。

P115◆この人のスケジュール帳 石橋英子
ミュージシャン。文春の読者にはほとんど知られていないと思うのだが、なぜここに。

P121◆ブルボン小林 マンガホニャララ 「ママはテンパリスト」完結の理由に納得!
→興味深かった記述。“少し前まで、人気のある漫画は、人気が理由で「終わらな」かった”が“最近は程よく「終わる」人気漫画も多い”とのことだ。

P126◆阿川佐和子のこの人に会いたい 斎藤喜美子、斎藤由香
→故・北杜夫の妻と娘との鼎談。北の躁鬱病については、話半分的なニュアンスで読んでいたが、この鼎談を読み、本当に病気だったのだと改めて感じた。
北の死因は実際ははっきりせず、ほとんど急死に近い感じだったようだ。

P136◆今井舞が選ぶ2011年「テレビお騒がせベスト11」
→このあたりのわかりやすい毒舌というのが受けているのだろうか。あいかわらず、切り口は凡庸で単に悪口で終わっている。もう少しセンスのいいライターはいないのだろうか。


この号はあまり興味深い記事がなかった。年末年始号の前というのもあるのかもしれない。