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映像、書物、音楽などについての感想

マーク・ウェブ監督、アンドリュー・ガーフィールド主演「アメイジング・スパイダーマン」

ショーン・ペン主演の「きっと ここが帰る場所」が見たいのだが、なかなか時間が合わず見れない。

よく行くシネコンが1000円デイだったので代わりに「アメイジングスパイダーマン」を見た。
あまり細かいことを突っ込んでもしょうがない映画なので、アレっと思う箇所も若干あったが、コミックを読むように気にせずに鑑賞した。
期待していなかった分、非常に楽しく見れた。

以下、簡単な感想メモ。

◆小さなストーリーをうまくつないで全体のストーリーを構成、伏線もあり、山場もあり、葛藤、主人公の成長もありと、“ヒーロー誕生物語”としてそつのない脚本。
◆見せ場も配分よく、ラストの止めも3Dらしく終えている。まさに“ヒーロー誕生”だ。
◆そして、主演のアンドリュー・ガーフィールドは見る者の共感を得る好演を見せる。

しいていえば136分もの長さにする必要はあったのか、というのはあったが、この構成では120分に縮めたら多分、ドラマの流れ、バランスは崩れてしまったような気もする。

娯楽作品としては、シネフィルのひねくれ者からほとんど映画を見ない人でも楽しめる良作と思った。
個人的には、無意味に人が死ぬシーンがなかったというのも良かった。

ただ、1日たったら、見たときの印象はもう薄れてきている。
健全な娯楽作、という感じだ。

そういう意味ではクリストファー・ノーランの“バットマン”のように、見た後にも“何か”が残る作品ではない。その何かが悪い方向にいくと今回のような銃乱射事件になってしまうのだろうが。

個人的にはサム・ライミ版より好みだったかもしれない。

サム・ライミの場合、どこかチープなB級感覚が作品にあるような気がする。ライミ監督の「ダークマン」とか見てて笑っちゃったからね。
この37歳のマーク・ウェブ、長編監督2作目でありながらこのバランスのよさと作品の風格。どうしてこうも違うのだろうと思ってしまった。ただ、ライミのような妙な笑いを誘うセンスはなさそう。

得意な分野ではないのでこの辺にしておく。