やなせたかしの愛と勇気の絵本「そっくりのくりのき」「ロボくんとことり」「セントバーナードとたびびと」
- 作者: やなせたかし
- 出版社/メーカー: フレーベル館
- 発売日: 1999/05
- メディア: 大型本
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- 作者: やなせたかし
- 出版社/メーカー: フレーベル館
- 発売日: 1999/10
- メディア: 大型本
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セントバーナードとたびびと―アニーとコラ (やなせたかしの愛と勇気の絵本)
- 作者: やなせたかし
- 出版社/メーカー: フレーベル館
- 発売日: 1999/12
- メディア: 大型本
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やなせ先生は、この絵本3冊について“近年のぼくの「愛の三部作」といってもいいかもしれません”と書いている。
登場人物、舞台設定は違い、共通点もないように思えるかもしれませんが“愛”というテーマでは同じなのだと。
ただ、こうも書いている。
「ぼくは声高に叫ぶことがきらいです。絵本もできるだけ、たんたんとつくります。ただ、わかりやすくて面白いものをつくりたくて、工夫をします」
この3作は、その言葉にふさわしい佳作に仕上がっている。
「そっくりくりのき」
ひとつの生命が終わっても、その生命は、次の世代へ受け継がれて、永遠にいきていくことがテーマ。
やなせ先生はそんな風に書いている。
この話、ちょっと陸前高田の「奇跡の一本松」の逸話を連想させる話でもある。もちろん、この本は震災のずっと前に出版されているものではあるが。
先生が、「奇跡の一本松」に心動かされ、歌まで作ったのもなるほどと思った。
「ロボくんとことり」
これは“愛”の話。
ラストに、ことりがロボくんに語る言葉、それに反応するロボくんのくだりは、やなせ先生ならではの話のうまさだと思う。
「セントバーナードとたびびと」
セントバーナード犬の親子の物語。これは“愛と勇気”の話ということになるのだろうか。母親のセントバーナード犬が遭難者を救うため、がけから谷底に飛び降りるシーンが見せ場。
私はやなせ先生は元々ストーリーテリングの達人と思っていたのだが、著作を読み、元々達人ではあることは間違いないが、推敲を重ねてストーリーに磨きをかけている人だということを知った。
シンプルな話なので、時間があったら簡単にプロット分けをして分析してみたいと思う。
この3作、作品ごとに線画のタッチ、配色も変えて見た目についても工夫をこらしている。
80歳のときにこれを描いているのだから、すごいものだ。
4巻は出ていないようなので、本当に3部作となっているみたいだ。
子供に買ってあげるのにはいい絵本だと思う。