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クリストファー・ボグラー・デイヴィッド・マッケナの物語創作指南書「物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術」

物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術

物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術

神話の法則―ライターズ・ジャーニー (夢を語る技術シリーズ 5)

神話の法則―ライターズ・ジャーニー (夢を語る技術シリーズ 5)

  • 作者: Christopher Voglar,クリストファーボグラー,岡田勲,講元美香
  • 出版社/メーカー: ストーリーアーツ&サイエンス研究所
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 単行本
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「神話の法則 ライターズ・ジャーニー」の著者クリストファー・ボグラーとその盟友デイヴィッド・マッケナによる映画脚本指南書。解説は現代日本における物語創作論の第一人者(と言っていいと私は思う)の大塚英志
実は10月に通読してメモを残そうとしたのだが、時間と気持が乗らず書く事ができなかった。
この本はいずれ再読すると思うが、その前に軽くここにメモを残しておくことにする。

帯にはこのような言葉がある

ジョーゼフ・キャンベルの神話理論を応用した、物語創作者必読書。映画・小説鑑賞にも開眼できる!
ディズニー「美女と野獣」「ライオン・キング」や「ベオウルフ」「レスラー」他多数の脚本開発に携わった一流クリエイターが伝授!
映画「アイアンマン」や「8マイル」等の一流脚本家が絶賛!


目次は以下の通り。

本書への推薦コメント
はじめに
ツールキット
ストーリー部門での日々
あいつら何者だ
1 テーマを持つ
2 “求めるもの”リスト
3 重要な取引は何か?
4 顧客との契約
5 両極の対立
不可欠なツール/『パルプ・フィクション』2人のキャラクター、2つの極/『マディソン郡の橋』ひとりのキャラクター、2つの極
6 すべては覚書(メモ)から始まった
『千の顔をもつ英雄』実践ガイド
ジョーゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』実践ガイド
はじめに/〈英雄(ヒーローズ)の旅路(ジャーニー)〉の概略/〈ヒーローズ・ジャーニー〉のステージ
7 英雄の内面的な旅路
プロット主導かキャラクター主導か?
8 相互アクション
すべてはゲームである
9 キャラクターの機能−〈原型(アーキタイプ)〉とそれ以外の類型
〈原型(あきーたいぷ)〉/プロップのキャラクター
10 キャラクターの代数方程式(及び不自然な仕事について)
(1)求めるもの/(2)動き/(3)障害/(4)選択/方程式と不自然な仕事
11 キャラクターとテオプラストス
そもそもテオプラストスとは何か?/『キャラクターたち』の計画/テオプラストスのキャラクター造形/『キャラクターたち』の活用法/考えられるキャラクターのメニュー/混合と組み合わせ/2つならよし3つならなおよし/もっと多ければもっとおもしろい/自分のリストを作ってみよう/キャラクター素描にトライしてみよう/さらに進んだ実験/脇役/『キャラクターたち』の肯定的な修正/ちょっと待った―これはステレオタイプと違うのか?/シネコンで起こった奇妙な出来事/奇跡的発見/ローマ人によるリメーク
12 シノプシスとログ・ライン
13 ウラジミール・プロップのおとぎ話アプローチ
プロップの“機能”/プロップの“機能”、及び(ヒーローズ・ジャーニー)との比較/結論
14 プロップのキャラクター
15 環境的事実−概論
環境的事実/発見したこと/双方向の動き/新たな視点/次の挑戦者へ
16 環境的事実(1)−日付
17 環境的事実(2)−場所
18 環境的事実(3)−社会的環境
社会集団をひとつにまとめているものは何か?/それとなく示される社会的手がかり/事例
19 環境的事実(4)−宗教的環境
20 環境的事実(5)−政治的環境
21 環境的事実(6)−経済的環境
安易な解答に頼ってはならない/金に従え/別の道は常にある/ほかの通貨形式
22 環境的事実(7)−結論
陸に上がった魚/旅路の円弧/確信に近づくための推理/ターニング・ポイントはどこか?
23 ボードビルから学んだこと
支配人の役割/ショー・マスト・ゴー・オン/コントラストの原理/ディズニーとコントラスト/目玉商品の配置/プログラムの肉づけ/実践に移す
24 ショーマンシップ
A・R・K・O・F・Fの方程式/売りたいのはベーコンじゃない
25 プロの脚本家になりたい人ための五ヵ年計画
26 映画会社は脚本に何を求めているか
キャラクター/構造/会話/コンセプト/予算/基本ライン
27 ではさらば−私の捨て台詞
解説 大塚英志

内容は非常におおざっぱに言えば「神話の法則 ライターズ・ジャーニー」を補足、さらに物語創作において新たなツールを提示したものといっていいだろう。できれば「神話の法則〜」を読んでからこの本を手にとったほうがいいが、別にそうしなくても大きな問題はないと思う。“所詮”ツールを身に付けるための本なのだから。
むしろ、手っ取り早くボグラーの物語創作のツールがどのようなものか知りたい人には、よいサンプルがこの本には収録されている。
第6章の「すべては覚書(メモ)から始まった『千の顔をもつ英雄』実践ガイド」である。
これを読めば、「ヒーローズ・ジャーニー」というものがどのようなものか、すぐに理解することができるはずだ。そして、それなりにインスパイアされることはあると思う。

細かい内容については、また再読したときに書きたいと思う。というか書こうとしても、すでに忘れかけているのが実情である。

ここで触れておきたいのは大塚英志による「解説」だ。
11ページにわたるこの解説は読み応えがあった。
日本において、物語創作を独自に研究してきた彼の、物語創作をめぐる彼の個人的感慨が非常に興味深いものだった。大塚英志の物語創作論の本を読んできた人なら一読することを勧めます。

この本には注目すべきポイントがあったので徐々に更新していきたい。