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映像、書物、音楽などについての感想

文春0517

文春

P◆朝日新聞主筆 若宮啓文氏 女・カネ・中国の醜聞−告発スクープ! 本誌直撃に「不徳の致すところ」だって 石原都知事の「尖閣購入」を痛烈批判した若宮氏。この日本を代表するオピニオンリーダーは、中国政府主催の自著の出版記念パーティーのため美人秘書同伴で訪中。しかも会社のカネを不正につかったというのだから、開いた口がふさがらない!
→開いた口がふさがらないくらいのしょうもない記事。どう考えても巻頭記事になるようなネタではないのだが、色々と社内政治的な事情でもあるのだろうかとか思ってしまう。文春記者はいきりたって若宮朱筆に取材しているが、当の若宮は笑いながら答えているという、不祥事ともいえないレベルの“事件”だった。この記事に対して次号の巻末ページの「読者より」で「朝日新聞の腐敗ぶりにあきれた」などという投稿が載っていたらケッサクである。

P30◆野田首相よ、今こそ小沢を「大往生」させよ!
→文中の見出しには「小沢一郎は政界の塩谷瞬」!。どうでもいい記事だが、この時点では文春ですら控訴はないと思っていたことがわかるという点において興味深い。

P32◆高速バス針生社長「白バス王」のまっ黒な過去
関越自動車道で高速バス事故についての記事。事故を起こした運転手が中国残留孤児二世で、事故を起こしたバス運行会社「陸援隊」のバス19台のうち4台がその運転手所有のものだったそうだ。その運転手は個人としてそのバスを使って中国人向けの営業をしていたとのこと。

P35◆「避妊なし」「噛みつきSEX」は痛かった−青アザ被害者が怒りの告白塩谷瞬
→突如話題の人物となった塩谷瞬に関する記事。半年後にはもう忘れられている事件と思われる。

P38◆あなたは橋下徹総理を支持しますか?−総力特集14ページ 本誌読者緊急アンケートでは支持率63パーセント
→これは非常に興味深い記事。文春による昨年の執拗な橋下バッシングにかかわらず、文春メールマガジンアンケートでは橋下支持が63%、支持しないが37%だったという。それを踏まえて今回はさまざまな分野から、支持派、アンチ派の著名人アンケートを掲載している。答えているのは、小林よしのり竹中平蔵香山リカ堺屋太一西村賢太宇野常寛、小河勝、池田信夫佐藤優阿川尚之田原総一朗、保坂正康、細野真宏。
個人的には橋下の身内とはいえ堺屋太一の見解が一番しっくりきた。“官僚の話を正確に見抜ける人だが、さほど権力と政治力がない。まず大阪都を実現して、実績を示して、国政はその次、好機があれば”という意見。ほか、興味深かった指摘としては、
佐藤優の“橋下氏は直感的に「外交、安全保障問題を軽々に扱うと命取りとなる」ということに気付いている”
田原総一郎の“橋下氏のエネルギー源はハングリー精神、だがそれは上昇志向とは少し違う”
保坂正康の“橋下が首相になることはあり得ないが将来の日本に渦をつくり出すだろう。そして橋下の下に集まった維新政治塾の塾生は自らの権力欲や功名心を安直に満たそうとするタイプであろうから、その発言や行動は麗句で飾られ、何かを生み出すとの意欲や克己心には欠けるとみて誤りはないだろう”
このあたりが興味深かった。
結果としてかなりバラけた見解がそれぞれコンパクトに書かれていたので、客観的に橋下現象が俯瞰できる記事となっていた。
しかし、去年あれだけこき下ろした記事を掲載していながら、これだけ支持される橋下大阪市長というのは非常に興味深い存在ではないだろうか。私は小泉進次郎よりもよっぽど面白いと思う。

P54◆池上彰のそこからですか!? 再来が恐れられる文化大革命とは
→失脚した薄熙来のことを文化大革命のことと絡めて解説した記事。薄の失脚については知識がないので、どうも理解できなかったのだが、この記事を読んで、失脚の背景にあった事情の一端が少しわかった。ここでははっきりとは書いていないが、薄が毛沢東時代の革命歌を歌うキャンペーンを展開、文化大革命再来を望むような行動をとったことで、温家宝から警戒され、今回の失脚につながるところ部分もあったと取れる文章になっている。21世紀に“文化大革命再来”というのもすごいが、考えてみたら中国はまだ共産党独裁の国家なのだ。保守派はそういうキャンペーンを張ることもあるのかもしれない。さすがに“文革再来”はないとは思うが。

P54◆本音を申せば 小林信彦 気持のいい白黒映画「アーティスト」
→誰が見ても面白いと思えるのになぜかあまり客の入りがよくない映画「アーティスト」について。「とにかく、後味が良く、観たあとすっきりする映画がまずないので、あとで女性と食事をしながらお話をするのに、ぴったりです」との言葉。私も同感です。

P73◆いまなんつった? 工藤官九郎 「だからさあ!」
小林信彦と同様に「アーティスト」について。「この映画は極限まで引き算をした結果残ったもの、音楽や言葉(字幕)の意味を問う作品なんですね」と書いている。

P76◆そのノブは心の扉 劇団ひとり 蚊の鳴くようなスナイパー
→喉を潰したことをネタにしてのお話。

P77◆近田春夫の考えるヒット タイトルに惹かれる℃-uteの新曲 つんく♂ジョブズになれるのか!?
君は自転車 私は電車で帰宅/℃-ute

→すごい見出しだ。この曲については、タイトルに惹かれたが、無難な内容に失望というニュアンスの文章。この状況なのだから、もっとわけのわからないことをしてほしいとの言葉。
祈り〜涙の軌道/End of the day/piece/Mr.Children
→桜井の声質と歌唱法について。はみだしは水泳と体脂肪のこと。

P102◆新家の履歴書 水前寺清子
→まったく興味がなかったのだが、読んでみると面白い。高校は現在進学校である洗足だったのですね。

P117◆今週の必読 評者・坂上遼 高田昌幸「真実 新聞が警察に跪いた日」新聞はなぜ権力に屈したか
北海道新聞でスクープ記事をものした記者が、道警の圧力による社内政治と同僚の嫉妬からひどい目にあったそうだ。それをまとめた本らしい。時間があれば読んでみたいのだが。

真実―新聞が警察に跪いた日

真実―新聞が警察に跪いた日

P118◆今週の必読 評者・太田あや ジュディ・ダットン「理系の子 高校生科学オリンピックの青春」
→アメリカで開催のインテル国際科学フェア(ISEF)2009というものにに参加した6人の少年少女の生い立ちを描いたもの。ISEFとは世界50カ国以上から1500人以上の高校生が集まり研究成果を競う“科学のオリンピック”なのだそうだ。
ウィキペディアの解説
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AB%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%AD%A6%E7%94%9F%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A2

用意された賞金と奨学金は3億円以上で、5人に1人が特許を出願、企業がスポンサーにつくこともあるというものらしい。貧困、虐待、病気、差別といったものに苦しめられながらも、高い知能とひたむきな努力により、このフェアで栄光をつかんだ少年少女もいるという。この書評だけでは実情がよくわからない。この本は読んでみることにする。

理系の子―高校生科学オリンピックの青春

理系の子―高校生科学オリンピックの青春

P122◆私の読書日記 山崎努 フィリピン、頻尿
→友人の営む新宿の居酒屋の従業員の多くが海外からの留学生が多いといことから始めて、水谷竹秀「日本を捨てた男たち フィリピンに生きる『困窮邦人』」を紹介。

日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」

日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」

フィリピンクラブで親しくなった女性を追いかけてフィリピンに渡った男たちのその後を追ったドキュメントとのこと。行ったはいいがその後“困窮邦人”となってしまう男たちが多いという。だが彼らが受け入れられている南の国ならではの大らかな状況が面白そうだ。自身がかつて出演したフィリピンロケの映画「天国から来た男たち」(三池崇史監督)でのフィリピンでの生活のことも語っている。ほか赤瀬川原平「健康半分」を紹介。
健康半分 (からころbooks)

健康半分 (からころbooks)

P126◆Cinema Chart
幸せの教室

25点満点で12点。トム・ハンクス監督・主演、ジュリア・ロバーツ共演。かなりの低得点。実はこういう話は嫌いではないので、見ようと思っていたのだが、これを見てその気持がなえてしまった。最低点はおすぎの1点。かなりの酷評。
ロボット
25点満点で18点。インド映画史上最高の製作費をかけたSFアクション・スペクタクルとのこと。もちろん、歌と踊りはあり。

P128◆ヨコモレ☆通信 辛酸なめ子 「Daiichi Sankyoくすりミュージアム
日本橋本町にあるそうだ。理系ピープルが輝く“知的空間”という趣旨の記事。

P130◆阿川佐和子のこの人にあいたい 五木寛之
→有名な話かもしれないが、五木寛之石原慎太郎と生年月日がまったく同じということを語っている。日刊ゲンダイで37年続いている連載はストックなしで続けてきたそうだ。阿川の「聞く力」のヒットを受けて、「選ぶ力」というタイトルの本を書いてはと彼女に勧め、その内容を語っている。

P135◆宮崎哲弥の時々砲弾 「絹布の法被」から幾年月
憲法記念日の話題から、憲法の特性について。まずは「憲法の眼目は政府や地方自治体など統治権力の制限にあり、従って一般国民に憲法を守る義務はない」と語る。
「『憲法というコンセプト』自体が公権力を縛ることを旨としているのだ」とのこと。
憲法で謳われている“労働の義務”は本来の憲法のありかたからは逸脱したものだそうだ。

P137◆最新版 芸能人「新興宗教」入信リスト
→詳細なリスト。信者でない人を但し書き付きとはいえ入れるのはどうなんだろう。石原慎太郎とか色々言われているがここでは触れられていない。こういう記事は恣意的に使われやすいので読む際に注意が必要な気がする。なのでこういうものがあったという記録だけにする。石井謙一郎という人の署名記事。

P149◆中居正広「ATARU」は中国映画の丸パクリ!? ジャニーズだらけの春ドラマを斬る! 今井舞
→久々の今井舞によるドラマ評。ただ、なぜか熱気がさっぱり感じられない記事。あまりに内容がお粗末で、もうどうでもいいという気分なのだろうか。あの悪意むきだしの文章が読みたかったので残念。「ATARU」はジェット・リー主演の「海洋天堂」そのままだとの指摘。私は映画は観ていないのでちょっとわからない。ジャニーズドラマではないが打ち切りの「家族のうた」はここでも酷評されている。今回、褒めているのは「リーガル・ハイ」くらい。

P152◆長谷川理恵「早過ぎる妊娠・結婚」のイヤ〜な感じ
長谷川理恵への悪口記事。

P156◆6億円貢がせたキャバ嬢の父親は警察官だった!−仰天スクープ
→気になっていた事件の事情を取材した記事。やりとりしたメールも紹介している。このキャバ嬢は人妻だったそうだ。しかし、この女、6億円を本当に使いきったのだろうか?

P159◆浦安看護師殺人“真犯人”と密室の謎
→この記事によると“密室殺人”となる。たった1ページの記事だが、興味をそそられる。

P160◆大金持ちに学ぶ究極の「資産防衛術」−円高増税ニッポンでまず知っておくべき3つのこと 短期集中講座〈第1回〉
→私の好きなライター・山田順が久々に登場。大金持ちから学んだ知識を庶民に伝授してくれるようだ。短期連載とあるが何回連載するのだろう? 相変わらずのしゃべり口で読んでいて楽しい。でも書いてある内容は「資産フライト」と大きな部分では違いはなさそう。

資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)

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↓読んだ感想メモ
http://d.hatena.ne.jp/allenda48/20120312/1331524114