ジャック・ロジエ監督の映画「オルエットの方へ」
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2011/10/29
- メディア: DVD
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上にあるボックスセットでなく単体のDVDだ。
単体のDVDはもう廃盤なのかもしれない。
この映画で、音楽を私の好きなミュージシャン、デビッド・アレンが担当していたのだと言う。
'71年フランス産の映画だ。
とすると、アレンがソフト・マシーンから離れ、イギリスからフランスに活動の拠点を移していたころだ。
日本版ブックレットを見ると確かに音楽=デビッド・アレン、ジリ・スマイス(ゴング)のクレジットがあった。
どんな感じで曲が流れるのかと思っていたのだが、結局、ゴングのファースト・アルバム「マジック・ブラザー」に収録されていた「Ego(イーゴ)」の一節が映画の所々で流れるだけのことだった。
ただ、なかなか効果的に使われてはいた。
- アーティスト: ゴング
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2000/11/22
- メディア: CD
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私はシネフィルというほどの映画好きではないので、この監督のことはよく知らなかった。
名前は聞いたことがあるかなくらいの。ヌーベル・バーグの人? 程度のことをなんとなく知っていたくらいだ。
“ゴダール、トリュフォーがその才能を高く評価した映像作家”的な言葉で語られることが多いようだ。
で、映画を見た感想。
160分以上に及ぶ映画なのだが、一般の娯楽ドラマ的な起承転結はない。
3人の若いパリの女性が海辺の別荘にバカンスに行く。そこに、その1人の女性の上司が彼女を追って現れ、さらにヨット乗りの男性が彼女たちと知り合い、ちょっとした恋愛模様が展開する。
それだけの内容だ。それをある種淡々と撮っている。
“障害”“目的”“葛藤”“思わぬ事件”といった
作劇の仕掛けは(表面上は)まったくない。
ただ、そのまんま、バカンスを過ごす女性たちの姿を追っているだけである。
あたかもドキュメンタリーのように。
しかし、それを見ていて退屈かというとそんなことはない。
なんとなく見てしまうのだ。しかも面白かったりする。
私などは、巨匠といわれるタルコフスキーやアンゲロプロスの映画を見ているとついつい眠くなり、意識を失ってしまうことがある。
だが、この映画では淡々とした日常的な映像が続くだけなのに眠くもならず、退屈もせずに見てしまった。160分間もである。
この映画の魅力は何だったのだろうか?
それが、現時点では自分では対象化できない。
俳優の魅力というのはわかるのだが、それ以外に見る者を引きつけるものがあったのだ。
ただ、それが何なのか分からない。
非常に不思議な映画だ。
この映画がなぜ面白かったのか?
このことは自分の宿題としたい。
ブックレットの解説も読んだのだが、いまひとつ納得しきれなかった。
シナリオから逸脱するもの、というのが関係ありそうに思えるのだが……
何か見えてきたらまた更新する。