見て読んで聴いて書く

映像、書物、音楽などについての感想

ブラッド・バード監督、トム・クルーズ主演の映画「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」

先日読んだ近田春夫による書評集「僕の読書感想文」。
淀川長治著「『生きる』という贅沢」の書評になるほどと思える言葉があった。

「映画とは興奮の様式化にほかならない」(P39)

映画「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」を見てその言葉通りの映画だと思った。
ガラガラの夜6.20からの新宿ピカデリー。
ヒット作もロードショーが終わる前くらいの平日だと空いた席でゆったりと見ることができる。
最高の席でお金と手間と技術を駆使した娯楽作品を堪能した。

映像と音をどのように展開して、見る者を楽しませてカタルシスを味あわさせるかということにともかく注力した作品だと思った。
映像の見せ方は見事だったが、私は緩急のメリハリがよかったと思う。
ハイテク小道具のユーモラスな使い方も。
笑える部分がうまく配置されていた。
お得意のトムのスマイルを披露する場面もちゃんと用意されていた。

興奮(excitement)をいかに約2時間の映像作品に盛り込むかが成功した作品といっていいと思う。アニメ監督の起用は成功したのではないだろうか。
上映時間の132分、ほとんど退屈することなく見れた。
1800円払うだけの価値はある娯楽映画だ。
ドラマとして突っ込みを入れる類の作品ではないと思う。